こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ザンデルリンクとベルリン響のブラームス

2024年05月12日 23時53分00秒 | ブラームス
GWの真っ只中、岡山で中学校の同窓会がありました。五輪年の翌年に開く規則だったのですが、コロナ禍でのびのびになって、今年7年振りでした。久々にみなさんにお会いしたのですが、半分くらいの人としかお話しできず、それが残念でした。ただ中学校となると、今の自分や生活とはまったく別世界の時代ですよね。なんだか別の自分を振り返るようで、妙な気分でした。次回は4年後ですが、あと何回お会いできるか…。それまで元気でいないといけませんねえ。

ということで、最近声楽曲をよく聴いていたのですが、ひさびさに家で交響曲を、ということで聴いたのが、クルト・ザンデルリンクのブラームスの交響曲であります。ブラームスは、年配の男性が好むと言うことらしいですが、私もその一人かも知れませんねえ。ブラームスの4つの交響曲、どれも大好きですが、特に、最近は交響曲奈4番が好みであり、よく聴いています。私も年を重ねてきたんでしょうかねえ(笑)。

この4番は、これまで何回が取り上げました。今回はザンデルリンクとベルリン響とが1990年に録音した全集からであります。ザンデルリンクはSKDとも1970年代に録音した名盤と言われている全集があります。4番においては、1984年のMPOとのライブもあります。ベルリン響とは、1960年に首席指揮者となり、このオケをBPOに対抗できるところまで引き上げることを目指します。1977年からは終身客演指揮者、名誉指揮者として緊密な関係を維持しました。ザンデルリンクは1912年のお生まれですから、このベルリン響との録音は78才のとき。ただ、このひと2011年に逝去されたので、この録音が晩年のものと言えるかどうか…。長寿は大切ですねえ。

ブラームスのこの曲には、名盤と言われる演奏が本当にたくさんあります。私も、バルビローリ、ベーム、ワルター、そしてフルトヴェングラー、チェリビダッケ、朝比奈隆、いろんな演奏を聴いては、これが一番いいなあ、といつも思ってしまう。どの演奏にもその良さがあるので、なかなか比較は難しいですねえ。まあ、聴き手の状態により、その時の心情にぴったりとあう演奏が一番なのかも知れませんねえ。

それでザンデルリンクの演奏です。SKDとの18年前の演奏に比べると約3分ほど遅いのです。ゆったりとしたテンポで旋律を慈しむような演奏。ブラームスの音楽が心にしっとりと入って来てくれるんですね。非常に柔らかくて優しいのです。それは、ザンデルリンクの年齢に起因するものでしょうか。厳しさや鋭角的な表情や勢いは、それほど感じなくなり、まろやかさや暖かさなどがとても心地よいのでありました。そして、ベルリン響が非常に美しい音色。穏やかな表情で語りかけるような演奏。あまりこのオケは聴いたことないのですが、とてもきめ細やかで整った音色と合奏力を聴かせてくれますねえ。まさに質実剛健。ドイツのオケでありますねえ。こんなオケとザンデルリンク。剛毅で力強いブラームスもいいですが、このような慈愛あふれる演奏は、実に聴き応えがありますね。

第1楽章。まずゆったりとした大河のように流れるブラームス。ザンデルリンクのブラームスを慈しむ気持ちが手に取るように伝わる。声高に語らない。でも愛おしいブラームスなのでありました。第2楽章。一層穏やかで慈愛に満ちたアンダンテ。ホルンや木管の優しい響きに、弦が加わる。弦の彼岸のような美しさは何ものにも代え難い。第3楽章、一転して速めの豪快な演奏。とても腰が座りぶれない。中間部の穏やかな表情は秀逸であります。そして第4楽章。このパッサカリアはとてもいい。それぞれの変奏がその特徴ある表現での演奏を展開して、その変化も凄いし、変幻自在に変奏を奏でる。それぞれの楽器が繰り広げる個性ある曲が、それぞれ優しく、剛胆に、厳しく、語りかけていますねえ。このパッサカリアはザンデルリンクの最上の遺産と言って過言ではないです。

GWも、無事終わりました。日増しに気温が上がり、初夏であります。4月以来悩まされてきたひのき花粉少なくなってきましたね。ランニングには、最適の季節になりました。
(Capriccio 08-10 600-(653) 1992年 輸入盤)
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『マカベウスのユダ』 | トップ | カラヤンの、一片の曇りもな... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2024-05-18 17:17:07
popotoku 様、コメントありがとうございます。ザンデルリンクのブラームス、SKDの録音のほうが全体的に見ればいいと思うのですが、このベルリン響との演奏も魅力ありますね。実はシングルレイヤーのSACD盤も持っているんですが、あまり聴いてないので(笑)、そのことについては触れませんでしたが、音質はかなり良くなったと思いました。また、ご教示ください。
返信する
Unknown (popotoku)
2024-05-14 11:36:23
ザンデルリンクのブラームスはいいですね。ベルリン交響楽団との4番は特に終楽章が立派だと思います。ただ、私のもっているCD(Profilレーベルのボックス)では残響が多く、オーケストラが遠くで演奏しているように聞こえて残念です。その点ではSKDとの旧盤の方が臨場感があって、聴いていて元気がわいてきます。
返信する

コメントを投稿

ブラームス」カテゴリの最新記事