この前の週末、淡路花博2015に行ってきました。家人は、淡路と言えば大阪の淡路というくらいの人間で、淡路島に渡るのは初めてでした。イングランドの丘、ウェルネスパーク五色、明石海峡公園・奇跡の星の植物館などや、洲本城・伊弉諾神宮も行き、たこせんべいの里にも寄りました。一番よかったのは、洲本での「兵庫ご当地グルメフェスティバルin洲本」で、「生さわら丼」を食べたことでした。さわらの刺身はうまい。岡山以外で生のさわらを初めて食べました。他は花粉症がひどくなったことだけでした。花博ですから、花粉がねえ。とほほ。
ということで、今回はブルックナーです。交響曲第3番ニ短調『ワーグナー』であります。この曲、ベームVPOの演奏のLPをよく聴きました。1972年12月31日にこのLPを買いました。カラヤンのEMI盤の4・7番と一緒に買ったことは、このブログでも述べたことがかなり昔にありました。でも買った当初はトランペットの冒頭の主題がなかなか派手でいいのですが、そんなに好きではありませんでした。
ということで、朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏です。朝比奈さんのブルックナーは、7番は14種類。8番は13種類、5番は9種類と、まあたくさんの演奏が残されております。それだけ需要があるということでしょう。1990年代の10年間は、それはもうたくさんの演奏がCD化されました。そんな中、この3番については、1977年10月28日のライブ(ジァンジァン)。1984年7月26日ライブ。1993年10月3~6日、そして1996年12月12日の新日フィルとのライブの4種類しかありません。ただ2001年11月にライブ録音される予定があったのですが、死去により録音はできないままになったそうです。最晩年の録音で、4・5・7・8・9番が残っているのですが、もう少し時間があれば、3番も残されるはずだったのですねえ。残念ですね。朝比奈さんは晩年にこの曲を好んでおられ、棺にもこの曲のスコアが納められたとか…。朝比奈さんの録音は、ほとんどがライブなんですが、この演奏はスタジオ録音です。「音にするのが大変な曲」ということでスタジオ録音されたそうです。加えて、改訂版による演奏というのも、珍しいのでありました。朝比奈さんは、楽譜の版にはそれほど拘らないと言ってますが、どうなんでしょうかね。
さて、演奏ですが、ライブのような感覚で一気に高揚した音楽が駆け抜けるのですね。全編通じて、テンポはそれほど速くはないのですが、力強く気合に満ちた、そして高らかにブルックナーの音楽を歌い上げるのです。最初から最後までこの高揚感と緊張漢と迫力に満ちた演奏には、圧倒されずにはおられませんね。ただ、オケは荒削りな印象を持ちますし、それぞれの楽器の美しい響きなどとは無縁の印象を持ちますし、朝比奈さんの演奏も、一本気で自分の音楽を脇目もふれず突き進むと言った、感動的でもあります。この演奏を聴いて、この3番のよさが実によくわかった、そんなことも声高に言いたいのでありました。
第1楽章から、トランペットによる主題とその周辺が実に力強く、ここに少しでも弱さを感じるなら、この楽章はしんどくなるが、それを一切払拭させ、全体的に剛毅さと緊迫感で、曲のもつ弱いところをまったく感じさせないところに凄味も感じます。しかし、この曲のいろんな旋律がここまで魅力的に演奏されることは、他でなかなか聴けません。それに加わる豪快さ、いいですねえ。第2楽章アダージョ。ここでもこの剛毅で力強さにみなぎる演奏は他ではなかなか聴けません。その様子は第1楽章から引き続くもの。ただ、曲全体でも同様で、一本調子ではあるが、この演奏には圧倒的な信念が込められており、そこもこの演奏の魅力でしょう。第3楽章スケルツォ。ブルックナーの、特に初期の後半楽章はある意味しんどいときもあるのですが、そんなことは一切感じさせない演奏ですね。迫力一杯のスケルツォに、愉悦感にあふれるトリオ。大音量で聴きたくなります。そして、終楽章も第3楽章同様、曲によさがひしひしと伝わってきます。そして、この楽章が実に立派な曲であり、それがひいてはこの曲の素晴らしさを再認識させてくれるのでありました。オケの分厚い響きと、そんな圧倒的な響きで歌い上げる演奏でありました。
しかし、朝日奈さんの演奏、今回はけっこうご無沙汰でありましたが、聴くと実に素晴らしいですねえ。また、聴きたくなりますね。しかし、淡路は神戸からは橋ができたことで、実に近くなりました。洲本までも自宅から1時間弱で行けます。また、「生さわら丼」が食べたいですね。
(CANYON PCCL-00471 2002年 朝比奈隆1500シリーズ)
ということで、今回はブルックナーです。交響曲第3番ニ短調『ワーグナー』であります。この曲、ベームVPOの演奏のLPをよく聴きました。1972年12月31日にこのLPを買いました。カラヤンのEMI盤の4・7番と一緒に買ったことは、このブログでも述べたことがかなり昔にありました。でも買った当初はトランペットの冒頭の主題がなかなか派手でいいのですが、そんなに好きではありませんでした。
ということで、朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏です。朝比奈さんのブルックナーは、7番は14種類。8番は13種類、5番は9種類と、まあたくさんの演奏が残されております。それだけ需要があるということでしょう。1990年代の10年間は、それはもうたくさんの演奏がCD化されました。そんな中、この3番については、1977年10月28日のライブ(ジァンジァン)。1984年7月26日ライブ。1993年10月3~6日、そして1996年12月12日の新日フィルとのライブの4種類しかありません。ただ2001年11月にライブ録音される予定があったのですが、死去により録音はできないままになったそうです。最晩年の録音で、4・5・7・8・9番が残っているのですが、もう少し時間があれば、3番も残されるはずだったのですねえ。残念ですね。朝比奈さんは晩年にこの曲を好んでおられ、棺にもこの曲のスコアが納められたとか…。朝比奈さんの録音は、ほとんどがライブなんですが、この演奏はスタジオ録音です。「音にするのが大変な曲」ということでスタジオ録音されたそうです。加えて、改訂版による演奏というのも、珍しいのでありました。朝比奈さんは、楽譜の版にはそれほど拘らないと言ってますが、どうなんでしょうかね。
さて、演奏ですが、ライブのような感覚で一気に高揚した音楽が駆け抜けるのですね。全編通じて、テンポはそれほど速くはないのですが、力強く気合に満ちた、そして高らかにブルックナーの音楽を歌い上げるのです。最初から最後までこの高揚感と緊張漢と迫力に満ちた演奏には、圧倒されずにはおられませんね。ただ、オケは荒削りな印象を持ちますし、それぞれの楽器の美しい響きなどとは無縁の印象を持ちますし、朝比奈さんの演奏も、一本気で自分の音楽を脇目もふれず突き進むと言った、感動的でもあります。この演奏を聴いて、この3番のよさが実によくわかった、そんなことも声高に言いたいのでありました。
第1楽章から、トランペットによる主題とその周辺が実に力強く、ここに少しでも弱さを感じるなら、この楽章はしんどくなるが、それを一切払拭させ、全体的に剛毅さと緊迫感で、曲のもつ弱いところをまったく感じさせないところに凄味も感じます。しかし、この曲のいろんな旋律がここまで魅力的に演奏されることは、他でなかなか聴けません。それに加わる豪快さ、いいですねえ。第2楽章アダージョ。ここでもこの剛毅で力強さにみなぎる演奏は他ではなかなか聴けません。その様子は第1楽章から引き続くもの。ただ、曲全体でも同様で、一本調子ではあるが、この演奏には圧倒的な信念が込められており、そこもこの演奏の魅力でしょう。第3楽章スケルツォ。ブルックナーの、特に初期の後半楽章はある意味しんどいときもあるのですが、そんなことは一切感じさせない演奏ですね。迫力一杯のスケルツォに、愉悦感にあふれるトリオ。大音量で聴きたくなります。そして、終楽章も第3楽章同様、曲によさがひしひしと伝わってきます。そして、この楽章が実に立派な曲であり、それがひいてはこの曲の素晴らしさを再認識させてくれるのでありました。オケの分厚い響きと、そんな圧倒的な響きで歌い上げる演奏でありました。
しかし、朝日奈さんの演奏、今回はけっこうご無沙汰でありましたが、聴くと実に素晴らしいですねえ。また、聴きたくなりますね。しかし、淡路は神戸からは橋ができたことで、実に近くなりました。洲本までも自宅から1時間弱で行けます。また、「生さわら丼」が食べたいですね。
(CANYON PCCL-00471 2002年 朝比奈隆1500シリーズ)
朝比奈さんでは、生前に一度だけ、大阪フィルの東京公演でベートーヴェンの1,3番のプログラムを聴きました。素晴らしい演奏で、CDにもなっているようです。
しかし本当は、彼のブルックナー演奏を実演で聴いてみたかったですね。チャンスはたくさんあったのですが、「またいつか、またいつか」と思っているうちに、チャンスはなくなってしまいました。