最近、シベリウスをよく取り上げていますが、今回はその3弾。交響曲第3番ハ長調。演奏はサー・ジョン・バルビローリ指揮ハレ管弦楽団。1969年5月の録音です。実は、以前にシベリウス交響曲全曲購入計画を立てました(すんません、このての計画は三度目の言及となります)。1番と5番がベルグンド、2番がバーンスタイン、3番・6番がバルビローリ、4番がヤルヴィ、7番がムラヴィンスキー、というラインナップでありました。繰り返しますが、何枚も買えるような値段ではなかったこともあっての計画でした。憶えているのは、4番をウメチカの大月楽器店で買ったことですかね。大月楽器店はもうなくって久しいですねえ。その後、低価格化とともに、バルビローリの全曲とか、いろいろと物色するようになりました。今回のシベリウスについても、過日中古でカラヤン盤を買ったことがきっかけでありました。これも安い値段で買えたことを思えば、隔世の感があります。今回3番ということで、これもカヤランで行こうと思ったのですが、3番はカラヤンの録音はDGにも、EMIにもないんですね。そこで、ここはその昔は、シベリウスといえば、この人バルビローリでありました。この人の演奏が以前ほど話題にならないのは、いわゆるお国ものの登場で、相対的な地位の低下があったからでしょうかね。
まくらが長くなりました。で、バルビローリの演奏を聴きましょう。第1楽章、冒頭の弦による第一主題、ソナタ形式。無骨なハレ管の音。しかし、これもバルビローリの意図的なものかもしれない。弦にうるさいバルビローリ、続くチェロとヴィオラによる郷愁を感じさせる第二主題は、心にしみ込んでくるよう。弦の音が心にどんどん入ってきます。展開部では、木管と弦のからみが自然の息吹のように、生き生きと演奏される。そして再現部では、再び更にリズミカルになった弦が、他方では伸びやかに、次第に盛り上がって終結部へ。第1楽章から、バルビ節全開。途中で鼻歌も聞こえる絶好調。第2楽章、変奏曲。フルートによるこれまた哀愁帯びた主題が変奏されていく中で、弦、チェロ、そしてクラリネットからオーボエなどに受け継がれていくが、その表現力が大したものです。この主題の繰り返しが多く、これがまた飽きない。生気あぶれるハレ管でした。そして第3楽章。スケルツォとフィナーレを融合させたもの。スケルツォは弦の低音が爽快。それの活気のあるうごめきがうまく表現されている。そしてフィナーレ。最後の聴かせどころ。弦の動きの少ない伴奏に主題が出てきて、それが混沌から生成していき、頂点を形成する。その過程を、実にうまく聴かせてくれます。バルビローリの感情が思いっきり表現される。バルビ版シベリウス。
30分あまり曲です。交響曲としては、小品のようなもの。まあ、この程度がいいのでしょうかねえ。
マリーンズ、終戦であります。
(EMI TOCE-6043 1990)
まくらが長くなりました。で、バルビローリの演奏を聴きましょう。第1楽章、冒頭の弦による第一主題、ソナタ形式。無骨なハレ管の音。しかし、これもバルビローリの意図的なものかもしれない。弦にうるさいバルビローリ、続くチェロとヴィオラによる郷愁を感じさせる第二主題は、心にしみ込んでくるよう。弦の音が心にどんどん入ってきます。展開部では、木管と弦のからみが自然の息吹のように、生き生きと演奏される。そして再現部では、再び更にリズミカルになった弦が、他方では伸びやかに、次第に盛り上がって終結部へ。第1楽章から、バルビ節全開。途中で鼻歌も聞こえる絶好調。第2楽章、変奏曲。フルートによるこれまた哀愁帯びた主題が変奏されていく中で、弦、チェロ、そしてクラリネットからオーボエなどに受け継がれていくが、その表現力が大したものです。この主題の繰り返しが多く、これがまた飽きない。生気あぶれるハレ管でした。そして第3楽章。スケルツォとフィナーレを融合させたもの。スケルツォは弦の低音が爽快。それの活気のあるうごめきがうまく表現されている。そしてフィナーレ。最後の聴かせどころ。弦の動きの少ない伴奏に主題が出てきて、それが混沌から生成していき、頂点を形成する。その過程を、実にうまく聴かせてくれます。バルビローリの感情が思いっきり表現される。バルビ版シベリウス。
30分あまり曲です。交響曲としては、小品のようなもの。まあ、この程度がいいのでしょうかねえ。
マリーンズ、終戦であります。
(EMI TOCE-6043 1990)
実は、シベリウスの3番を拙ブログで取り上げようとして、先々週から先週にかけてデイヴィス/ボストン響をひたすら聞いていました。結局文章化できずにしばらくお蔵入りにしました。
mikotomochi58さんの今日の文章を拝見し、うまく文章にまとめておられ素晴らしいなと思いました。
バルビローリの全曲盤は昨年購入した当初はよく聞いていましたが、最近はデイヴィス/ボストン響ばかりです。バルビローリを聞きなおさないといけないですね。
私も、ディヴィスとボストン響の演奏は持っており、実は今回、ディヴィスかバルビローリ、どちらにしようかと迷いました。結局は、バルビローリの方が書きやすいと思い、今回の記事となりました(笑)。わたしは、よんちゃん様と違って、楽器などにはまったく素人で、書いた内容も見当外れかな、といつも心配でなんです。誤りなどあれば、ご教示ください。
ハレ管も一生懸命にやってますし、何より、バルビローリ節がいたるところで聴かれるのがエエですね。
この第3番の第2楽章など、すすり泣くような感じがでていました。
コメント・TBいつもありがとうございます。ブログをエントリーしたあと、この曲とこの演奏について、mozart1889様のブログで、取り上げられていないか、確認するんですが、たいていの場合、mozart1889様は既に取り上げておられます。そのたびに、感服する次第であります。この曲についてもそうでした。感服いたします。