今週と先週は、仕事上最も忙しい二週間になります。大きなイヴェントがありまして、それを実施するのに、もうあたふたしております。例年の業務といえは、それまでなんですが、なかなか緊張しますねえ。近頃は、帰宅して夕食後に韓国ドラマを毎日見ているのですが、それも帰宅時間が遅くなったので見れません。加えて、昨日などは遅くなったので第二神明で帰ったのですが、車の横転事故などがあって大渋滞。それでも、なんとか日付が変わらないうちに帰ることができました…。なかなかしんどいことであります。
そんな中、今回はハイドンであります。昨年末に久々にタワーさんに寄りましてCDを見ておりましたら、タワーさんから出ているヴィンテージコレクションのシリーズで、ハイドンの太陽四重奏曲集の二枚組を見つけました。このシリーズ、廃盤となった名盤を復刻してくれている、なかなかうれしい企画です。今回もクーベリックのベートーヴェンの交響曲全集なども発売されています。そして、安いです。二枚組で1500円ということで、これもうれしいことです。
それで、この太陽四重奏曲集、ハイドンが1772年に作曲した6曲の弦楽四重奏曲です。第30番から第36番。作品20の1から6までです。交響曲第45番『告別』と同じ頃の作品。シュトゥム・ウント・ドラング期の代表的な曲といわれています。派手さはありませんが、聴き込むたびに曲のよさがしみじみ表れてくる、そんな曲であります。今回は、この太陽四重奏曲集の第五曲目。弦楽四重奏曲第35番ヘ短調作品20の5。この曲は6曲中2曲含まれる短調の曲のひとつ。第2楽章にメヌエットが、第4楽書にはフーガが配されています。そしてこの演奏は、ケッケルト弦楽四重奏団。1965~66年ミュンヘンのヘルクレスザールでの録音。ケッケルト四重奏団は、バイエルン放響のコンマスのルドルフ・ケッケルトを中心に同放響のメンバーで構成されています。
さて、この演奏ですが、この四重奏団は堅実な演奏ですね。ゆったりとしたテンポで、ほとんどテンポが揺れることがない。過度な表現もなく、落ち着いた演奏です。また、弦の音色も派手さはなく、重厚。ということで、まあ悪く言えば暗めで、あまり面白みのない演奏。曲自体がそんな曲なんで、それに輪をかけたような印象も持つかも知れない。しかし、曲がそうであるように、聴き込めば聴き込むほど味がでる、そんな演奏。4つの弦楽器のバランスが非常によく、演奏のまとまりがいい。そして、揺るがぬテンポでゆったりと渋い弦によって曲が奏でられるのです。本当に落ち着いた演奏であります。
第1楽章モデラート。短調のよさがじみじみと語られる。悲壮感や憂いに満ちたメロディが流れる。短調の表情たっぷりに演奏されるのではなく、陰影に富んだ弦の音色で曲の表情が語られる。弦楽器の音色でこれほどの表現ができるのか、と思ってしまう。第2楽章メヌエット。穏やかで過度なリズムは聴かれない曲と演奏。極めて穏健。それでいてしっかりメヌエットのよさも聴かれる。第3楽章アダージョ。美しい援徐楽章。冒頭のメロディでは弦の優しさや美しさに満ちた演奏。テーマを奏でる楽器とその他の楽器の対比がいい。ここでもインテンポでしみじみとした弦の美しさを感じる。そして、第4楽章、2つに主題によるフーガ。この曲集の中の3曲に終楽章にフーガが配されています。終楽章のフーガは実に味わい深いです。四つの弦がどれも等しく活躍し、曲の構造が極めて明瞭な演奏です。わずか二分半の曲ですが、弦楽四重奏のよさを最後に認識させてくれますね。
ハイドンの弦楽四重奏曲、幾種類の演奏を入手できるような状況ではありません。こんな演奏が聴けたことはたいそう喜ばしいことでありました。他にもいろんな演奏があると思いますので、それらの復刻を期待したいものです。
(TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION Vol.13 PROC-1156/7)
そんな中、今回はハイドンであります。昨年末に久々にタワーさんに寄りましてCDを見ておりましたら、タワーさんから出ているヴィンテージコレクションのシリーズで、ハイドンの太陽四重奏曲集の二枚組を見つけました。このシリーズ、廃盤となった名盤を復刻してくれている、なかなかうれしい企画です。今回もクーベリックのベートーヴェンの交響曲全集なども発売されています。そして、安いです。二枚組で1500円ということで、これもうれしいことです。
それで、この太陽四重奏曲集、ハイドンが1772年に作曲した6曲の弦楽四重奏曲です。第30番から第36番。作品20の1から6までです。交響曲第45番『告別』と同じ頃の作品。シュトゥム・ウント・ドラング期の代表的な曲といわれています。派手さはありませんが、聴き込むたびに曲のよさがしみじみ表れてくる、そんな曲であります。今回は、この太陽四重奏曲集の第五曲目。弦楽四重奏曲第35番ヘ短調作品20の5。この曲は6曲中2曲含まれる短調の曲のひとつ。第2楽章にメヌエットが、第4楽書にはフーガが配されています。そしてこの演奏は、ケッケルト弦楽四重奏団。1965~66年ミュンヘンのヘルクレスザールでの録音。ケッケルト四重奏団は、バイエルン放響のコンマスのルドルフ・ケッケルトを中心に同放響のメンバーで構成されています。
さて、この演奏ですが、この四重奏団は堅実な演奏ですね。ゆったりとしたテンポで、ほとんどテンポが揺れることがない。過度な表現もなく、落ち着いた演奏です。また、弦の音色も派手さはなく、重厚。ということで、まあ悪く言えば暗めで、あまり面白みのない演奏。曲自体がそんな曲なんで、それに輪をかけたような印象も持つかも知れない。しかし、曲がそうであるように、聴き込めば聴き込むほど味がでる、そんな演奏。4つの弦楽器のバランスが非常によく、演奏のまとまりがいい。そして、揺るがぬテンポでゆったりと渋い弦によって曲が奏でられるのです。本当に落ち着いた演奏であります。
第1楽章モデラート。短調のよさがじみじみと語られる。悲壮感や憂いに満ちたメロディが流れる。短調の表情たっぷりに演奏されるのではなく、陰影に富んだ弦の音色で曲の表情が語られる。弦楽器の音色でこれほどの表現ができるのか、と思ってしまう。第2楽章メヌエット。穏やかで過度なリズムは聴かれない曲と演奏。極めて穏健。それでいてしっかりメヌエットのよさも聴かれる。第3楽章アダージョ。美しい援徐楽章。冒頭のメロディでは弦の優しさや美しさに満ちた演奏。テーマを奏でる楽器とその他の楽器の対比がいい。ここでもインテンポでしみじみとした弦の美しさを感じる。そして、第4楽章、2つに主題によるフーガ。この曲集の中の3曲に終楽章にフーガが配されています。終楽章のフーガは実に味わい深いです。四つの弦がどれも等しく活躍し、曲の構造が極めて明瞭な演奏です。わずか二分半の曲ですが、弦楽四重奏のよさを最後に認識させてくれますね。
ハイドンの弦楽四重奏曲、幾種類の演奏を入手できるような状況ではありません。こんな演奏が聴けたことはたいそう喜ばしいことでありました。他にもいろんな演奏があると思いますので、それらの復刻を期待したいものです。
(TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION Vol.13 PROC-1156/7)
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