こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

再びリリングのバッハのカンタータです。

2012年02月14日 22時21分32秒 | バッハ
先週、大学時代からの恩師がお亡くなりになられました。享年95才ということで、天寿を全うされたと言ってもいいのですが、仲人もしていただき、公私ともにたいそうお世話になったので、悲しいこと限りありませんでした。告別式は行けないとしても、前夜式には是非参列したいと思っていたのですが、仕事でのトラブルがあって行けませんでした。大変残念でした。一対一のゼミが終われば、毎週のように飲み屋に連れて行っていただき、いろんな教えを受けることができました。心よりご冥福をお祈り致します。

ということと関わりがあるようで、ないような、今回は久しぶりのバッハのカンタータであります。カンタータ100番「神なしたもう御業こそ いと善けれ」BWV100です。このカンタータ、1734年ごろにライプチヒで作曲されたものと言われています。第1曲はBWV99の冒頭の曲の改訂であり、第6曲もBWV75からの転用となっています。三位一体節後第15日曜日用といわれていますが、詳細はわかっていません。構成は①コラール、②AとTのアリア、③Sのアリア、④Bのアリア、⑤Aのアリア、⑥コラールであり、アリアの四連発ということで、私にはなかなか好みの構成であります。

そして演奏ですが、アーリーン・オジェー(S)、ユリア・ハマリ(A)、アダルベルト・クラウス(T)、フィリップ・フッテンロッハー(B)などの独唱陣と、ヘルムート・リリング指揮のシュトゥットガルト・バッハ・コレギウムであります。先日買ったリリングによるバッハのカンタータ全集からであります。この曲は、別に何か理由があってのものではなく、どれがいいかな、ってことでくじ引きのようにしてたどり着いたものです(笑)。ただ、このカンタータは、かのリヒターによる演奏が残されています。こちらは、マティス、シュライヤー、ハマリとフィッシャー=ディースカウというメンバー。このリヒターの演奏、まずコラールからああリヒターの演奏ですねえと感じさせる。求心力と緊張感に満ちあふれ独唱陣も一騎当千の強者。やはりDFDは存在感があります。またニコレ、グラーフ、クレメント、バウマンなどの管楽器も素晴らしい名人芸が聴けませす。

とはいっても、このリリング盤、侮るべからず、であります。リヒターの演奏に比べて、声楽陣ではやはり劣りますかね。アルトのハマリは、リヒターでも常連でありますし、リリングでも大活躍。しっとりと落ち着きのあるアルトも健在でありました。テノールのクラウス、アルトとのデュエットですが、今ひとつここで個性が発揮できていませんかね。リヒター盤はシュライヤーなので余計そうおもうのでしょうか。加えて、バスのフッテンロッハーは、一方がDFDでありますので比較するのは差し控えたいと思います。頑張っています。しかし、ソプラノのオジェーはいいですね。この人、モーツァルトのオペラなどで聴いた時には、特にそれほど思わなかったのですが、このカンタータではいいです。暖かく、柔らかい、歌声はカンタータなどにはいいなあ、って思います。そして、リリングの演奏も尖ったところやきついところなどがなく、優しさや温和さにあふれています。各楽器の音色もまろやか。鋭角的な演奏ではなく、心が落ち着きますね。オケもたいそうまとまっています。コラールでの合唱もカンタータに相応しいな、と思います。、カンタータが教会の日常的に演奏されるものであるなら、こんな演奏こそが、神の恩恵を受けるに相応しいものかどうかは、よくわかりませんが、リリンクの演奏は教会には似合っているのではないか、と思った次第です。

恩師は、結婚式での仲人の新郎紹介のときに、趣味としてクラシック音楽、特に「ドイツの名指揮者ウィルヘルム・フルトヴェングラーの演奏を好んで聴く…」と言っていただきました。最後にお会いできたのは、去年の三月でした。重ねて、ご冥福をお祈り致します。
(Hennsler 98630 2011年 輸入盤)

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