暑いのはまあ仕方ないとして、今年は雨が降りませんねえ。梅雨もそれほど降ったわけでもないし、これは今年は水不足が心配されますねえ。夕立でもいいから、なんとか恵みの雨を期待したいところであります。と思っていたら、今日はとんでもない雨が降って、停電にもなった神戸でありました。
さてさて、今回はブルックナーであります。ブルックナーも9曲の交響曲のうち、5・7・8・9番は超有名でありますが、3・4・6番となると少々落ちて、1・2番となると、ガタッと演奏機会も少ないし、CDなども見られなくなりますねえ。そして、0番と00番になると、それ以上の希少価値になってしまいます。確かにこの傾向は分からなくはないですね。1・2番というのは、聴くのがやはりつらかったりしんどいと思うことがありますねえ。まあ、途中でもうやめようとか、もういいやとかで中断することもしばしばありました。でも、演奏がいいとそんなこともないのかもしれません。また、その曲の魅力は決して乏しいわけでなく、うーん、ブルックナーやねえと、思うコトしきりの曲なんであります。そんな演奏機会の乏しい中から、今回は交響曲第2番ハ短調であります。思うのですが、ほんとにブルックナーの曲は、それほどでもない演奏で聴くと皆目退屈だし、わけ分からんと思ってしまうんですね。それをしっかりとした演奏で聴くと、ああ、こんな曲だったんかと思うことができるんですね。それ以降は、どんな演奏を聴いても、けっこう楽しめるようになるんですねえ。その意味で、この2番を「開眼」させてくれた演奏は、EMIからのオイゲン・ヨッフム指揮とシュターツカペレ・ドレスデンの演奏なんです。
この2番は、1番のあと現在0番と言われている曲があるので、実質は3番目のとなります(00番を入れると4番目)。この曲にもいわゆる版の問題はありまして、1872年版と1877年版があります。現在多くは後者によるもので、ヨッフムもこの版で、ノヴァーク版を使用しています。また、ヨッフムには、DGからのバイエルン放送響との録音もあります。こちらの方がいいという向きもあるのですが、まだこれは入手してないので未聴です。第1楽章、弦のトレモロから始まって、チェロによる第一主題が登場しますが、このあたりからすでにヨッフムの生気に充ち満ちた演奏です。休止のあとの同じチェロの主題も伸びやかでいいです。弦の低音が良く響いてアクセントになってます。そして、鳥のさえずりにも似た木管の調べがなんともチャーミングで、よく言われるように大自然の息吹がいたるところで感じられ、ヨッフムで聴くと、この自然の有様が実に生き生きと感じられますね。ここのところが、この演奏の優れたところでしょう。第2楽章、アンダンテ。この曲の最も魅力的な楽章ですが、実に郷愁に満ちた第一主題が瑞々し少々活発に奏でられます。ピチカートをバックにホルンのソロもこのオケのしっかりしたところ。ゆったりとした自然の営みが生気満ちたものとして描かれています。第3楽章スケルツォ。トリオが美しく、オケの巧さを引き出すヨッフムの力量です。そして、第4楽章、ヨッフムはダイナミックな中にも優しさをあらわしています。この楽章はけっこう退屈になるのですが、ヨッフムでは、音が一つ一つしっかりと刻みながら、一気に最後まで聴け、そして、アッチェランドがかかり盛り上がりを見せて終わります。ほんとに楽しめる演奏です。
(EMI 5 73907 2 2000年 輸入盤)
さてさて、今回はブルックナーであります。ブルックナーも9曲の交響曲のうち、5・7・8・9番は超有名でありますが、3・4・6番となると少々落ちて、1・2番となると、ガタッと演奏機会も少ないし、CDなども見られなくなりますねえ。そして、0番と00番になると、それ以上の希少価値になってしまいます。確かにこの傾向は分からなくはないですね。1・2番というのは、聴くのがやはりつらかったりしんどいと思うことがありますねえ。まあ、途中でもうやめようとか、もういいやとかで中断することもしばしばありました。でも、演奏がいいとそんなこともないのかもしれません。また、その曲の魅力は決して乏しいわけでなく、うーん、ブルックナーやねえと、思うコトしきりの曲なんであります。そんな演奏機会の乏しい中から、今回は交響曲第2番ハ短調であります。思うのですが、ほんとにブルックナーの曲は、それほどでもない演奏で聴くと皆目退屈だし、わけ分からんと思ってしまうんですね。それをしっかりとした演奏で聴くと、ああ、こんな曲だったんかと思うことができるんですね。それ以降は、どんな演奏を聴いても、けっこう楽しめるようになるんですねえ。その意味で、この2番を「開眼」させてくれた演奏は、EMIからのオイゲン・ヨッフム指揮とシュターツカペレ・ドレスデンの演奏なんです。
この2番は、1番のあと現在0番と言われている曲があるので、実質は3番目のとなります(00番を入れると4番目)。この曲にもいわゆる版の問題はありまして、1872年版と1877年版があります。現在多くは後者によるもので、ヨッフムもこの版で、ノヴァーク版を使用しています。また、ヨッフムには、DGからのバイエルン放送響との録音もあります。こちらの方がいいという向きもあるのですが、まだこれは入手してないので未聴です。第1楽章、弦のトレモロから始まって、チェロによる第一主題が登場しますが、このあたりからすでにヨッフムの生気に充ち満ちた演奏です。休止のあとの同じチェロの主題も伸びやかでいいです。弦の低音が良く響いてアクセントになってます。そして、鳥のさえずりにも似た木管の調べがなんともチャーミングで、よく言われるように大自然の息吹がいたるところで感じられ、ヨッフムで聴くと、この自然の有様が実に生き生きと感じられますね。ここのところが、この演奏の優れたところでしょう。第2楽章、アンダンテ。この曲の最も魅力的な楽章ですが、実に郷愁に満ちた第一主題が瑞々し少々活発に奏でられます。ピチカートをバックにホルンのソロもこのオケのしっかりしたところ。ゆったりとした自然の営みが生気満ちたものとして描かれています。第3楽章スケルツォ。トリオが美しく、オケの巧さを引き出すヨッフムの力量です。そして、第4楽章、ヨッフムはダイナミックな中にも優しさをあらわしています。この楽章はけっこう退屈になるのですが、ヨッフムでは、音が一つ一つしっかりと刻みながら、一気に最後まで聴け、そして、アッチェランドがかかり盛り上がりを見せて終わります。ほんとに楽しめる演奏です。
(EMI 5 73907 2 2000年 輸入盤)
第2番交響曲は、ヨッフム得意の演目だったようです。しかもこの演奏、録音が良いんです。EMI盤は概して我が家では相性が悪いんですが、この2番は例外でしょうか、実にエエ音がします。
そうそう、旧盤DGでの演奏も名演の誉れ高いものだったと記憶しております。