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もう一度、ブダペストのベートーヴェン

2017年07月16日 21時59分20秒 | ベートーヴェン
あっという間に真夏になりました。九州北部の豪雨もひどい被害です。こんな甚大な災害が毎年のように、またどこで起こるかわからない、これは本当に困ったことであります。各地で高温の状況が報告されていますが、これは温暖化が原因なんでしょうね。今年は7月の最初から、そして9月も暑いと言われており、実に深刻であります。暑いときは冷房を十分に、といいますが、世の中、冷房が完備されていないところもありますし、電気代の心配もしなければならないところもあるんですよね。これも深刻な問題であります。

そんな中、次第に音楽を聴くのも、暑苦しくなってきますが、頑張ってききましょう。別に苦行ではありませんが…。今回は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番ヘ長調作品135であります。1826年、死の5か月前に完成した曲。ベートーヴェンが完成させた最後の弦楽四重奏曲であり、ベートーヴェンのまとまった作品としても生涯最後の作品であります。このジャンルの後期の作品は、形式などかなり自由なものを追究しておりましたが、ここに至って、後期の中では最も小規模であり、ハイドン以来の古典的な4楽章形式に戻っています。自筆譜には、「かくあらねばならぬか?」と「かくあるべし」とまあ意味深な言葉も書かれていることでも有名ですね。

それで、この弦楽四重奏曲の演奏ですが、私は、ベートーヴェンのこの曲の演奏で、まず第一にあげるのが、ブラペスト四重奏団であります。以前にラズモフスキー第1番を取り上げたときは、ブタペストの演奏でありました。今回も同じではいけないなと思い、他ので行こうと思い、アルバンベルク、エマーソン、アルテミスSQの演奏を聴いてみました。どれもよい演奏なんですね。それで、その中から一つとなれば、うーん迷った挙げ句に、やはりブタペストSQの演奏を取ってしまうのでありました。

ブタベストSQは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲、三度も録音しております。SPの時代と1950年代初め、そしてこの1958年~61年の録音です。これでももう60年ほども前のものになりますね。この3つとも、メンバーはけっこう異なっており、それなりにややこしいのですが、まあそれはそれで、あります。ちなみに、この演奏は、ヨーゼフ・ロイスマン(Vn1)、アレクサンダー・シュナイダー(Vn2)、ボリス・クロイト(Va)ミーシャ・シュナイダー(Vc)です。

ブタペストSQの演奏、武骨で剛毅な弦の響きが私は好きです。この演奏を聴いて他を聴くと、たいそう生温く聞こえてしまうのです。力の限りの腕前で、弦を弾いているところが目の前で知らしめるようで、これはやはりすごい。ただ、一昔前の演奏と思わざるを得ないところもありますが、それは逆で、現代のSQの演奏がそもそもか弱すぎる、抒情的であるとか、情感たっぷりとかの少々異なる理解であるという気がしてなりませんねえ。

第1楽章。冒頭からそれぞれの楽器が上手い具合に調和が取れており、そのバランスが素晴らしい。テンポの揺るぎもなく、音楽に気持ちが込められているところも圧倒されます。そして心を動かされますねえ。第2楽章、実質的なスケルツォ。ベートーヴェン晩年のスケルツォの典型的な作品の印象を受ける。力強い躍動感とスケールの大きさには、たいそうな心地よさを感じます。荒々しさも快感となりますねえ。第3楽章、ベートーヴェンのこの時期の作品に見られる抒情的な情感あふれる楽章。前後の楽章とはその有り様において一線を画す。それが際立っていればいるほどいいですねえ。武骨さに加えて、このような心に染み込む弦の響きの凄まじさはブタペストならではのもの。そして終楽章。ここでも耳触りのよさはあまり感じず、力強い弦の響きに圧倒されます。最後まで、これでなくては、と思ってしまう演奏であります。

今日は、高校野球県予選を見に行きましたが、2回終わったところで雷鳴がとどろき、中止。その後激しい雷雨となりノーゲームとなりました。明日再試合。また明日行かねばなりませんねえ。(SONY 00DDC989~996、1987年)

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2 コメント

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いつも楽しく拝見しております (とすからやん)
2017-07-19 06:09:53
私もベートーヴェンはブダペストが一番と思っております。演奏にかける意気込み、迫力すごいですよね。古いですが録音良くて近接音が明瞭ですね。昔、LPの全集を持っておりました。10枚組で15000円でこれでも廉価盤でした。今はCDを聴いておりますが大変良い音です。ブダペストのモノラル盤がさらに良いと言われておりますが聴いておりません。ジュリアードの60年代が復活するといいなと思っております。
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コメント、感謝です。 (mikotomochi58)
2017-07-19 19:41:13
とすからやん 様、コメントありがとうございます。同感であります。最近のSQは、上手いなと思うのですが、どうも「ゆるい」のです。ご指摘の「意気込み」や「迫力」がブタペストは優っているのですねえ。やはり、一昔前の演奏の方が、そんな魅力はありますね。モノラル盤も、おそらく音の悪さなどは気にならない演奏でしょうね。私もぜひ聴いてみたいと思います。またご教示ください。
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