めっきり涼しきなりました。八月中旬の台風以来、猛暑は姿を消し、それなりに過ごしやすい毎日でした。野菜などの農作物の不作はけっこう心配ですし、このまま秋になってしまうことも、うーん、どうなんだろうと思ってしまいますねえ。でも、この夏、振り返って見れば、しなければならないことも、それほどというか4つの目標があったのですが、なんとかできたのは1つのみ。うだるような暑さではなかった夏にしては、お粗末な結果でありました…。
まあ、そんな反省はともかく、今回はショパンであります。最近、ショパンを取り上げることが多いのですが、それほど私は熱心なショパンの聴き手ではありません。ですが、一応ショパンの演奏として、まず挙げられるピアニストは、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、フランソワ、ポリーニ、この4人でしょうか。そして、この中でまずひとりを挙げるとなれば、ホロヴィッツでしょうか。ただ問題点としては、彼は、まとまって録音を残していないようなんですね。たとえば、彼のCDは、夜想曲全集とかバラード全曲とかではなく、いろんな曲がごった煮になっているんです。だからバラードや夜想曲にしても、果たして全曲が録音されているのか、その点がよくわからないのですね。確かにバラバラでいろんな曲が収められているCDは、私はそれほど好きではありませんよ。
そんな中で、いろんな条件を考えながら、ひとりを挙げるとなれば、やはりマウリツオ・ポリーニなんでしょうか。近年、彼のショパンの作品集が9枚組で、かなりの安価で出されたことは、大変嬉しい限りでした。思わす買ってしまいましたが、半分くらいはダブりでした。これらのポリーニのショパンの中から、4曲のバラードということであります。第1番ト短調作品23、第2番へ長調作品38、第3番変イ長調作品47、第4番ヘ短調作品52です。どれも7~8分前後の曲で、名曲揃いであります。
ポリーニは、この曲を1999年4月にミュンヘンのヘラクレスザールで録音しています。 ポリーニは、1942年生まれですので、このときは50台半ば。現在ではもう70才を越えられるのですね。確かに最近のジャケットのお写真などでは、お年を召されたなと思いますよねえ。しかし、このバラードもそうなんですが、ピアノは元気そのもの。打鍵の強烈さなどは相変わらずであります。この人、若い頃からそんな風には見えないんですが、過激で激しさ満点の人なんですねえ。
しかし、ポリーニのバラードは、味のある演奏ではないですね。聴いていていいなあとおもうには、ルービンシュタインの滋味あふれる演奏の方なんですね。でも、ポリーニの演奏には快感がある。ポリーニの魅力は、やはりピアノの一音一音が極め美しいことでしょうか。弱音から強音まで、びっくりするような打鍵での音は、限りない快感ですし、ピアノやピアニッシモの弱音の限りない可憐な音は思わす涙がでそうになるくらいの美があります。そんな強弱の音がちりばめられ、豪華絢爛に織り交ぜながらの展開には、それはもう陶酔するほかないのでしょうかねえ。
4曲の中で、もっとも好きなのは第1番であります。この曲が一番メロディがきれいに思います。最初の一音からポリーニの打鍵の美しさが広がり、その世界にぐいっと引き込まれます。弱音は実に美しい。この美音でショパンの旋律が語られるのはたまりませんし、そしてそれが一転して、強い打鍵でその世界が限りなく広がっていくあたりは、その世界に恍惚となってしまいます。第2番の青天の霹靂のような後半の激しさの展開、ダイナミックで快感であります。第3番。この曲での弱から次第に強に移っていく過程は見事です。そこにも何とも言えない快感を得れます。そして第4番。4曲中最も円熟した傑作と言われています。ポリーニの巧さと打鍵の見事がさ進みにつれて増幅されて、すごいすごいと感じます。しかし、この曲の滋味を感じるタイプの演奏ではないのです。でも、他を圧倒するピアノでありました。
しかし、夏が終わるのは、実に寂しい。他の季節の終わりにはない気持ちになりますねえ。あー、今年も夏が終わった…。
(DG 459 683-2 1999年 輸入盤)
まあ、そんな反省はともかく、今回はショパンであります。最近、ショパンを取り上げることが多いのですが、それほど私は熱心なショパンの聴き手ではありません。ですが、一応ショパンの演奏として、まず挙げられるピアニストは、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、フランソワ、ポリーニ、この4人でしょうか。そして、この中でまずひとりを挙げるとなれば、ホロヴィッツでしょうか。ただ問題点としては、彼は、まとまって録音を残していないようなんですね。たとえば、彼のCDは、夜想曲全集とかバラード全曲とかではなく、いろんな曲がごった煮になっているんです。だからバラードや夜想曲にしても、果たして全曲が録音されているのか、その点がよくわからないのですね。確かにバラバラでいろんな曲が収められているCDは、私はそれほど好きではありませんよ。
そんな中で、いろんな条件を考えながら、ひとりを挙げるとなれば、やはりマウリツオ・ポリーニなんでしょうか。近年、彼のショパンの作品集が9枚組で、かなりの安価で出されたことは、大変嬉しい限りでした。思わす買ってしまいましたが、半分くらいはダブりでした。これらのポリーニのショパンの中から、4曲のバラードということであります。第1番ト短調作品23、第2番へ長調作品38、第3番変イ長調作品47、第4番ヘ短調作品52です。どれも7~8分前後の曲で、名曲揃いであります。
ポリーニは、この曲を1999年4月にミュンヘンのヘラクレスザールで録音しています。 ポリーニは、1942年生まれですので、このときは50台半ば。現在ではもう70才を越えられるのですね。確かに最近のジャケットのお写真などでは、お年を召されたなと思いますよねえ。しかし、このバラードもそうなんですが、ピアノは元気そのもの。打鍵の強烈さなどは相変わらずであります。この人、若い頃からそんな風には見えないんですが、過激で激しさ満点の人なんですねえ。
しかし、ポリーニのバラードは、味のある演奏ではないですね。聴いていていいなあとおもうには、ルービンシュタインの滋味あふれる演奏の方なんですね。でも、ポリーニの演奏には快感がある。ポリーニの魅力は、やはりピアノの一音一音が極め美しいことでしょうか。弱音から強音まで、びっくりするような打鍵での音は、限りない快感ですし、ピアノやピアニッシモの弱音の限りない可憐な音は思わす涙がでそうになるくらいの美があります。そんな強弱の音がちりばめられ、豪華絢爛に織り交ぜながらの展開には、それはもう陶酔するほかないのでしょうかねえ。
4曲の中で、もっとも好きなのは第1番であります。この曲が一番メロディがきれいに思います。最初の一音からポリーニの打鍵の美しさが広がり、その世界にぐいっと引き込まれます。弱音は実に美しい。この美音でショパンの旋律が語られるのはたまりませんし、そしてそれが一転して、強い打鍵でその世界が限りなく広がっていくあたりは、その世界に恍惚となってしまいます。第2番の青天の霹靂のような後半の激しさの展開、ダイナミックで快感であります。第3番。この曲での弱から次第に強に移っていく過程は見事です。そこにも何とも言えない快感を得れます。そして第4番。4曲中最も円熟した傑作と言われています。ポリーニの巧さと打鍵の見事がさ進みにつれて増幅されて、すごいすごいと感じます。しかし、この曲の滋味を感じるタイプの演奏ではないのです。でも、他を圧倒するピアノでありました。
しかし、夏が終わるのは、実に寂しい。他の季節の終わりにはない気持ちになりますねえ。あー、今年も夏が終わった…。
(DG 459 683-2 1999年 輸入盤)