時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

ザ・コーブでは何が訴えられているのか?その1

2015-02-21 23:29:33 | ザ・コーブ
日本のメディアや知識人は、左翼も右翼も海外のクジラ・イルカ保護運動家は
「クジラを殺すのはかわいそう」だから殺すなと言っているのだと説明している。



あたかもクジラやイルカをペットのようにみなす動物愛護団体の奇行であるかのように演出し、
これは日本文化に対する白人の文化戦争なのだと吹聴して回っている。



実際には、海外のクジラ・イルカ保護運動には
Industry」という概念が重要な位置を占めている。



つまり、鯨類保護運動の背景には、
希少な自然生物を高値で売り買いする水族館ビジネスが存在する。


順を追って説明しよう。

本作『ザ・コーブ』では、まず初めに水族館ビジネスの批判から始まる。


水族館にあるイルカは2~3年で死亡することをあなたは知っているだろうか?


野生のイルカは1日に65キロを泳ぐのだが、
これを狭い水槽に閉じ込めることで非常に強い精神的負荷がかかるのである。


イルカが飼育される水槽の付近には必ず胃薬がある。ストレスからくる胃潰瘍だ。
加えて、イルカは聴覚が優れた生物で、観客の歓声はイルカにとって騒音になる。


狭い水槽と騒音でまずストレス障害になり、3年以内には死亡する。
イルカショーはイルカにとっては拷問なのである。



ここでイルカと水族館の歴史を振り返ると、
1964年にはイルカがいる水族館は世界に3つしかなかった。

それがドラマ『フリッパー』の影響もあり、イルカの人気が高まることで、
年々増加し、今では数十億の利益を出す美味しい商売になった。


ショー用のイルカは1頭につき15万ドル、
1ドル=120円と計算すると1800万で売れる。



これは売る側としては非常にボロい商売だ。
イルカを捕まえるのは船とモリ、網さえあればいいのだから。
(比較的低予算で可能な沿岸漁業で莫大な利益が挙げられるのである)


和歌山県太地町がなぜターゲットにされたかというと、
世界最大のショー用イルカの供給地だからだ。


世界中の水族館に太地町の漁師が捕らえたイルカが送られている。

しかも、このショー用イルカを捕獲する際には、
イルカの群れを一挙に捕え、傷のないきれいな若いイルカは水族館に送られ、
その他のイルカは1頭600ドル(7万2000円)で食用として殺害される。


つまり、実際にはショー用イルカを捕獲するついでに
大量のイルカが殺されているのである。



ちなみに、マスコミはイルカを食すのは文化だから云々と言っているが、
漁師たちはペスト・コントロール、つまり、魚を食べる害獣だから殺すのだと説明している。


運動団体のリーダー、リチャード・オバリーはイルカが笑っている像が
ついた船が航行しているのを見て「実に奇妙だ」と感想を述べている。

「まるで共存しているかのようだ」と皮肉をもらす。


私も裏では害獣駆除と言っておきながら、町のいたるところに
可愛いイルカのイラストが描かれている様子を見て、
ちょっとした薄ら寒さを感じたのだが……あなたはどうだろうか?



以上が鯨類保護運動を考える際に絶対に把握しておかなければならない知識だ。
活動家は金儲けのためにイルカが虐待されていることを問題視しているのである。

決して、イルカが可愛いからとか可哀そうだからだといった幼稚な理由ではない。


生物保護運動に限らず、環境問題しかり、労働問題しかり、
海外の社会運動には「Industry」、つまり行き過ぎた金もうけ主義への
批判という一面がある。これを見逃しては彼らの行動を理解することは出来ない。

プチ書評『「辺境」の誇り アメリカ先住民と日本人』(鎌田遵、集英社新書、2015年)

2015-02-21 00:46:07 | ザ・コーブ
なんで書いちゃったかなぁ……というのが正直な感想。


トンデモ本を見分けるコツとして、不必要に「日本」や「日本人」という言葉を
前面に押し出すタイトルかどうかというものがある。


例えば、『福沢諭吉 戦う日本人』とかいうものがあれば、
これはもう危ないとみて差し支えない。



本書『「辺境」の誇り アメリカ先住民と日本人』も、
この手の「日本人は素晴らしい!すごい!」本の1つで、
なんというか、これまで優れた啓蒙書を執筆してきた鎌田氏だけあって、
「なんで、こんな本を書いちゃったの!?」と残念で仕方がない。


鎌田先生は、研究者としては、結構苦労されているようで、
本来ならとっくの昔に準教授になっても問題ない実績を持っているのに、
どういうわけか未だに専任講師の立場に甘んじている。それが背景なのかは
知らないが、右傾化している論壇や出版社に秋波を送るような真似をするほど
切羽づまっているのかと思うと、何とも悲しくなってくる。



さて、この本の何が一番おかしいかというと、
捕鯨問題に関する説明があまりにも単純、ド素人が書いたとしか思えないことである。


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開拓者精神(フロンティアスピリッツ)を
大義とする白人によって土地を追われたアメリカ先住民と、
原発事故により故郷と切り離された福島の人びと。

原子力産業との「共生」を強いられた、青森県下北半島とアメリカの先住民居留地。
そして、欧米の反捕鯨団体による執拗な妨害に耐えてイルカ漁を続ける和歌山県太地町
かつて、そこはアメリカへの移民が多数輩出した町だった……。

国家をはじめとする巨大な「権力」や暴力的な「正義」に抵抗し
「辺境」に生きる人びとを、アメリカと日本に追った渾身のノンフィクション。

http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0773-n/
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上の紹介文からも明らかだが、鎌田先生は捕鯨問題に関して、
反捕鯨=白人文化、捕鯨=非白人文化とみなして、
前者が後者を駆逐する歴史として捕鯨問題を論じている。


そのため、「文化の破壊」という捕鯨論者のお決まりの文句を
繰り返し、反イルカ漁映画『ザ・コーブ』を歪んだ思想集団による
プロパガンダ映画として一切評価しようとしない。

というより、水産庁や町の言い分をそのまま書き写したような文章で、
きちんと先行研究を読んだものではない。


加えて、
先住民族同士、アイヌとインディアンを比較するというのならまだ納得がいくが、
被征服者であるインディアンと、アイヌや琉球を駆逐した
征服者である大和民族を同列に置くのも学問的に見てもかなり無理がある。


なるほど、北海道産の米と新潟産の米を比較するのはわかる。
だが、鎌田先生がやっているのは、
北海道産のジャガイモと新潟県産のコシヒカリを比較して
どちらが上手いかを論じているようなものだ。



牽強付会。一言でいえば、それに尽きる。


素直にアメリカ先住民の苦境だけ書けばいいものを、
無理に専門外のことを書いてしまって滑っているような印象を受ける。



ボロ糞に叩いているが、本当にしょーもない本なのである。


清く正しい日本人が西洋的価値観に毒された白人によって
自分たちの伝統文化を破壊されそうになっている。こういう物語をでっちあげている。


つまり、インディアンと日本人を同等のものとみなすことで、
後者の加害性が前者の被害性によって見事に隠ぺいされているのである。


少なくとも、捕鯨やイルカ漁の問題については、日本は被害者ではなく加害者だ。
イルカ漁というのは、何も肉を食うだけのものじゃない。


世界各国の水族館にバンドウイルカを輸出している商売でもあり、
営利を目的に希少な動物を乱獲、虐待する行為について、訴えているのである。
(少なくとも、『ザ・コーブ』においては)

鎌田先生の『ザ・コーブ』論は捕鯨やイルカの問題を
文化闘争であるかのようにみなしているが、そんな単純な話ではないのだ。


というわけで、次回、『ザ・コーブ』の内容を解説しながら、
鎌田氏のおかしな部分についてツッコミを入れていきたいと思う。

新右翼よ、三島由紀夫になれ!三島が草葉の陰で泣いてるぞ!

2015-02-20 00:44:21 | 文学
私は平成以降に現れた右翼、小林よしのり、東浩紀、三橋貴明、
最近では百田尚樹や古市憲寿等々を新右翼と勝手に呼んでいる。

非常に大雑把な分け方だが、一言で言うと、
以前の右翼に感じられた男らしさ、汗臭さが感じられないのだ。



古い右翼、旧右翼の代表的人物として三島由紀夫が挙げられるだろう。


三島は、男らしさ、雄々しさ、猛々しさ、
一言で言えば強さに美を見出す男で、生前の彼は老いることを非常に恐れていたという。


三島が腹を切ってサムライのような死にざまを見せた後も、
その遺体は若者のように筋骨隆々、張りのある肌だったそうだ。


その彼が自殺する直前に入稿したのが遺作『豊饒の海』だが、
同作は人間の生の華やかさと虚しさを輪廻転生を題材に描き切っており、
戦後日本文学の金字塔の一つとして評価しても差し支えない。


特に傑作なのが最終部「天人五衰」だ。

天人五衰とは仏教用語で、六つの世界(六道)の最高の世界、
天道に住まう人間(天人)が死の間際に現れる5つの兆しを意味する。


衣裳垢膩(えしょうこうじ):衣服が垢で油染みる
頭上華萎(ずじょうかい):頭上の華鬘が萎える
身体臭穢(しんたいしゅうわい):身体が汚れて臭い出す
腋下汗出(えきげかんしゅつ):腋の下から汗が流れ出る
不楽本座(ふらくほんざ):自分の席に戻るのを嫌がる

要するに、体中が腐るのをただ耐えなければならないわけだ。

人間の場合、老衰や疲労によるダメージを少しずつ蓄積しながら死ぬのだが、
天人の場合、それらを一挙に味わうわけで、その苦しみは地獄の16倍だと言われる。


三島は、この言葉をもって自身のペシミズムを究極の美に高めた。

物語の最後で、語り手は、転生を繰り返したはずの男が
「実は初めから存在しない」ことを彼の恋人から聞かされる。


豊饒の海は、次のように結ばれている。


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これと云って奇功のない、閑雅な、明るくひらいた御庭である。
数珠を繰るような蝉の声がここを領している。
そのほかには何ひとつ音とてなく、寂莫を極めている。この庭には何もない

記憶もなければ何もないところへ、自分は来てしまったと本多は思った。
庭は夏の日ざかりを浴びてしんとしている。・・・
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強い日本をひたすらに信じてきた三島。だが、そもそも、それは存在したのか?
経済成長とは裏腹に、先の見えない戦後日本の不穏な気配を敏感に感じとった三島。

豊饒の海は一人の作家のパーソナルな内省と、ソーシャルな現実批判を描いた作品なのである。

左翼には彼が右翼だったというだけで作品を全否定する人間がいるが、
少なくとも彼の持つ類まれな芸術性だけは評価しなければならないだろう。



(http://danshi.gundari.info/neto-uyo-out-arrested.html)
仮に三島が生きていたら、上の右翼雑誌を見て、そのナヨナヨしさに絶句したに違いない。

近年、論壇に登場してきた面々をみると、
三島のような知性も男らしさも全然感じられない人物が実に多い。


それ以前に「強い日本」を象徴しようと努める姿勢が一切ない。


彼らは一言でいえば、日本が弱いことを前提にして話を進める傾向がある。
嫌韓にせよ、それは日本が「イジメられている」ことへの非難にすぎない。


そして、彼ら自身、どこかアニメや漫画のようなナヨナヨしたものを
クール(カッコ良い)とみなし、クールを愛する自分はカッコ悪くないと弁解している。


日本が戦争になったらどうすると聞かれて、逃げると答えた古市憲寿などは好例だ。
彼は自著で対談相手として、アイドルグループを指定していたりする。
小林よしのりもアイドルヲタクだし、東もアダルトゲームの愛好家と来る。

三橋はアニメの人物の格好をするパーティを自民党の費用を使い開き、
従来の保守派政治家の顰蹙を買った(当然だ!)


こういった女々しさ、情けなさを古参の右翼は非常に嫌っている。
その典型的な人物として、石原慎太郎がいると思う。


石原の思想というのは、
「人権だの民主主義だのグダグダほざいてお上に守られようとする前に、
 ちったぁ、自分で何とかしたらどうなんだ」といったもので、
弱さを強調して他人(政府)に同情(保護)されようとする考えが嫌いなのである。



http://danshi.gundari.info/neto-uyo-out-arrested.html

このサイトのように、新右翼=ヲタクというイメージを持つ人間は多い。


私の個人的経験でも、靖国神社で花見をするほどの右翼だった先輩が、
大のアニメ好き&ゲーマー、変な語尾をつけて話す(多分登場人物のマネなのだろう)
と大変、無気味な方だったので、右翼に対するイメージは非常に悪い。


実際、ネトウヨ反共ブロガー(笑)であるキンピーちゃんのサイトを見ると、
必要ないのにアニメのアイコンや画像が用いられていて、驚きあきれてしまう。
(彼もまた靖国参拝を楽しんでいる人間だったりする)


こういうヲタクくさいアクションから感じられるのは、
彼らはゴッコ遊びに興じているだけではないかという疑念である。


若年者に対して
自衛隊に入ろうという新右翼は多いが、工事現場で働けという新右翼は少ない。


冷静に考えれば、自衛隊などろくに戦いもせずに国税で飯ばかり食ってる連中だ。
絶対、ブルーカラーの労働者のほうが、この国のために働いている。


また、アニメを「クールジャパン」と美化している連中は多いが、
彼らが同じくらいの情熱をもって、日本文学の布教に努めているのを見たことがない。

はたして彼らが万葉集や平家物語を原文で読んでいるかどうか。非常に疑問である。


本当に日本文化を愛しているならば、サブカルチャーよりもメインカルチャー、
つまり、雅楽や水墨画や和歌、古典文学に習熟&布教しているはずだ。

最低でも三島文学や石原文学に精通していなければカッコ悪いのではないだろうか?


先述の先輩やキンピーちゃんが靖国参拝に興じる姿を見ると、どこか、
そういう儀式を行うことで自分が愛国者になれたという感覚にひたっているだけで、
本気で内政や外交について変革を望もうとする姿勢が全く感じられないのである。


三島のような祖国へ対する真剣さが微塵もない。

今こそ新参の右翼は三島を見習い、サブカルチャーから足を洗い、
古典に習熟し、筋トレに励み、男らしく汗をかくべきではないだろうか。


連中がどう言おうと、新右翼のイメージは悪い。
サブカル好きの愛国ゴッコに熱中する頭カラッポのアホ集団。
なんでもかんでも中国や韓国のせいにする遠吠えが得意技の烏合の衆。
他国にはそう思われている。欧米、アジア問わずに。


まだ遅くはない。万が一、この記事を読んだネトウヨがいるならば、
今日から筋トレと古文読解に励んでほしい。特に後者は必要不可欠だ。
この国で愛国を叫ぶならば。

ノーム・チョムスキー、サウジアラビアとイスラム国の関係を指摘

2015-02-18 01:00:49 | リビア・ウクライナ・南米・中東
アメリカの著名な批判者、ノーム・チョムスキー氏が
ISIS(イスラム国)台頭の背景としてアメリカとサウジアラビアの存在を指摘した。

日本では、サウジのテロ支援への批判は封印されている。
酒井啓子氏や池内恵氏らの著名な中東研究者のお墨付きで。

前者は「そういう疑惑もある」でサラっと受け流しているし、
後者は……安倍政権の支持者である時点で、お察しだ。

どこの国でもそうだが、外国研究者というのは、
その国の権力者がキレない範囲内で活動している印象を受ける。


特に我が国の中東、中国、北朝鮮、ロシア研究者は
日本の軍拡や右傾化を食い止めるどころか、それに拍車をかける言説を唱えている。


そういう事情もあり、殊、時事問題にかけては
在野の学者や知識人のほうがキレのある論評をすることが多い気がする。


チョムスキー氏も専門は言語学だが、
その辺の国際政治学者よりも数倍、味のある見解を示す。

もちろん、リビア論を筆頭に異議を唱えたい意見もしばしばあるのだが、
それでも、相対的にはその辺の研究者と違い、タブーを気にせず語っている。


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アメリカの著名な言語学者ノーム・チョムスキー氏が、
「イラクに対するアメリカの制裁や戦争といった政策により、
 イラクの社会情勢が不安定になった」と語りました。


チョムスキー氏は16日月曜、アメリカ・ニューヨークを
本拠地とする政治・文化雑誌ジャコビンのインタビューで、

「アメリカ政府のこのような政策は、イラクでの宗派の対立を煽り、
 その結果テロ組織ISISの発生につながった」と述べています。


また、アメリカがイラクでISISが勢力を拡大する下地を作ったとして非難し、
「2003年のアメリカによるイラク攻撃と占領、
 またそれ以前の対イラク制裁により、イラクは事実上壊滅した」としました。


さらに、
「制裁は、文民社会を破壊し、独裁者に力をつけさせるものであり、
 社会は存続するために独裁者に依拠せざるを得なくなる」と語っています。


チョムスキー氏はまた、
「イラクにおけるアメリカの侵略的な政策により
 各集団や宗派が互いに距離をおき、事態は仲間同士が
 互いの首を斬る状態へと進んでいった」と述べました。


さらに、
「ISISのイデオロギーの根源は、アメリカの一大同盟国であるサウジアラビアにある」
とし、
「サウジアラビアは、一族によるある種の独裁制が支配しており、
 石油という壮大な資源を利用して、自らの思想を地域全体に伝播させている」
としています。

ISISは、この数ヶ月間でアメリカ人3名、
イギリス人2名、日本人2名の人質を殺害し、さらにヨルダン人パイロットの焼殺と、
エジプトのキリスト教の一派であるコプト教徒の処刑の動画を公開しました。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/52217-
%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83
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日本の最大石油輸入国であるサウジアラビアに対して
本来、意見をいうべき日本の中東研究者が沈黙あるいは
それに近い態度を取っているなか、同氏の指摘は意義深いと思う。


まぁ、それでもイランラジオでサウジアラビア関連の記事を
検索して読んだほうが、はるかに参考になる情報が得られるのだが。


本記事と合わせて次のイランラジオの記事も読んでいただきたい。

テロとイスラム排斥に対するOICの懸念

米のイスラモフォビア・憎悪犯罪を是認する欧米メディア

2015-02-17 00:14:55 | リビア・ウクライナ・南米・中東

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Hate crimes against Muslims in the United States
アメリカのムスリムへ対するヘイト・クライムは
jumped after the September 11, 2001 attacks and
2001年9月11日の攻撃以降、急増し、
remain high more than 13 years later.
13年以上にわたって高いままでいる。
The recent murder of three Muslims in North Carolina
最近のノースカロライナでの3人のムスリム殺人は
is being investigated for a possible religious motivation.
動機の可能性として宗教があるとして調査された。

~中略~

In the last few years, specifically anti-Muslim crimes
ここ2、3年で特に反ムスリム犯罪が
have made up about 13 or 14 percent of hate crimes
ヘイト・クライムの約13から14パーセントになったが、
considered to be committed with a religious bias.
これは宗教的偏見が依拠しているものだと思われる。

That amounts to nearly 100 anti-Islam hate crimes
2011年から2013年までにおいて、毎年100件ほどの
each year from 2011 to 2013, according to FBI data.
反イスラム・ヘイトクライムがあると、FBIのデータは示している。


More broadly, since September 11, 2001,
さらに、2001年9月11日以来、
anti-Muslim hate crimes have consistently
反イスラムのヘイトクライムは絶え間なく
stayed anywhere from 100 to 150 in number per year. In 2001,
毎年、100件から150件ぐらいが、どこにでもあり続けた。
that number reached nearly 500. Of all hate crimes,
2001年には500件ほどのヘイトクライムがあったが、
anti-Muslim crimes make up about 2 percent.
反ムスリム犯罪は2パーセントにすぎなかった。


Before 9/11, though, the FBI says
9.11以前には、FBIが言うには
there were only about 20 or 30 anti-Muslim hate crimes per year.
毎年おおよそ20から30けんぐらいしか反ムスリムへのヘイトクライムはなかった。

(http://rt.com/usa/231839-muslim-hate-crime-religion/)
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2月10日、アメリカ・ノースカロライナ州でムスリムが3名殺害された。

これを欧米&属国メディアは軽く受け流している。

イランをはじめとしたイスラム国家およびムスリムは
この事件に対するユートピア国家の態度に対して怒りを露わにしている。



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ジャヴァーディー解説員


今月10日夜、アメリカ・ノースカロライナ州のチャペルヒルで、
45歳の男性がある住宅に押し入り、歯科医学を研究していた
3名の若いイスラム教徒の学生に向けて銃を発砲し、この3名を殺害しました。

この3名を殺害した容疑者は、クレイグ・ヒックスという人物で、
3名を殺害した後、大学の駐車場で警察に投降し、現在は拘束中です。




この事件がアメリカのメディアにつたえられ、
アメリカと世界各国の世論がこの事件を知るまでに48時間以上かかりました。



この事件に対して、西側メディアでの動きはなく、
また政府高官もメッセージを示さず、
暴力に反対する抗議運動の呼びかけも行われていません。



このイスラム教徒殺害事件の発表と、フランスの週刊紙
シャルリエブドの襲撃事件とのメディアの対応の違いは、完全に明らかです。



ソーシャルネットワークの利用者も、
この3名の殺害事件に対する有力メディアの沈黙に反発し、
これらのメディアによる報道のあり方や差別的な見解に抗議しました。



西側メディアは、この事件をあまり重要な事件として取り上げず、
宗教的な動機のない発砲事件に見せ、その主な理由を、
駐車場をめぐる隣同士のいさかいであると発表しています。


しかし、ソーシャルメディアの利用者は、
容疑者のイスラム排斥的な動機と、報道における宗教的、人種差別を指摘しました。



アメリカのフォックスニュースはこの殺人事件を報道する中で、
ヒックス容疑者が殺人を行ったとしていますが、このメディアは、
少し前、シャルリエブドのテロ事件に対するアメリカの
オバマ大統領の反応については、完全な報道を行っていました。


CNNも、ヒックス容疑者が殺人を行ったとしていますが、
一方、このメディアも、シャルリエブドの事件をテロ事件だと伝えました。



また多くのメディアや人物が、
シャルリエブドのテロ事件後、イスラム教徒に対して、
この事件を理由とした謝罪とこの事件に対する非難を求めていましたが、
このチャペルヒルの事件に対して、このような要求は提示されませんでした。




もし、容疑者がイスラム教徒で、
犠牲者がユダヤ教徒やキリスト教徒である場合、
メディアの報道やメッセージは盛んに行われ、
一部の中東諸国における軍事作戦の
強化の正当化が行われるとともに 
テロの危険に対する運動が盛んに行われ、
ユダヤ教徒や、罪のないテロの犠牲者に対する
安全措置の必要性が提唱されていたはずです。



この事件をアメリカの一部で起こっている殺人事件のひとつとみなすことはできるかもしれません。


しかし、この容疑者の表明は、
彼が宗教を信仰する人々に対す嫌悪感を明らかにしていることを示しています。


この事件の後にも、容疑者はソーシャルネットワーク上で、
彼の行為を賞賛するフォロワーを獲得しています。


もし西側でこうした行為がユダヤ教徒に対して行われれば、
その人物は宗教的嫌悪の拡大という罪状で逮捕され、刑務所に拘束されます。




この事件の犠牲者の2名の女性の父親は、あるインタビューで、
フォックスニュースやハリウッド映画のようなメディアの計画は、
このような悲劇が発生する要因だとして、

「ここ数ヶ月、アメリカの世論は、
シャルリエブドやテロ組織ISISを口実として、
イスラム教排斥を盛んに述べている」としました。



こうした中で、アメリカ・アラブ反差別委員会は声明の中で、
映画『アメリカン・スナイパー』が2014年に公開されてから、
ソーシャルメディアでは、イスラム教徒に対する嫌悪感の表明が増えた

と表明しました。



アメリカのシンクタンク、ピュー・リサーチセンターの最近の調査結果によると、
この映画は、少し前から強まっているイスラム排斥行為をあおる要因となっているということです。


テキサス州サンアントニオ在住のキリスト教聖職者ダンコ氏は、
プレスTVのインタビューで、この殺人事件は、
イスラム教徒に対する否定的なイメージを刷り込む、
アメリカのメディアの行動の結果だとしました。



この殺人事件に対し、アメリカや西側諸国のメディアは沈黙していますが、
この3名の葬儀に多くの人々が参加し、ソーシャルメディア上では、
この事件の被害者に関する多くのコメントが表明されていることから、
アメリカのメディアや政府高官と、世論の間には大きな隔たりがあることがわかっています。


この事件で犠牲者となったのは、デア・シャディ・バラカトさんと
妻のユーソル・モハマド・アブサルハさん、ユーソルさんの妹の
ラザン・モハマド・アブサルハさんでした。


http://japanese.irib.ir/news/%E6%9C%AC%
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83%83%E3%82%AF/item/52182-%E3%82%A2%E3%8
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(http://rt.com/news/232647-qatar-march-muslim-murder/)
実は、今、世界中でムスリム差別に反対する運動が展開されている。


今回の事件においてもカタールで抗議運動が行われた。
1000人ほどが参加したそうだが、もちろん、各国の首脳が集結したりはしていない。


最近、ウクライナや北朝鮮に関する日本の報道をみると、
本当にうまい具合に日本の国益にかなうストーリーが語られているなと思う。


変わり種としては、クロマグロの規制問題すら、
本当に責任があるのは日本なのに韓国やメキシコのせいにされている。


クロマグロの国際交渉を分析:
日本のジャイアン外交が韓国とメキシコを力でねじ伏せた



こういう状況下、ますます他国視点、それもアメリカの仮想敵国の視点で
問題を見直すことが必要とされている。そう私は思う。

日本の右翼こそ売国奴だ

2015-02-16 00:58:20 | 浅学なる道(コラム)
あなたは黒人を露骨に差別する白人を見て、
アメリカ人に対して良いイメージを抱くだろうか?


あなたはムスリムを露骨に差別するフランス人を見て、
フランスという国家を素晴らしい国だと感じるだろうか?



少し考えてみればすぐにわかる話だが、差別を行う人間こそ、
その国や民族のイメージを損なわせる第一の要因なのである。



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安倍首相の政策アドバイザーだった作家の曽野綾子氏が、
産経新聞(11日付け)にアパルトヘイト(人種隔離政策)
をすすめるかのようなコラムを書いたのである。


労働力不足を補うために移民をもっと受け入れ、
人種別に居住地区を分けよ、という内容だ。


海外メディアは大騒ぎとなった。
ロイターやウォールストリートジャーナルが伝え、各国の新聞が転載した。


アパルトヘイトの撤廃を血で
勝ち取った南アフリカ共和国はたまったものではない。

同共和国のモハウ・ペコ駐日大使は産経新聞に抗議文を送付している。

「大手メディアがとんでもない政策を肯定するような記事を掲載してよいのか?」

http://tanakaryusaku.jp/2015/02/00010706
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産経が大手メディアかと言えば疑問が残るが、
少なくとも保守派メディアとしては最大手だろう。


これに限らず、政治・外交において恥をさらしまくっているのは
保守派の政治家、知識人ばっかりだ。


日本に限らずあらゆる国において、
その国のイメージを貶めているのは保守派の言動だ。



私も朝日新聞がいかに右傾化しているかを力説しているが、
朝日の吉田調書が問題視され報道される一方で、
曽野の差別丸出しの意見文がスルーされているあたり、
どうも日本のメディアは足並みそろえて自国の印象を悪くさせたいらしい。

沖縄県民は日本人ではないのかもしれない

2015-02-16 00:46:23 | 軍拡
日本をトリモロスとか日本人を守ると豪語しておきながら、
実際には人質は見殺しにするわ左派団体に暴行を加えるわ逮捕するわと
守るどころかむしろ攻撃しているんじゃ以下と思える日本政府。


前に立川市で反戦運動を行った人間が逮捕されこともあったが、
どうも軍に逆らう人間は日本人として勘定に入れてもらえないらしい。



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米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古沖への海上作業で10日、
市民らの抗議船に海上保安官が強引に乗り込み、船が転覆寸前になった問題で、
市民らは近く複数の海上保安官を往来妨害罪で刑事告訴する方針を決めた。


海上保安官が船に乗り込んだことで
抗議船が転覆する恐れがあったとしている。近く那覇地検に告訴状を提出する。


10日午後3時ごろ、安部沖の油防止膜(オイルフェンス)上で
抗議行動をする市民の抗議船(定員6人)にゴムボートで
接近した海上保安官が乗り込んだ際、船が大きく傾き、
船内にいた市民6人のうち4人が海に投げ出された。


12日の集会でヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は
「普段は海上の安全確保と言いながら、自らで定員をオーバーさせ、
船を転覆させようとする。指をくわえて見ているわけにはいかない」と憤った。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-238832-storytopic-271.html

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大飯原発が再稼働された際に、反対運動を行った市民を
機動隊が強制的に退去した事件を思い出す。


安倍首相をはじめとする極右は軍隊が自分たちを守ってくれるかのように
話すが、実際に軍がやるのは自国の反対勢力の鎮圧である。


第二次世界大戦以降、
欧米諸国が他国から侵攻されたことがあるだろうか?


その逆はいくらでもある。
アルジェリア、ギリシア、ベトナム。

旧植民地諸国が独立運動を開始した際に、
彼らは軍を外国に派遣し、これら「暴動」を終結させようとした。


なにもユートピア国家に限った話ではない。

ハンガリー騒乱、プラハの春においても、
ソ連軍は友軍を助けるという名目で他国に侵攻した。

ソ連が他国に攻め込まれたわけではないのだ。


逆に、実際に防衛戦争を行ったのはキューバぐらいのものである。

繰り返すが、宜野市に対する日本政府の態度は
あたかも沖縄県民が日本国民ではないかのような冷淡な態度、
言い換えればアメリカ政府の回し者であるかのような態度で、
とてもじゃないがシンパシーを感じることができない。

酒井教授批判その2

2015-02-15 22:33:23 | リビア・ウクライナ・南米・中東
前回、EUのイスラモフォビア(イスラム差別)についての記事を紹介した。


重要な個所を拾っていくと、次のようになる。


-----------------------------------------------
パリのテロ事件は、西側におけるイスラム排斥者が多くの政府関係者とともに
イスラムやイスラム教徒に対して大規模な攻撃を行う原因となりました。


イギリスのキャメロン首相は、
アメリカのCBSチャンネルのインタビューで、次のように語りました。


私は、自由社会では、ほかの宗教の信徒に対して、侮辱的に対応する権利があると考えている



フランスのオランド大統領も、シャルリエブドの侮辱行為に抗議する
各国のイスラム教徒のデモに反応し、次のように語りました。


彼らは、フランスが表現の自由を遵守していることを理解していない


学校などの公的な場所における、イスラム教徒の女性のベール着用禁止も、
フランスにおける法的自由の侵害の一つです。


フランスでは、イスラム教徒の女性は
宗教信仰に基づいて自分の衣服を選ぶことができないのです。


一方、シャルリエブドの侮辱は、表現の自由に基づいて正当化されています。

西側の政府関係者が、シャルリエブドによるイスラムの神聖の冒涜を支持したことで、
西側のイスラム排斥主義者はさらに大胆になり、
さらに組織化された形でイスラム排斥という目的を追求するようになっています。



ISISやアルカイダのようなテロ組織の行為や、イスラムを名目とした彼らの行為は
実際のところ、ペギーダのようなイスラム排斥組織を強化しています。



西側政府は、表面的にはイスラム排斥行為に反対していますが、
実際にはこの排斥行為を合法化するとともに、
西側の政策はイスラム排斥団体を強化するものです。


----------------------------------------------------------------

つまり、ヨーロッパのイスラム差別は
一部の過激思想にはまった人間が部分的に行っているものではなく、
フランスを主としたヨーロッパ政府が全体的に行っているということだ。



イスラム教徒を阻害する
社会システムが存在するのである。



これを踏まえた上で、岩波の月刊誌『世界』2015年3月号に掲載された
酒井啓子氏の評論「シャルリー・エブド襲撃事件が浮き彫りにしたもの」
を読んでいくと、一連の現象における欧米政府の責任が免じられていることに気が付く。


簡単にいえば、
安倍首相が反民族差別の主導者だと言っているような内容なのだ。




この論文の前半部は、シャルリエブドを巡るその後の顛末について、
簡単に説明がされている。そこでは欧州でのイスラム差別やイスラム圏域での
シャルリエブドの風刺画再掲載への抗議運動についても言及されている。


さすがにイラク研究者だけあって、氏はこの手の情報について把握しているのだろう。


ところが、後半部からは「どっちもどっち」と
あたかも民衆同士の小競り合いであるかのような説明がなされ、その上で、
アラブの春の影響でアメリカ政府の態度が軟化したかのような記述がされている。


それを最もよく表しているのが、
2012年のリビアにおける米国大使殺害事件についてのアメリカのコメントへの評価であり、
酒井氏はライス国務長官が「一部のテロの凶行」とみなし、
イスラムそのものを攻撃しなかったことを取り上げ、
これをもってアメリカに対イスラム政策軟化の余地ありと論じている。



しかし、アメリカが歴史的に「イスラムの脅威」を口実に他国に干渉、
それも非道い場合は空爆を行っているという現在進行形の事実を氏は完全に無視している。


9.11直後に書かれた『私はアメリカのイスラム教徒』(明石書店、2002年)
は言うまでもなく、最近ではメディア研究・中東研究を専門とする
ラトガース大学(アメリカ)準教授ディーパ・クマル女史が著した
『イスラモフォビアと帝国の政策』(ヘイマーケット書店、2012年)を読めば、

アメリカの内政・外交政策が反イスラムに則って行われていること、
それは今後も変わらないことは明白だ。



歴史的にも、アメリカは自国の軍だけでなく、
現地の軍事的非軍事的反政府組織を支援することで傀儡政権の樹立をはかってきた。


実際、アメリカは2012年以降もシリアに対する敵対姿勢を変えず、
反政府軍を養成、支援している。その結果として今日のイスラム国の台頭がある。


加えて言えば、最近、イラク国会安全保障・防衛委員会の委員長が、
アメリカとその同盟国が、その航空機でISISに武器や食料を供給し、
ISISの複数の支配地域に支援物資を投下していることを示す確かな文書を手にしている

と語りだした。


にわかには信じられないが、少なくともアメリカの姿勢が軟化したというのは大間違いだ。

たかだか1人のコメントを根拠にアメリカの政策そのものが変わる余地が
あるかのように語るのは、楽観的すぎるのではないかと思われるのである。




(なお、イギリスの外交雑誌フォーリンポリシーも、昨年10月、
 ISISの兵器の多くはアメリカから来たものだと結論付けている。
 つまり、アメリカはテロ撲滅作戦と言いながら、
 実際にはテロはテロでも反ISIS派のテロ組織への空爆を行っている疑惑がここから生まれる)


さらに、酒井氏が『世界』に投稿した同評論においては
サウジアラビアのテロ支援についても「~という疑惑がある」の一言で済まされ、
アラブ側にもアメリカと同じスタンスに立ち、国内でいわゆる「独裁」を敷きながら、
シリアをはじめとする敵国にテロを送り込んでいる国があることを無視している。



アメリカとサウジアラビアのテロ支援体制について
あたかも存在しないように書くことで、酒井氏は問題を
イスラム対非イスラム、西洋対中東という単純構図で捉えてしまっている


酒井氏はイスラーム圏にも民主化の動きありと主張するために、
偶像崇拝のタブーを破る映画作品が近年作られたことを取り上げる。


だが、それでは国内で王権批判を禁じる法律を制定した
サウジアラビアの実像をつかむことはできないだろう。


要するに、この論文は国務長官が大使館殺害を口実に
イスラモフォビア発言を行わなかった、聖人たちが映画にも登場したという
特にどうということもないエピソードを併記して、
「どっちも悪い」「でも、どっちも歩み寄る可能性はある」という
毒にも薬にもならない結論を掲げて筆をおいているのである。



これは結果的に、他方では欧州、米国の人種差別社会、反イスラムに基づく軍事干渉を、
もう他方ではサウジやヨルダンの独裁王朝、テロ支援を隠匿してしまっている。




そのため、婉曲的には両国の政策の実態を見えづらくし、
間接的に支援するものとなっている。これが問題なのである。


酒井氏の論文を読むと、まるで対岸の家事をぼぉっと眺めているような印象を受ける。
いま、私たちに必要なのは、イスラモフォビアの被害者の側から意見を発することだろう。



・追記

酒井氏のような「どっちもどっち」と遠巻きに見ることで、
現実に起きている迫害行為を傍観するようなスタイルを岩波が採用したこと。


このことこそ、非常に重大な事実だ。
つまり、左翼はすでに左翼として機能していない。

一見、反権力的な言説に見えて、実は与えられた言説を唱えているにすぎないのだ。


フランクフルト学派の哲学者、テオドール・アドルノは次にように述べている。

発表されるものには、何であれ徹底的に検印が押されていて、
 結局のところ、あらかじめ決められた隠語の徴しを帯びていないもの、
 一見してOKが出るようなもの以外には、何一つ生まれることができない。

 しょせん花形役者とは、初代であれ、二代目以下であれ、
 決められた隠語をペラペラ、うきうきとしゃべることのできる者なのである。

 まるで決められた隠語(ジャルゴン)こそ真の言語であるかのように。

 だが、真の言語は、とうの昔に
 ジャルゴンによって口を封じられてしまったものなのである。



『世界』をはじめとする有名左派メディアの状況をみると、
まさにこのアドルノの指摘通りにあるのではないかと思われてならない。


2015年7月30日追記


別の媒体で酒井氏はサウジのテロ支援を認めているらしいのだが、
調べてみたところ、シャルリエブド事件以前に発せられた言葉であり、
素直に考えれば、世界に投稿する段階では認識が改まったということになる。


あるいは『世界』編集部から何かしら注文が来たのだろうか?
その辺の事情は知らないが、いずれにせよ、『世界』の評論においては
サウジのテロ支援は「そういう疑惑もある」という評価で済まされている。

酒井教授批判その1

2015-02-15 01:16:18 | リビア・ウクライナ・南米・中東
今月の『世界』(岩波の月刊誌)にイラク研究者の酒井教授の評論が投稿されていた。


前から、同女史の著作は問題があると考えていたが、
それは同評論を読み、疑念から確信へと変わった。


そこで、今回は同氏の批判を行う前に、予備知識として
イランラジオの次の記事を紹介したいと思う。


その後、酒井氏の言説の何が問題なのかということについて指摘したい。


------------------------------------------------------------
※適宜、番号をふった

(1)

ヨーロッパでは、イスラム排斥の新たな時代が始まっています。


パリで起きたイスラム教徒を名乗る武装集団のテロ行為は、
イスラム教とイスラム教徒によるものとされました。


彼らは、つい先日までフランスやEUの政策のために、
シリアやイラクで戦争を行っていたテロリストです。


また、パリの事件も2001年のアメリカ同時多発テロのように、
パリ西側の自由の基盤に対する攻撃とみなされています。


このような解釈により、西側では
イスラム恐怖症やイスラム排斥が拡大し、新たな側面を見せるようになりました。




パリのテロ事件は、西側におけるイスラム排斥者が多くの政府関係者とともに、
イスラムやイスラム教徒に対して大規模な攻撃を行う原因となりました。



テロの被害にあった週刊紙シャルリエブドは世界の人々の同情に乗じて、
預言者ムハンマドに対する新たな侮辱を始めました。


この新聞社は、預言者ムハンマドに対する
侮辱的な風刺画を数ヶ国語で掲載し、数百万部を発行しました。


一方、このテロ事件以前には、この週刊紙の発行部数は6万部にも達していませんでした。
しかし、この週刊紙は、事件後、反イスラムの雰囲気を利用して、発行部数を増やし、
ヨーロッパでイスラム排斥のムードを盛り上げる機会を最大限に活用しています。



(2)

フランスや西側の政府関係者の多くは、シャルリエブドの行動を支持しました。

一方、数年前シャルリエブドが預言者ムハンマドを侮辱する風刺画を掲載した際は、
西側の政府関係者の一部がこの侮辱行為に対して慎重に反応を示し、
またほか一部は公然とこの行為を批判し、それを表現の自由ではなく、
むしろ表現の自由に反しているとしました。


しかし、今回は西側政府は明らかに表現の自由の名のもとに、
イスラムの神聖に対する冒涜を支持しています。



イギリスのキャメロン首相は、
アメリカのCBSチャンネルのインタビューで、次のように語りました。


「私は、自由社会では、ほかの宗教の信徒に対して、侮辱的に対応する権利があると考えている」



フランスのオランド大統領も、シャルリエブドの侮辱行為に抗議する
各国のイスラム教徒のデモに反応し、次のように語りました。


「彼らは、フランスが表現の自由を遵守していることを理解していない」



西側の政府が人権、自由、民主主義といった
多くの概念を異なった形で解釈しているように、西側における表現の自由も、
法律関係の書物や西側の政治思想にあるのとは違った意味で解釈されています。



表現の自由の支持にまつわる西側諸国の政府の主張には、
矛盾が非常に多く見られ、シャルリ・エブドによる
今回の侮辱行為を擁護する彼らの主張は、皮肉に近いものです。



(3)

シャルリ・エブドの経歴はまさに、
表現の自由を擁護する上でのフランス政府の主張の矛盾を示すものです。



シャルリ・エブドは、1960年から1961年に発行された
『アラキリ』に代わる週刊紙として発行されました。


この週刊紙は国民の価値観を貶めたことから、
フランス政府によって発禁処分とされた後、
1966年に再び発行され、1970年にシャルル・ドゴール将軍の死後、
彼を侮辱したことで、フランス内務省から発行停止処分とされました。


しかし、1980年代、昔からいた社員が
ドゴール将軍に対する皮肉を暗に示した「シャルリ・エブド」という名前で再開しました。



しかし発行部数が大変少なく、その内容の質が低いため
人々の批判を受けていたことから、半ば発行休止状態となっていましたが、
シャルリエブドで働いていた人々に新たなグループが加わり、
1992年にシャルリエブドが発刊となりました。


興味深いのは、現在のシャルリエブドの社員でさえも、
言論の自由や宗教の侮辱の自由という主張を信じていないことです。


シャルリエブドは2009年、
当時のサルコジ大統領の息子の風刺画を描いたとして、シネ氏を解雇しました。


彼は最近のテロ攻撃の後、シャルリエブドについて次のように語っています。




「私はシャルリエブドではない。
 私は、以前は風刺画家としてシャルリエブドのために仕事をしていた。
 2009年、金のためにユダヤ教に改宗した
 サルコジ大統領の息子の風刺画を書き、解雇された。
 シャルリエブドは私に謝罪を求めたが、私は受け入れなかった。
 シャルリエブドはユダヤ教を侮辱したとして、私を解雇した」


(4)

ヨーロッパのシオニストロビーは、フランスで最大の影響力を持っています。

このため、フランスではシオニストに対する批判は全てユダヤ排斥と解釈され、
司法機関がすぐに批判者を訴追するほどです。


フランスの多くの思想家は、ただホロコーストや、
パレスチナ被占領地で行っている犯罪を隠すために行われている、
この事件に関するシオニズム神話に関して疑問を呈するだけで、
訴追されることになるのです。



こうした哲学者でもっとも重要な人物には、
ホロコーストを否認したロジェ・ガロディを挙げることができます。



学校などの公的な場所における、イスラム教徒の女性のベール着用禁止も、
フランスにおける法的自由の侵害の一つです。


フランスでは、イスラム教徒の女性は
宗教信仰に基づいて自分の衣服を選ぶことができないのです。

一方、シャルリエブドの侮辱は、表現の自由に基づいて正当化されています。



(5)

もっとも、パリのテロ事件以前にも、
ヨーロッパで発生している事件は、イスラム排斥の激化の方向に進んでおり、
これはヨーロッパでのこの陰謀における、新たな側面を物語っています。


パリのテロ事件は、この方向性で評価することができます。



たとえば、昨年10月からは、
ドイツで「西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者」、
通称ペギーダという組織が立ち上げられました。


ペギーダはドイツ東部のザクセン州の州都ドレスデンで設立され、
そのメンバーは毎週月曜、イスラムとイスラム教徒に反対するデモを行っています。



ドレスデンは、2009年に起きた悲惨な事件を思い起こさせる場所です。


この事件は、ドイツ在住のエジプト人医師シェルビニ氏が2009年7月1日、
裁判所に対して、近所に住むアレックス・W容疑者の人種差別的な侮辱行為を告訴し、
法廷が開かれた際、W容疑者はシェルビニ氏を刃物で18回も刺して、殺害しました。



このとき、シェルビニ氏は妊娠3ヶ月でした。

彼女の夫はシェルビニ氏を助けようとしましたが、
興味深いことに、警察は彼女の夫を守るのではなく、彼に対して発砲しました。


ペギーダは500人のメンバーとともにイスラム排斥行為を開始し、
ここ最近行われた抗議デモで、その数は1万8千人に達しています。


ドイツ政府の関係者はペギーダの抗議運動の継続に懸念を示し、
イスラム排斥に反対するデモに参加することを表明しています。



この運動の活動は、ドイツだけではありません。ペギーダの支持者はデンマークで、
「コペンハーゲンで最初の抗議デモを行う」と表明しています。


(6)

過去においては、イスラムを排斥する人々は
イスラム教を冒涜する出版物や映画、イスラム教施設の攻撃により、
自分の存在を示そうとしていましたが、現在、彼らは街頭に出て、
人種差別やイスラム排斥を行う理由を明らかな形で提示しています。


しかし、ヨーロッパではそうした事件はあまり見られませんでした。


西側の政府関係者が、シャルリエブドによるイスラムの神聖の冒涜を支持したことで、
西側のイスラム排斥主義者はさらに大胆になり、
さらに組織化された形でイスラム排斥という目的を追求するようになっています。



ISISやアルカイダのようなテロ組織の行為や、イスラムを名目とした彼らの行為は
実際のところ、ペギーダのようなイスラム排斥組織を強化しています。



西側政府は、表面的にはイスラム排斥行為に反対していますが、
実際にはこの排斥行為を合法化するとともに、
西側の政策はイスラム排斥団体を強化するものです。




もし、イスラム排斥者がこのような形で排斥行為を続けようとした場合、
これはヨーロッパのイスラム教徒の生活を厳しいものにするだけでなく、
ヨーロッパにおけるイスラム教徒人口の多さや、
西側のイスラム諸国との関係に注目すると、
ヨーロッパ諸国の安全や利益にも損害を及ぼすことになるのです。

http://japanese.irib.ir/programs/
%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%83%85
%E5%8B%A2/item/51611-%E8%A5%BF%E5%81%
B4%E3%81%AE%E6%96%B0%E3%81%9F%E3%81%A
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(その2へ続く)

抗議者を弾圧する日本警察・海上保安庁

2015-02-15 00:47:47 | 軍拡
安倍政権の叫ぶ積極的平和主義とやらの正体を確かめるには、
沖縄の基地反対運動に対する警察や政府の言動をみるといい。

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沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古の新基地建設で、
警察や海上保安庁の暴力的な警備行動によって
新基地建設に抗議する市民らにけが人が出ている問題について、
在沖縄海兵隊の報道部次長が「ばかばかしい」と発言していたことが分かり、
怒りが広がっています。


沖縄の日本復帰前と同じような占領者意識丸出しです。


耐え難い米軍基地の重圧の強化に必死で反対する人々をどこまで見下し、侮蔑するのか。
決して見過ごせない許し難い暴言です。



「現実直視しない妄言」


英字紙ジャパン・タイムス9日付(電子版)によると、
問題の報道部次長は、新基地建設に抗議する人々を、
反則を受けたように芝居するプロのサッカー選手に例え、
「けがをさせられたように見せかけようとしているが、
実際に見るとばかばかしい(laughable)」と述べたといいます。

さらに、「彼ら自身の選択で道路に横たわり、
動く車両につかまって引きずられておいて、平和的な抗議で
けがをさせられたと主張している」とも述べました。


あぜんとする発言です。

現地をつぶさに取材する地元紙は
「抗議活動が続く辺野古の現場では、海保や警察の過剰な警備行動により、
高齢者や女性を含む市民らに多くのけが人が出ていることは紛れもない事実」
(琉球新報12日付)と指摘します。

「発言は、米軍に都合の悪い現実を直視しようとしない、暴言かつ妄言」(同)です。



ジャパン・タイムスの記事によると、
報道部次長はのちに「(発言は)辺野古のことではない」
と釈明したといいますが、弁明の余地はなく、
撤回すべきです。



日本政府は今、辺野古沖の海で、立ち入り禁止を示すフロート(浮具)などを
固定するため、巨大なコンクリートブロックを次々に海中に投下しています。


そのために貴重なサンゴが無残に傷つけられている深刻な実態が、
新基地建設に反対する「ヘリ基地反対協議会」の潜水調査で明らかになっています。

多様性あふれる辺野古の海の生態系の破壊を一刻も早く食い止めたいというのが、
現地で監視・抗議活動に取り組む人々の切実な思いです。



安倍晋三首相は国会での施政方針演説(12日)で、
辺野古の新基地建設に関し

「日米両国の強固な信頼関係の下に、
 裏付けのない言葉ではなく実際の行動で、
 沖縄の基地負担の軽減に取り組んでいく」と述べました。



ところが、首相が取っている「実際の行動」はどうか。

昨年の沖縄県知事選や総選挙で示された「新基地ノー」の県民の声に一切耳を貸さず、
1本から2本に増える滑走路、巨大な強襲揚陸艦も接岸できる岸壁、
広大な弾薬搭載エリアなどを持った海兵隊の一大出撃拠点づくりを進めています。

基地負担をさらに増大させる民意無視の暴走です。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-02-14/2015021401_05_1.html

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米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、
12日に海上保安庁などに過剰な警備について抗議する
名護市議会の議員ら6人が11日午前、船上から作業現場を事前視察した。


議員たちが「暴力的で過剰な警備は許さない」と呼び掛けながら、
臨時制限区域を示す油防止膜(オイルフェンス)内を航行していたところ、
海上保安官が船を一時拘束した。

議員たちは取材陣と同じ船に乗っていた。
船が拘束される際、海上保安官が男性船長(29)
のライフジャケットの胸ぐらをつかみ、緊迫した。

船には定員の13人が乗っていたが
3、4人の海上保安官が乗り込み、一時定員オーバーとなった。

海保のゴムボートで船をオイルフェンス外にえい航した。

同議会軍事基地等対策特別委員会の大城敬人(よしたみ)委員長は
「暴力的な警備をしていることが分かった。明日の要請の場で抗議したい」と話した。

午後にはオイルフェンス内でカヌーに乗って抗議していた市民3人が一時拘束された。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-238781-storytopic-3.html
------------------------------------------------------------


米軍基地建設のための作業が強行されている沖縄県名護市辺野古で、
海上保安庁などの抗議する県民らに対する暴力まがいの行為がやまない。


警備の名の下で、人々に危害を加えるのは許されない。



米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設のため、
防衛省沖縄防衛局が海底調査再開に向けた作業を再開した辺野古沖では連日、
カヌーの抗議団が繰り出し、作業を監視している。

海保はその行動を制するように、カヌーを転覆させたり、
潮の流れの速い外洋に引っ張っていって放り出したりした。


命綱のパドルを取り上げて海に放り投げた、とカヌー隊は訴える。


抗議団の訴えに海保は「やっていない」と否定した。
しかし、女性カメラマンの抗議船に乗り込み、
女性に馬乗りになった写真が先月二十三日、
地元の琉球新報に掲載されて
安全確保のための適切な警備」と説明を変えた。



基地予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブのゲート前でも、
作業車両を止めようとする県民らが警官らともみ合いになり、けが人が続出。

翁長雄志(おながたけし)県知事が県警と海保に対し、
抗議する県民の安全に配慮してと申し入れた。


翁長氏は、二〇一三年十二月の仲井真弘多前知事による埋め立て「承認」に
法的瑕疵(かし)がなかったかどうかを検証する有識者の
「第三者委員会」を今月発足させた。結果公表は七月以降になる見通しだ。


翁長氏は瑕疵の有無にかかわらず、辺野古に新基地は造らせないと明言する。

しかし、検証が遅れる分だけ、
基地建設に向けた既成事実が積み上げられてしまいかねない。それが県民の心配だ。
今もブイなどを固定するコンクリートが湾内のサンゴ礁を傷つけている。検証を急いでほしい。


辺野古沖に新たな基地を建設する「県内移設」。
それを拒む沖縄県民の意思は選挙結果でも示されて強固になった。

安倍内閣は県民の思いに配慮し、せめて、第三者委が検証を終えるまでは作業を中止すべきだ。


米軍キャンプ・シュワブのゲート前には今、県外からも
大勢が駆けつけ抗議の声を上げている。カンパも寄せられている。

辺野古での闘いはこうした県外の支援にも支えられている。


県内の基地機能を集約し、
耐用年数二百年ともいわれる
新たな施設が造られれば、
沖縄は半永久的に基地の島となってしまう


沖縄の基地の問題を沖縄の人々だけに任せず、日本全体の問題として考えていくべきだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015021202000173.html
----------------------------------------------------------



このように米軍の言うがままに先兵となって、
現地の抗議団体を取り締まっているのが日本の行政機関だ。




私が新米から反米に転じたのは、沖縄基地問題に対するアメリカの冷酷な態度だった。
(同時に、これを契機に私はオバマに対して疑いの目を向けるようになった)



アメリカの軍事・外交部門と日本の行政機関が協力して沖縄を治めている。


沖縄の基地問題は単に軍事的な問題ではない。それは真の民主化の問題なのだ。

アメリカの押しつける民主化(アメリカ化)ではなく、
本来の現地の人間が主権を所持する真の民主化。

その権利をめぐる戦いが沖縄基地運動なのだと私は思う。