‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

パドモアさん、NHKホールデビューでした♪

2016-11-22 21:31:36 | More Mark Padmore
11月18日
「NHK音楽祭」というのが今開催されていて、その一つで、この秋「パリ管弦楽団」音楽監督に就任したばかりの、ダニエル・ハーディング指揮と同オーケストラの演奏会で、NHKホールへ行きました。


イギリス人指揮者なので、ブリテンのプログラムが2ステージあり、弦楽器とテノール、ホルンのための「セレナード」のソリストとして、マーク・パドモアが歌いました。


ブリテンの他は、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲・ホ短調」Vn.ジュシュア・ベル、パリ管なのでドビュッシーがカップリングされていました。

昨年のティル・フェルナー&ブロムシュテット以来、2回目のNHKホールです。まずは忠犬ハチ公像で記念撮影を、外人さん達に混じって、外人さんと撮影し合いっこする。

 すっかりクリスマス・ムードの渋谷
超方向音痴なので、スマホ先生に従っても、道に迷って迷って…結局人に聞く。大都会は苦手だ…(;´・ω・)。


ホール玄関。ちょっと暗く写っていますが、クリスマスっぽい雰囲気

一曲目から大編成の「ピーター・グライムズ」から”4つの海の間奏曲”。コントラバスが8台も並んでいました。
大編成オケも苦手なのですが、ブリテンは打楽器も色々入り、オーケストレーションが面白いと思いました。

メンデルスゾーンの有名過ぎるヴァイオリン協奏曲は、とてもエネルギッシュに、結構オーバー・アクションで弾かれていたのですが、疲れていたせいか、せっかくの名演奏家のストラデヴァリウスの音で、うとうとしてしまいました(*_*)💤。でも聴こえていました。きっと上手いから気持ち良かったのだと思います(*^^)v。

ジュシュア・ベルさんというと、映画「レッド・ヴァイオリン」で名前を知っていました。出演していたのではなく、ヴァイオリンの音を担当していたのです。クレモナで17世紀頃に、血を混ぜて赤い色を塗った、呪いのヴァイオリンが時を超えて、現代まで持ち主を変えながら、残されていく面白いストーリーだったと思います。
ジュシュアさんに、その映画の事を話すと、僕は映画に出ていた少年ではありません、20歳くらいの時に録音で弾いていました。と言っておられました。そういえば18世紀ぐらいに、幼いモーツァルトのような、ヴァイオリンの天才少年が、宮廷演奏家になるため、そのレッド・ヴァイオリンでオーディションに望むのですが、演奏する直前に何故か死んでしまう、という感じのシーンがありました。そのヴァイオリンを手にした人間は、凄く上手く弾けるのだけれども、不幸になる…”悪魔のトリル”みたいですね(゚д゚)!ちょっと違うか。

休憩を挟んで、パドモアさんが登場。ハーディングもベルも若いので、出てきた瞬間、なんか物凄い安心オーラを放っている。男性とはいえ、声楽家の明るい華やかさがあります
編成は弦楽器のみになり、パリ管の主席ホルン奏者、ベノワ・ドュ・バーソニーさん(こちらも若い)とシンメトリーになってのアンサンブルです。
ホルン・ソロのプロローグに続いて、6人のイギリスの詩人による”夜”をテーマにした内容の歌が6曲。ホルンは自然音階なので、よく覚えていませんが、おそらくナチュラル・ホルンでの演奏だったと思います。その珍しい響きも不思議感があるし、太陽が沈みゆく情景は、当然歌い出し高音から始まり、美しく下降していきます。その第一声からの美しさに聴衆は驚く。パドモアさんの真骨頂がいきなり来るのです。母国語の英語ですが、発音の明瞭さ、説得力のある表現、パッションに惹き込まれる

歌もホルンも超難しそうなのですが、ブリテン・サウンドの独特の世界は、初めて聴く人達も、何という曲!何という構成!何という素晴らしい演奏!と会場が聴き入っている空気が伝わってきました。ラストの歌でホルンが舞台裏に隠れ、最後のエピローグは舞台裏から、遠くで聴こえてきます。こういう演出だったんだ~、とCDはよく聴いていましたが、生演奏を聴くと、やっぱり音の迫力が違います。生身の人間が演奏しているリアルを体験することは、本当に感動が格段に違います。リートやエヴァンゲリストの時とは、また全く違うパドモアさんの、繊細でいて力強い歌唱を聴いて見れて、本当に感動しました

ドビュッシー…、オーケストラをやっていたら、もっとよく理解できたのでしょうが、やはり大編成オケは、まだ理解する能力がありません。ダニエルさん、頑張ってくださいね!パドモアさんとのCDは、エクサンプロヴァンスでの、モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」がありますね。”ドン・オッターヴィオ”のアリアもめちゃめちゃ綺麗です。真面目で正義感溢れる騎士のアリアは、パドモアさんのために書かれたのではないかと思うくらいです。モーツァルトの初演時には、ドン・オッターヴィオを歌えるテノールがいなかった、モーツァルトは未来のテノールのために書いたとも言われています。
ブリテンのセレナードも実際に歌えるテノールがほぼいないようで、大変レアな演奏だったようです。
12月4日(日)NHK-Eテレ「クラシック音楽館」で放映されます。是非是非ご覧ください!
http://www4.nhk.or.jp/ongakukan/

 パドモアさん、お急ぎで帰るところ、なんとかお会い出来ました。来年2月、2月にと何回もおっしゃっていました。
NHKホールでは、演奏者の自主的サイン会なのだそう(^-^;。ジョシュア・ベルさん(手前)とダニエル・ハーディングさん。




カジモトさんツイッターより、リハーサルの模様と、素敵なパドモアさんの写真です




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