春が来る前は、気温の変動が激しいものですが、特に今年の2月は大雪があったり、20℃近い日があったりと、極端な温度変化の中、
マーク・パドモアとティル・フェルナーによる、日本公演ツアーが行われました。
2月18日
大阪・いずみホールのシューベルト・シリーズの三大歌曲集のラスト「美しき水車小屋の娘」を聴きました。
私としては念願の大阪公演で、パドモアさんは初のソロで、ティルは、いずみホール・デビューでした。
いずみホールの三大歌曲を全部聴きましたが、やはり一番お客さんが多かったです。
パドモア・ファンだけど、わざわざ東京までは行かない、という方が結構関西にはいらっしゃるのです。
それと「水車小屋」が唯一ここだけだったので、両者のファンで他府県から来られている方も多かったようです。
14日の横浜・みなとみらいホールの「冬の旅」が満席だったようで、その勢いの流れというのも感じました。
パドモアさんを初めて聴いて魅了されたのは、いずみホールでの「マタイ受難曲」(ヘレヴェッヘ指揮・コレギウム・ヴォカーレ)、「オルフェオ」(パーセル・カルテット)だったので、また来てくれないかな~と首を長~くして待っていたのですが、待てども待てども、いずみホールどころか、日本に来てくれませんでした。
すっごく失礼なことだとは思いますが、イアン・ボストリッジ&ジュリアス・ドレイクが「水車小屋」でいずみホールに来た時に、パドモアさんの代わりだと思って、聴きに行ったことが…(^-^;。
シューベルトが手掛けた、ヴィルヘルム・ミューラーの詩による最初の連作歌曲で、有節形式の聴きやすい曲が多く、ピアノも歌のメロディーも美しい。主人公の粉屋の徒弟の気持ちに寄り添う小川や、山、花、星などの自然描写や、物語の風景を、ティルがどんな風にピアノの音を響かすのだろう、という楽しみも多いにありました。
緑の山の中、小川のせせらぎに乗って、ワクワクと歩いてくる若者の足取りの如く力強い音、優しい小川の清らかな流れを、以前聴いた時よりも、更に表情豊かに弾いていました。出だし随分荒々しいと聴こえた人もあったようですが、あまり大人しいのも面白くない。この人のドイツ的な響きは、ベーゼンドルファーでも良かったのではないかと言う声もありましたが。
弱音の美しさも更に綺麗で、音量の幅や音色の多彩さも、深みを増していると感じましたし、全ての曲が満足でした。
パドモアさんは、今回「冬の旅」が多いというか、先にもあったので、中間音に焦点があったように思いました。多くの初めて聴く人は、やはり高音が凄く綺麗やね~と第一印象は持たれるようですが、声楽を体感的に聴くと(ハイ・テノールなのでなんとなくわかる)、ファルセットに持っていった時に、安定さすのに苦労されてるように思いました。管楽器は近いかもしれません、中間音や低い音を充実させようとすると、高音が出にくくなるし、高音ばかり出してると、低音が出なくなったりするものです。人間の身体は日々違うのは当然なので、声の安定よりも、より語り部的な表現に重きをおいておられるとも感じました。いずみホールは、リートにはちょっと広いかなとは思いますが、極弱の声を出されると、よけいぐっと惹きつけられ、ティルも即座に対応していました。
リートは詩を朗読するように、語り歌う。シューベルトはそのバランスが最適で、イントネーションどうりの音型なのに、メロディーとしても美しい。”歌曲の王”と言われるの所以がそこにあると、師匠から教わりました。
色々と物語が進んで、終りの2曲の美しさは、このコンビの真骨頂だと思いました。最後に主人公は小川に沈み亡くなるので、パドモアさんは、ピアノの椅子の前あたりで横を向いて、小川になって、姿の無い少年に歌いかけるといった感じでしょうか。色んな演出があるんだな、と思いました。ポール・ルイスとの時は、完璧にスポットライトがピアノだけになり、暗闇の中で歌われて、ポールの青いシャツが、本当に小川らしかったです。
揺り籠のように癒されるピアノと、優しい子守歌に乗って、少年は安らかに眠り、天国へ行きました。(つづく)
音楽だけでなく、ほんと絵になる二人です。
サイン会も凄い人気でした。
この日は着物で車を運転して行きました(^-^;。殆ど着物の人いないんですけど、けっこう沢山の人に、この演奏会は着物を着るに値する、いい演奏会だわ~と言われました(*^^)v。
マーク・パドモアとティル・フェルナーによる、日本公演ツアーが行われました。
2月18日
大阪・いずみホールのシューベルト・シリーズの三大歌曲集のラスト「美しき水車小屋の娘」を聴きました。
私としては念願の大阪公演で、パドモアさんは初のソロで、ティルは、いずみホール・デビューでした。
いずみホールの三大歌曲を全部聴きましたが、やはり一番お客さんが多かったです。
パドモア・ファンだけど、わざわざ東京までは行かない、という方が結構関西にはいらっしゃるのです。
それと「水車小屋」が唯一ここだけだったので、両者のファンで他府県から来られている方も多かったようです。
14日の横浜・みなとみらいホールの「冬の旅」が満席だったようで、その勢いの流れというのも感じました。
パドモアさんを初めて聴いて魅了されたのは、いずみホールでの「マタイ受難曲」(ヘレヴェッヘ指揮・コレギウム・ヴォカーレ)、「オルフェオ」(パーセル・カルテット)だったので、また来てくれないかな~と首を長~くして待っていたのですが、待てども待てども、いずみホールどころか、日本に来てくれませんでした。
すっごく失礼なことだとは思いますが、イアン・ボストリッジ&ジュリアス・ドレイクが「水車小屋」でいずみホールに来た時に、パドモアさんの代わりだと思って、聴きに行ったことが…(^-^;。
シューベルトが手掛けた、ヴィルヘルム・ミューラーの詩による最初の連作歌曲で、有節形式の聴きやすい曲が多く、ピアノも歌のメロディーも美しい。主人公の粉屋の徒弟の気持ちに寄り添う小川や、山、花、星などの自然描写や、物語の風景を、ティルがどんな風にピアノの音を響かすのだろう、という楽しみも多いにありました。
緑の山の中、小川のせせらぎに乗って、ワクワクと歩いてくる若者の足取りの如く力強い音、優しい小川の清らかな流れを、以前聴いた時よりも、更に表情豊かに弾いていました。出だし随分荒々しいと聴こえた人もあったようですが、あまり大人しいのも面白くない。この人のドイツ的な響きは、ベーゼンドルファーでも良かったのではないかと言う声もありましたが。
弱音の美しさも更に綺麗で、音量の幅や音色の多彩さも、深みを増していると感じましたし、全ての曲が満足でした。
パドモアさんは、今回「冬の旅」が多いというか、先にもあったので、中間音に焦点があったように思いました。多くの初めて聴く人は、やはり高音が凄く綺麗やね~と第一印象は持たれるようですが、声楽を体感的に聴くと(ハイ・テノールなのでなんとなくわかる)、ファルセットに持っていった時に、安定さすのに苦労されてるように思いました。管楽器は近いかもしれません、中間音や低い音を充実させようとすると、高音が出にくくなるし、高音ばかり出してると、低音が出なくなったりするものです。人間の身体は日々違うのは当然なので、声の安定よりも、より語り部的な表現に重きをおいておられるとも感じました。いずみホールは、リートにはちょっと広いかなとは思いますが、極弱の声を出されると、よけいぐっと惹きつけられ、ティルも即座に対応していました。
リートは詩を朗読するように、語り歌う。シューベルトはそのバランスが最適で、イントネーションどうりの音型なのに、メロディーとしても美しい。”歌曲の王”と言われるの所以がそこにあると、師匠から教わりました。
色々と物語が進んで、終りの2曲の美しさは、このコンビの真骨頂だと思いました。最後に主人公は小川に沈み亡くなるので、パドモアさんは、ピアノの椅子の前あたりで横を向いて、小川になって、姿の無い少年に歌いかけるといった感じでしょうか。色んな演出があるんだな、と思いました。ポール・ルイスとの時は、完璧にスポットライトがピアノだけになり、暗闇の中で歌われて、ポールの青いシャツが、本当に小川らしかったです。
揺り籠のように癒されるピアノと、優しい子守歌に乗って、少年は安らかに眠り、天国へ行きました。(つづく)
音楽だけでなく、ほんと絵になる二人です。
サイン会も凄い人気でした。
この日は着物で車を運転して行きました(^-^;。殆ど着物の人いないんですけど、けっこう沢山の人に、この演奏会は着物を着るに値する、いい演奏会だわ~と言われました(*^^)v。