いくつもの争いが終わらぬまま2024年もあと10日、島岡美延です。国際法を無視する国があったり、個人が見知らぬ誰かを襲ったり。
映画『占領都市(27日公開)』をご紹介します。『それでも夜は明ける』のスティーヴ・マックイーン監督が、妻で歴史家のビアンカ・スティグターの著書を基に完成させた4時間11分のドキュメンタリー。私たちが目撃するのは、今のオランダ、アムステルダム。
アムステルダムを第二の故郷として暮らす監督は、アーカイブ映像やインタビューによる回想はあえて使わず、「今、目の前にある風景」を映して、1940~45年にナチス・ドイツの占領下におかれた恐怖の記憶をあぶり出します。空襲ですべて焼け野原になった日本と違って、オランダでは「第二次大戦中の建物を今も使っている」ことが珍しくなく、あの時、誰がどんな目にあったかを克明に語っていく斬新な手法。
人権や言論の自由、命を奪われた人は、何十万という数字ではなく、それぞれ名前も家族もあった人間。
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