【前回までのあらすじ】
5月の大型連休最終日であった6日、大分県は別府へと旅に出たわたくしは、つつがなく別府に到着。ヤッターマンをはじめとするタツノコアニメのキャラクターに出迎えられて市内に入り、まず駅前通りの共同浴場で最初の温泉に浸かった。豊後牛焼肉と別府冷麺で腹ごしらえののち別府タワーへ。その後、別府温泉はじまりの地という浜脇温泉にある、古き良き銭湯を思わせる風情の共同浴場に浸かる。かつて遊郭のあったあたりを散策しつつ再び市の中心部へ。歴史を感じさせる竹瓦温泉や、チェックインしたホテルの露天風呂にも浸かり、温泉でふやけたアタマとカラダを引きずりながら飲み屋街へ。そこで美味しい名物料理を出す居酒屋や、居心地のいいバーに巡り合うことができ、幸せな別府の夜を過ごしたのであった•••。
さて、別府旅2日目の朝がやってまいりました。
6時ごろにはしっかり起きて、宿泊しているホテルの屋上にある展望露天風呂に上がり、朝を迎えた高崎山や別府の街を眺めながら朝風呂を堪能いたしました(↓前々回に掲げた写真を再掲しておきます)。
考えてみれば、この日は連休が終わったあとの平日。多くの皆さんが、会社や学校での日常を再開すべく動き出している日だったのでございまして•••。そういう日の朝に極上の景色を眺めながら露天風呂に浸かるというのは•••あまり大きな声では言えないのですが•••はは、なかなか気分のいいものでありましたよ。
朝風呂のあと、階下のレストランにてバイキング形式の朝食をお腹いっぱいいただきました。そして、早々にホテルをチェックアウトしたのであります。
駅前通りから乗り込んだ路線バスに揺られることしばし。わたくしは別府の北部にある鉄輪(かんなわ)温泉に降り立ちました。
鉄輪温泉といえば、いわゆる「地獄めぐり」ができる観光地としても名高いのでありますが、町のあちこちから湯けむりが立ち上り、石畳の細い路地に沿って宿やお土産屋さん、食堂などが立ち並ぶ、ちょっと鄙びた湯治場風情が残っている場所でもあります。
実際歩き回っていると、昔の宿場町のおもかげすら漂う路地もあったりして、いやあ、まことにいい感じでございますよ。
•••とは言いましても、前日からフルに歩き通しで、少々足が痛くなってまいりました。わたくし、無料でできる「足蒸し」で、しばし足を休ませることにいたしました。
フタを開け、温泉の蒸気でムンムンに満たされた箱の中に足を突っ込むのでありますが•••これがけっこうな熱さでございまして、軟弱者のわたくしは1分程度が限界でありましたよ。いやはや情けないのでございまして、仕方がないので横にあった普通の足湯におとなしく足を漬け、疲れたわが愚足をしばし休ませたのでございました。
町の中には、宿泊施設が運営しているとおぼしき大衆演劇場があったりしまして、これもまた、鄙びた温泉郷の雰囲気にあっていていい感じでした。泊りがけでここに来る機会があれば、ぜひ観劇なんぞしてみたいものでありますね。
•••それにしても、この「ヤング劇場」っていう、いかにも若さが感じられない名前というのもまた、味わい深いものがありましたねえ。
鉄輪温泉のビューポイントである高台に登ることにいたしました。民家の庭先にあるような細~い路地と階段を通り抜け、えっちらおっちら登っていくと、こんな風景が広がったのであります。
これですよ、温泉郷鉄輪の眺め。天気にも恵まれて実にいい眺めでございましたよ。画面の向かって左側には、高崎山や別府市街地を望むこともできたのでありますが•••そこまで入れた写真、撮ってくりゃよかったなあ。
再び温泉街へ降りてきたわたくしは、いくつか点在している共同浴場のうち、「渋の湯」と書かれたところに入りました。
こちらの共同浴場は、「組合員」と呼ばれる地元の皆さんが共同で維持・管理しておられるようで、それら組合員の皆さんは無料で入ることができます。われわれ外から来た者は、100円から200円のお金を払って入浴します。地元の方々が頑張って維持してくださっている浴場でありまして、われわれ外から来た者は「入らせていただきます」という姿勢で入るのが良いのではないか、と感じましたね。
中の浴槽と洗い場はまことにこじんまりとしておりまして、地元の方とおぼしき人が一人、のんびりとお湯に浸かっておられました。隣の女湯からは、こちらも地元の方々でしょうか、えらく賑やかなおばちゃんたちの話し声が聞こえてくるのでありまして、いやあ、いい感じでありましたよ。
別の共同浴場の前では、地元のお年寄りが「あんたもう温泉入ったん?」みたいな会話をしているのも見かけましたね。ここでは温泉が、人々の生活の一部として根付いていることを、しみじみと感じたのであります。
生活に根付いた温泉、といえば、宿や観光施設ではない普通の民家の脇に、温泉の蒸気を利用したかまどを見かけることもできました。
こちらでは、温泉の蒸気で蒸しあげた「地獄蒸し」が毎日食べられるのかあ、と思うと、なんだか羨ましくもありましたねえ。•••オレ、移住してみようかなあ、鉄輪に。
鉄輪温泉でもうひとつ、気持ちをくすぐられたのは、あちこちにネコがいたことであります。
温泉による暖かさが心地良いのでしょうか、とにかくネコの姿が多いのですね。ネコ好きとしてはこたえられないのでありますが•••近づこうとするとたいてい逃げられてしまったのでありまして、これはサビしかったですねえ。とほほ。
まあ、そういうふうにネコが多い場所ということで、中にはネコを捨てに来たりするような不心得者がいるのでしょうか、こんな看板を見かけたのであります。
「その家に禍がおこります」•••いやー、それはコワいぞ。こら!イヌネコを捨てるような不心得者ども、禍いがイヤだったら捨てんなよ!
さて、このあとは別府名所である地獄めぐりに出陣することになりますが、そのお噂は次回の最終回にてお届けいたします!
5月の大型連休最終日であった6日、大分県は別府へと旅に出たわたくしは、つつがなく別府に到着。ヤッターマンをはじめとするタツノコアニメのキャラクターに出迎えられて市内に入り、まず駅前通りの共同浴場で最初の温泉に浸かった。豊後牛焼肉と別府冷麺で腹ごしらえののち別府タワーへ。その後、別府温泉はじまりの地という浜脇温泉にある、古き良き銭湯を思わせる風情の共同浴場に浸かる。かつて遊郭のあったあたりを散策しつつ再び市の中心部へ。歴史を感じさせる竹瓦温泉や、チェックインしたホテルの露天風呂にも浸かり、温泉でふやけたアタマとカラダを引きずりながら飲み屋街へ。そこで美味しい名物料理を出す居酒屋や、居心地のいいバーに巡り合うことができ、幸せな別府の夜を過ごしたのであった•••。
さて、別府旅2日目の朝がやってまいりました。
6時ごろにはしっかり起きて、宿泊しているホテルの屋上にある展望露天風呂に上がり、朝を迎えた高崎山や別府の街を眺めながら朝風呂を堪能いたしました(↓前々回に掲げた写真を再掲しておきます)。
考えてみれば、この日は連休が終わったあとの平日。多くの皆さんが、会社や学校での日常を再開すべく動き出している日だったのでございまして•••。そういう日の朝に極上の景色を眺めながら露天風呂に浸かるというのは•••あまり大きな声では言えないのですが•••はは、なかなか気分のいいものでありましたよ。
朝風呂のあと、階下のレストランにてバイキング形式の朝食をお腹いっぱいいただきました。そして、早々にホテルをチェックアウトしたのであります。
駅前通りから乗り込んだ路線バスに揺られることしばし。わたくしは別府の北部にある鉄輪(かんなわ)温泉に降り立ちました。
鉄輪温泉といえば、いわゆる「地獄めぐり」ができる観光地としても名高いのでありますが、町のあちこちから湯けむりが立ち上り、石畳の細い路地に沿って宿やお土産屋さん、食堂などが立ち並ぶ、ちょっと鄙びた湯治場風情が残っている場所でもあります。
実際歩き回っていると、昔の宿場町のおもかげすら漂う路地もあったりして、いやあ、まことにいい感じでございますよ。
•••とは言いましても、前日からフルに歩き通しで、少々足が痛くなってまいりました。わたくし、無料でできる「足蒸し」で、しばし足を休ませることにいたしました。
フタを開け、温泉の蒸気でムンムンに満たされた箱の中に足を突っ込むのでありますが•••これがけっこうな熱さでございまして、軟弱者のわたくしは1分程度が限界でありましたよ。いやはや情けないのでございまして、仕方がないので横にあった普通の足湯におとなしく足を漬け、疲れたわが愚足をしばし休ませたのでございました。
町の中には、宿泊施設が運営しているとおぼしき大衆演劇場があったりしまして、これもまた、鄙びた温泉郷の雰囲気にあっていていい感じでした。泊りがけでここに来る機会があれば、ぜひ観劇なんぞしてみたいものでありますね。
•••それにしても、この「ヤング劇場」っていう、いかにも若さが感じられない名前というのもまた、味わい深いものがありましたねえ。
鉄輪温泉のビューポイントである高台に登ることにいたしました。民家の庭先にあるような細~い路地と階段を通り抜け、えっちらおっちら登っていくと、こんな風景が広がったのであります。
これですよ、温泉郷鉄輪の眺め。天気にも恵まれて実にいい眺めでございましたよ。画面の向かって左側には、高崎山や別府市街地を望むこともできたのでありますが•••そこまで入れた写真、撮ってくりゃよかったなあ。
再び温泉街へ降りてきたわたくしは、いくつか点在している共同浴場のうち、「渋の湯」と書かれたところに入りました。
こちらの共同浴場は、「組合員」と呼ばれる地元の皆さんが共同で維持・管理しておられるようで、それら組合員の皆さんは無料で入ることができます。われわれ外から来た者は、100円から200円のお金を払って入浴します。地元の方々が頑張って維持してくださっている浴場でありまして、われわれ外から来た者は「入らせていただきます」という姿勢で入るのが良いのではないか、と感じましたね。
中の浴槽と洗い場はまことにこじんまりとしておりまして、地元の方とおぼしき人が一人、のんびりとお湯に浸かっておられました。隣の女湯からは、こちらも地元の方々でしょうか、えらく賑やかなおばちゃんたちの話し声が聞こえてくるのでありまして、いやあ、いい感じでありましたよ。
別の共同浴場の前では、地元のお年寄りが「あんたもう温泉入ったん?」みたいな会話をしているのも見かけましたね。ここでは温泉が、人々の生活の一部として根付いていることを、しみじみと感じたのであります。
生活に根付いた温泉、といえば、宿や観光施設ではない普通の民家の脇に、温泉の蒸気を利用したかまどを見かけることもできました。
こちらでは、温泉の蒸気で蒸しあげた「地獄蒸し」が毎日食べられるのかあ、と思うと、なんだか羨ましくもありましたねえ。•••オレ、移住してみようかなあ、鉄輪に。
鉄輪温泉でもうひとつ、気持ちをくすぐられたのは、あちこちにネコがいたことであります。
温泉による暖かさが心地良いのでしょうか、とにかくネコの姿が多いのですね。ネコ好きとしてはこたえられないのでありますが•••近づこうとするとたいてい逃げられてしまったのでありまして、これはサビしかったですねえ。とほほ。
まあ、そういうふうにネコが多い場所ということで、中にはネコを捨てに来たりするような不心得者がいるのでしょうか、こんな看板を見かけたのであります。
「その家に禍がおこります」•••いやー、それはコワいぞ。こら!イヌネコを捨てるような不心得者ども、禍いがイヤだったら捨てんなよ!
さて、このあとは別府名所である地獄めぐりに出陣することになりますが、そのお噂は次回の最終回にてお届けいたします!