2013年もきょう(12月26日)の時点で、残すところあとわずか5日。来年のことを言うと鬼が笑う、などと申しますが、あと5日程度であれば鬼さんたちも「しょうがねえなあ」などと微笑みながらお目こぼししてくれるでありましょう。そんなわけで(どういうわけだ)、来年1月に刊行予定の新刊新書から、例によってわたくしの興味を惹いた書目を10冊選んでピックアップいたしました。何か皆さまにも、引っかかる書目があれば幸いに存じます。
刊行データや内容紹介については、書店向けに取次会社が発行している情報誌『日販速報』の12月9-16日号、12月23日号、そして12月30日-1月6日号とその付録である12月刊行の新書新刊ラインナップ一覧に準拠いたしました。発売日は首都圏基準ですので、地方では1~2日程度のタイムラグがあります。また、書名や発売予定は変更になることもあります。
『もっと面白い本』 (成毛眞著、岩波新書、21日発売)
来月刊行分では一番楽しみにしているのが本書であります。ノンフィクション系オススメ本サイト「HONZ」代表としても知られる成毛眞さんが読んできた、数多くのノンフィクション本から選りすぐった面白本を紹介した『面白い本』の続篇が登場です。「人間、宇宙、歴史、芸術、科学。まだまだある、面白い本。読書欲が燃え上がる、家計圧迫必至の第2弾」。そう、第1弾同様、本好きにとっては誠に危険極まりないものになるでありましょう。心して手に取らなければな。
『地球外生命 われわれは孤独か』 (長沼毅・井田茂著、岩波新書、21日発売)
岩波新書からもう一冊を。「銀河系では地球はありふれた存在らしい。ほかにも知的生命は存在するか。科学を総動員して考える」と。研究の進展により、地球外生命の存在は絵空事にはとどまらない可能性を持ち出した、ともいえる昨今。この本にもなんだか興味をそそられるものがありますねえ。
『浮世絵で読む、江戸の四季とならわし』 (赤坂治績著、NHK出版新書、10日発売)
「正月は万歳芸に笑い転げ、春は着物の裾をからげて潮干狩り、夏はミニチュアの富士に詣でうなぎを食す。四季折々の行事を楽しみ、暮らしを愛でる庶民の姿」。浮世絵は美術としてだけではなく、江戸の人びとの生活風俗を知るための絶好の資料でもありますから、この本もけっこう楽しみです。
『日本軍と日本兵 米軍報告書は語る』 (一ノ瀬俊也著、講談社現代新書、16日発売)
「太平洋戦争時、米軍は日本軍を、日本人をどう見ていたか。兵士の士気、生活様式から、組織論、戦術まで、日本軍に実像を捉え直す1冊」と。当時の米軍の目から、日本軍はどのように映り、分析されていたのでしょうか。気になります。
『絶景鉄道 地図の旅』 (今尾恵介著、集英社新書、17日発売)
「日本に張り巡らされた3万キロ近い線路は、それぞれ地形と密接な関係にあり、1枚の地形図を見ると、その土地を走る鉄道にまつわるさまざまなできごとを読み解くことができる」と、内容説明を見るだけでもなんだかワクワクさせられるものが。鉄道旅が好きな身としては見逃せないものがありそうですな。
『「闇学」入門』 (中野純著、集英社新書、17日発売)
集英社新書からももう一冊。「最近、闇の中の町歩き=ナイトハイクが人気だ。その提唱者で、多様な視点から日本文化を支える闇を研究してきた著者が、最新知見も交え、闇の謎と魅力を解き明かす」と。闇の中の町歩きとは、なんとも面白そうではないですか。そう、「闇」があってこそ、町も文化も深みを増すんですよね。これはぜひともチェックしておかねば。
『つながる図書館 コミュニティの核を目指す試み』 (猪谷千香著、ちくま新書、7日発売)
「ビジネス支援から町民の手作り図書館、建物の外へ概念を広げる試み。数々の公共図書館の取り組みを取材し、今後のありかたを探る」とのこと。図書館もまた、本と出会える大事な場所として、様々な模索が行われている様子。その現状を知るためにも読んでおきたいですね。
『走れ!移動図書館 本でよりそう復興支援』 (鎌倉幸子著、ちくまプリマー新書、7日発売)
ちくまプリマー新書からも図書館の本が。こちらは、東日本大震災で被災した地域での活動をまとめた本。「被災者の『心』の回復のために本が必要だ。本の力を信じて行われている移動図書館プロジェクト。その活動の始動から現在までを綴る」。こちらも必読ですね。
『〈辞書屋〉列伝 言葉に憑かれた人びと』 (田澤耕著、中公新書、25日発売)
「ドラマのない辞書はない。オックスフォード英語辞典、日本初の国語辞典『言海』、ヘボンが作った和英辞典など、苦闘と情熱を描く」と、こちらも内容説明に惹かれるものがありますね。名だたる辞書がいかにして世に出たのかというエピソード、面白そうだな。
『紙の本は、永遠に滅びない(仮)』 (福嶋聡著、ポプラ新書、上旬)
「なぜ書店が必要なのか。なぜ読書が必要なのか。書店を愛してやまない書店員が今こそ世に問う、書物の存在理由と書店のありかた」。ジュンク堂に勤務しながら、現場からの書店論を数々発信し続けている福嶋さんによる本書、ぜひ読まねば。タイトルにも強く惹かれます。
と、こうして見ると、来月刊行分には「本」にまつわる押さえておきたい書目が目立ちます。年明け早々、いろいろと買わなければいけないみたいですね(笑)。
1月刊行分で他に気になったのは、以下の通りであります。
『書き出しは誘惑する 小説の楽しみ』 (中村邦生著、岩波ジュニア新書、21日発売)
『分子からみた生物進化 生物のたどってきた道』 (宮田隆著、講談社ブルーバックス、20日発売)
『テレビ報道のカラクリ(仮)』 (田中周紀著、光文社新書、17日発売)
『物語 ビルマの歴史 王朝時代から現代まで』 (根本敬著、中公新書、24日発売)
『ケアの倫理』 (ファビエンヌ・ブルジェール著、原山哲ほか訳、白水社文庫クセジュ、下旬)
『「金縛り現象」の科学(仮)』 (福田一彦著、PHPサイエンス・ワールド新書、17日発売)
『ソーシャルメディア仕事術(仮)』 (津田大介著、PHPビジネス新書、17日発売)
『戦国大名 政策・統治・官僚』 (黒田基樹著、平凡社新書、15日発売)
『男と女の江戸川柳 “スケベ心”を可笑しがる』 (小栗清吾著、平凡社新書、15日発売)
刊行データや内容紹介については、書店向けに取次会社が発行している情報誌『日販速報』の12月9-16日号、12月23日号、そして12月30日-1月6日号とその付録である12月刊行の新書新刊ラインナップ一覧に準拠いたしました。発売日は首都圏基準ですので、地方では1~2日程度のタイムラグがあります。また、書名や発売予定は変更になることもあります。
『もっと面白い本』 (成毛眞著、岩波新書、21日発売)
来月刊行分では一番楽しみにしているのが本書であります。ノンフィクション系オススメ本サイト「HONZ」代表としても知られる成毛眞さんが読んできた、数多くのノンフィクション本から選りすぐった面白本を紹介した『面白い本』の続篇が登場です。「人間、宇宙、歴史、芸術、科学。まだまだある、面白い本。読書欲が燃え上がる、家計圧迫必至の第2弾」。そう、第1弾同様、本好きにとっては誠に危険極まりないものになるでありましょう。心して手に取らなければな。
『地球外生命 われわれは孤独か』 (長沼毅・井田茂著、岩波新書、21日発売)
岩波新書からもう一冊を。「銀河系では地球はありふれた存在らしい。ほかにも知的生命は存在するか。科学を総動員して考える」と。研究の進展により、地球外生命の存在は絵空事にはとどまらない可能性を持ち出した、ともいえる昨今。この本にもなんだか興味をそそられるものがありますねえ。
『浮世絵で読む、江戸の四季とならわし』 (赤坂治績著、NHK出版新書、10日発売)
「正月は万歳芸に笑い転げ、春は着物の裾をからげて潮干狩り、夏はミニチュアの富士に詣でうなぎを食す。四季折々の行事を楽しみ、暮らしを愛でる庶民の姿」。浮世絵は美術としてだけではなく、江戸の人びとの生活風俗を知るための絶好の資料でもありますから、この本もけっこう楽しみです。
『日本軍と日本兵 米軍報告書は語る』 (一ノ瀬俊也著、講談社現代新書、16日発売)
「太平洋戦争時、米軍は日本軍を、日本人をどう見ていたか。兵士の士気、生活様式から、組織論、戦術まで、日本軍に実像を捉え直す1冊」と。当時の米軍の目から、日本軍はどのように映り、分析されていたのでしょうか。気になります。
『絶景鉄道 地図の旅』 (今尾恵介著、集英社新書、17日発売)
「日本に張り巡らされた3万キロ近い線路は、それぞれ地形と密接な関係にあり、1枚の地形図を見ると、その土地を走る鉄道にまつわるさまざまなできごとを読み解くことができる」と、内容説明を見るだけでもなんだかワクワクさせられるものが。鉄道旅が好きな身としては見逃せないものがありそうですな。
『「闇学」入門』 (中野純著、集英社新書、17日発売)
集英社新書からももう一冊。「最近、闇の中の町歩き=ナイトハイクが人気だ。その提唱者で、多様な視点から日本文化を支える闇を研究してきた著者が、最新知見も交え、闇の謎と魅力を解き明かす」と。闇の中の町歩きとは、なんとも面白そうではないですか。そう、「闇」があってこそ、町も文化も深みを増すんですよね。これはぜひともチェックしておかねば。
『つながる図書館 コミュニティの核を目指す試み』 (猪谷千香著、ちくま新書、7日発売)
「ビジネス支援から町民の手作り図書館、建物の外へ概念を広げる試み。数々の公共図書館の取り組みを取材し、今後のありかたを探る」とのこと。図書館もまた、本と出会える大事な場所として、様々な模索が行われている様子。その現状を知るためにも読んでおきたいですね。
『走れ!移動図書館 本でよりそう復興支援』 (鎌倉幸子著、ちくまプリマー新書、7日発売)
ちくまプリマー新書からも図書館の本が。こちらは、東日本大震災で被災した地域での活動をまとめた本。「被災者の『心』の回復のために本が必要だ。本の力を信じて行われている移動図書館プロジェクト。その活動の始動から現在までを綴る」。こちらも必読ですね。
『〈辞書屋〉列伝 言葉に憑かれた人びと』 (田澤耕著、中公新書、25日発売)
「ドラマのない辞書はない。オックスフォード英語辞典、日本初の国語辞典『言海』、ヘボンが作った和英辞典など、苦闘と情熱を描く」と、こちらも内容説明に惹かれるものがありますね。名だたる辞書がいかにして世に出たのかというエピソード、面白そうだな。
『紙の本は、永遠に滅びない(仮)』 (福嶋聡著、ポプラ新書、上旬)
「なぜ書店が必要なのか。なぜ読書が必要なのか。書店を愛してやまない書店員が今こそ世に問う、書物の存在理由と書店のありかた」。ジュンク堂に勤務しながら、現場からの書店論を数々発信し続けている福嶋さんによる本書、ぜひ読まねば。タイトルにも強く惹かれます。
と、こうして見ると、来月刊行分には「本」にまつわる押さえておきたい書目が目立ちます。年明け早々、いろいろと買わなければいけないみたいですね(笑)。
1月刊行分で他に気になったのは、以下の通りであります。
『書き出しは誘惑する 小説の楽しみ』 (中村邦生著、岩波ジュニア新書、21日発売)
『分子からみた生物進化 生物のたどってきた道』 (宮田隆著、講談社ブルーバックス、20日発売)
『テレビ報道のカラクリ(仮)』 (田中周紀著、光文社新書、17日発売)
『物語 ビルマの歴史 王朝時代から現代まで』 (根本敬著、中公新書、24日発売)
『ケアの倫理』 (ファビエンヌ・ブルジェール著、原山哲ほか訳、白水社文庫クセジュ、下旬)
『「金縛り現象」の科学(仮)』 (福田一彦著、PHPサイエンス・ワールド新書、17日発売)
『ソーシャルメディア仕事術(仮)』 (津田大介著、PHPビジネス新書、17日発売)
『戦国大名 政策・統治・官僚』 (黒田基樹著、平凡社新書、15日発売)
『男と女の江戸川柳 “スケベ心”を可笑しがる』 (小栗清吾著、平凡社新書、15日発売)