読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

閑古堂の酔眼亭日乗、十月十一日及十月十二日

2014-10-13 08:01:29 | 美味しいお酒と食べもの、そして食文化本のお噂
十月十一日。陰、夜に入りて雨。台風十九号接近の影響でいささか風強き一日となれり。
昼まで仕事のあと一旦帰宅しバスにて宮崎市内中心部へ向かい、若草通商店街にて前日の十日から三日間にわたって開催の宮崎オクトーバーフェストに臨む。宮崎県下のクラフトビールや海外のビールを、県産食材を使用せし料理とともに賞味できるという、酒好きには実に有り難き催事なり。

会場にて500円で専用のジョッキを借り受け、飲食後に返却すれば500円が戻るという仕組み。さっそくジョッキを借り受け、さまざまなビールを賞味せり。

まず味わいしは、宮崎市から西のほうにある自然豊かな綾町産の「綾の地ビール」のケルシュ。まろやかな味わいが地鶏炭火焼によく合い美味なりき。

次に賞味せしは、宮崎特産日向夏を使用して醸造せられし「霧島ビール」の一品。明るい色味と爽快感ある飲み口で、ビールが苦手な向きにも好まれそうに思えり。
その次に賞味せしはスコットランド産のビールなり。ホップの苦味が効いていながらもフルーティでこれまた我が舌を唸らせし。

次に飲んだのは県北部の延岡市「ひでじビール」が、数年前の新燃岳噴火で被害を受けた高原町産の麦を使用して醸造せしビール。芳醇な麦の旨味が溢れる素晴らしき逸品なり。

そして最後に「綾の地ビール」の黒ビールをソーセージとともに味わい、大いに満足せり。
若草通で帽子店を営み、この催事の企画運営にも携わりし知人に話を聞けり。昨年の第一回の時は、昼間からの開催で果たして人が集まるのか不安だったが、開催してみれば予想以上の人出で、しかも家族連れや女性だけのグループも多く集まり、そのような人々の受け皿ともなることができたんだな、と勉強になった、との由。ほかにもいくつかの興味深い話を聞くことができ、余のほうも勉強となれり。この日も昼間から多くの人々で賑わっており、その様子を眺めながらのビールというのは実に良きものなり。
その知人との会話の最中、来月初めに公演されるという、宮崎の演劇役者らによる「かたむすび」なる舞台のチラシを配る人あり。

チラシを配りし人は、この舞台にも出演するという吉丸裕美嬢と、脚本・演出の本田誠人氏なり。舞台役者としてのみならず、地元のテレビなどでタレントとしても活躍中の吉丸嬢に期せずして会うことができ大いに喜ぶなり。
宮崎オクトーバーフェストの会場を後にし、近くの書店で小休止しつつ本二冊を購入したあと、燈刻飲み屋街へ向かい、酒館たかさごにて焼酎二合を飲めり。この夜も店内大いに賑わえり。
その後繁華街をしばし散策し、行きつけのバーに立ち寄りし。翌日の日曜日と月曜日は開店記念のイベントの予定なりしが、台風によりどうなるかわからない、とマスター氏が言えり。よりによってそういう時に接近してくるとは、実に罪深き台風なり。カクテルを4~5杯飲みつつゆっくりと過ごせり。帰宅は久々に午前一時頃となれり。


十月十二日。台風の強風域に入り、終日風雨の強い一日となれり。
久々に「酒のない国へ行きたい二日酔い」という言葉が頭をよぎる朝を迎えるも、「また三日目に帰りたくなる」どころかその夜のうちに、おでんを肴にして焼酎を飲めり。実に度し難い酒呑みなりと我ながら呆れおり。