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宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

【読了本】『ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア』 暗黒卿、手ごわい娘相手に奮闘す

2013-06-04 22:24:56 | 本のお噂

『ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア』 ジェフリー・ブラウン作、富永晶子訳、辰巳出版、2013年


『スター・ウォーズ』シリーズでおなじみ、シスの暗黒卿ダース・ヴェイダー。
そのヴェイダー卿が、まだ幼い息子ルーク・スカイウォーカーの子育てに奮闘するさまをコミカルかつハートウォーミングに描き、日本でも大評判だった絵本『ダース・ヴェイダーとルーク(4才)』の続篇が本書であります。今度は、ルークの妹であるレイア姫の子育てに、ヴェイダー卿が奮闘する「エピソード3.75」です。

遠い昔、はるか銀河の彼方で••••••
暗黒卿ダース・ヴェイダーは、反乱軍との戦いを繰り広げつつ、プリンセス・レイアを一生懸命育てていた。ちょっとおてんばながらも父親思いのところもあった少女時代を経て、反抗期であるティーンエイジャーの時期に。反乱軍に身を投じたり、ハン・ソロと恋仲になったりする我が娘に、やきもきしたりするヴェイダー卿なのであった•••。

ルークの子ども時代のみのお話であった前作『~ルーク(4才)』に比べ、今回は子どもから大人になっていくレイアとのお話となっています。ゆえに、実際の映画シリーズのお話と重なっているところもあるのですが、それはそれ、これはこれ。映画の世界観をもとにしながらも、もしかしたらあり得たかもしれない(?)父娘のエピソードを、笑いとともに描いていきます。
父親にとって、息子以上に難しいところがあるのが娘との関係。ある意味、ルークよりも手ごわい相手ともいえるレイアには、ヴェイダー卿もなかなかの苦戦ぶりでありました。
反抗したり、どこの馬の骨ともわからない(?)オトコと恋仲になったりする愛娘にやきもきしたりするヴェイダー卿の姿には、いたく共感したりするお父さんもいたりするかもしれませんね(幸か不幸か子どものいない未熟者のわたくしは、そのあたりは想像するしかないのですが•••)。
幼い頃のレイアの写真を手にしているヴェイダー卿が見ているモニターの画面には、今は反乱軍に身を投じたレイアの姿が。「やれやれ」とため息をつくヴェイダー卿•••。この場面には、ついついヴェイダー卿に同情したくなってきてしまうのであります。

前作同様、映画シリーズの設定やキャラクターを活かした場面もたくさん出てきて、そのいちいちにニンマリしてしまいます。
まだ幼いレイアを学校へと送り届けるためにヴェイダー卿が使ったのが、シリーズでもおなじみだったあの4本脚のメカだったりします。•••もっとも、当のレイアには「すっごくはずかしいんだけど••••••」と思われてしまうのですが(涙)。また、ハン・ソロが氷漬けにされてしまう理由は、映画とは全然違うことになっていたりして、それにもまた笑わされました。

無論、一通り映画シリーズを観ていれば、より一層楽しめるのは間違いないのですが、前作と同じく笑いと暖かさあふれる作風は、多くの人に好まれるものになっていると思います。
『スター・ウォーズ』ファンはもちろん、娘を持つお父さんたちも、ぜひどうぞ。

フォースは必ず、皆さんとともにあります•••。


【関連オススメ本】

『ダース・ヴェイダーとルーク(4才)』 ジェフリー・ブラウン作、富永晶子訳、辰巳出版、2012年

関連オススメはもちろんこの「エピソード3.5」。息子思いのヴェイダー卿の姿には、笑わされつつも愛しい気持ちになってくること請け合い。最後の場面には、恥ずかしながら大泣きさせられました•••。

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