たそがれおじさんのぐうたら人生(TOGZ) 

「とかち」をこよなく愛するおじさんが自転車で巡る十勝野風景を発信(晩秋の日高山脈11/8)

袖すり合うも他生の縁

2011年01月09日 | 日記

「袖すり合うも他生の縁」 

このことわざは、「見知らぬ人と袖が触れ合うような些細な出来事も、偶然によるものでなく、深い宿縁から生じているということ。仏教の教えからきているもので、『他生の縁』とは、前世からの因縁の意」とのこと。 

 

何かすっかりことわざついてしまいますが、出会ったことが縁で、今年の年賀状をいただいた方がいます。 

神奈川県藤沢市に住んでいるSさんです。20代後半の青年です。出会いは袖すりあうところではなかったのですが、縁があったんですね。感激です。 

 

昨年の1月末、新聞で読んだ釧路のバス会社が企画した、湿原観光バスの運行の案内に応募し、行ったことにあります。その日、バスにはおじさん夫婦と、かのSさんしか乗っていなかったのです。大きなバスに3人だけですよ。おまけにガイドさん付きなもんだから、さながら大名運行というところです。バス会社には気の毒だと思いつつ、楽しませてもらいました。

 

Sさんは、釧路で開催されていた、国民体育大会冬季スケート競技会に出場した友人の応援のついでに、この観光バスを予約していたそうです。

 

ガイドさんの案内だけでは、場が持ちません。当然、Sさんと我々夫婦の会話が進みます。降車しての見学も当然ながらほぼ一緒です。そんなことから、プライベートなことまで話が及ぶという状況です。偶然の出会いといえども、縁が深まっていくのでした。

 

Sさんは、このバスの周遊ではなく、標茶駅前で降りて、この後は湿原を走るSL(蒸気機関車)で釧路に戻るということでした。おじさんたちは、このままバスで戻る予定だったので、出会ったことが何かの縁と、名刺交換をしました。そして、当然のごとく十勝のよさと、「北海道に来る時はぜひ十勝にも足を運んでください。その時は私が案内します。」と。

 

標茶駅からは、おじさん夫婦の二人だけ。なんか後半のバスはこの上なくさびしいことが目に見えています。なので、急きょ、予定変更。おじさんたちもSLに乗って釧路まで行くことにしました。

 

SLは全席座席指定です。とりあえず進行方向の座席をお願いしたら、1席だけありました。

席に行くと、隣の人は何か用を足しに行っているのか、荷物だけありました。少ししたら、さっきのバスで一緒だったSさんが通路を歩いてくるのが見えました。そして、おじさんの隣の席に来るではありませんか。これもまた偶然か、出来すぎた偶然にお互いにびっくり。縁ですね。

 

SLの発車後は、それぞれの時を過ごしていましたが、途中で戻ったらSさんも戻っていて、車中で買ってきたといって、バナナ饅頭をおすそ分けしてくれました。こんな釧路で、おじさんの隣町の池田町の名物をいただくとは。これまた偶然か。おじさん心で縁ですね。

 

オオワシや鹿の群れとSLの競走を観たりと、ゆったりとかつダイナミックな自然の営みを楽しみ、釧路駅に着き、名残惜しみながらSさんと別れました。

 

釧路湿原国立公園をバスとSLでつないだ一日、観光もよかったけど、偶然とはいえ、Sさんとの出会いは、この一日の満足度の半分はありました。

 

という心地よさを感じ、釧路に来たからには、和商市場にも寄らねばということで、市場で海産物をあさっていました。と、どこかで見かけた御仁が視界に入ってくるではありませんか。そうです、Sさんです。こうなったら、偶然では済まされません。縁なのです。縁ですよ。またまた会えたことに、喜びと縁を感じつつ本当にお別れしました。

 

十勝に戻ってからも気にはしていましたし、もしかしたらSさん、十勝に来るって連絡でもあるかと、期待しつつほぼ1年たったところで、年賀状が届いたので、上記のとおり、感激したところです。

 

不動産のオーナーで、生活は十分のようですが、今年、幼稚園教諭を目指し、勉学に励むと書いてありました。年齢ではなく、いつになっても目標に向かってチャレンジするSさん。おじさんは、心から「頑張って!」と願いを込め、メールでエールを送りました。この前撮ったウサギの足跡も添付し、幸運を祈願しました。

 

またまた、あの日の思い出にと、フォルダをひっかきまわして出てきた中からの写真です。

 

鶴居村のつる公園。ここは、個人で給餌をしているとのことでした。おじさんの十勝にもタンチョウは普通に見られますが、一度に100羽近くは,壮観でした。

                          

 

標茶駅からのSLです。C1型で、C11171という番号の入った機関車です。汽笛の音とガッタン,ゴットンの音がたまりませんでした。