1月16日(日)
5:00、ゴーゴーという風の音が目覚ましで起床。昨晩、コンビニで仕入れたオニギリとサンドイッチで朝食を済ませる。身支度をし、出発時刻を待ちながらテレビの天気予報を見ると、沖縄には暴風警報が出ています。もしかしたら今回のイベントは中止かも、という不安がよぎりました。7:30ホテル出発直前のテラスから見る前浜です。戸を開けるのも気を使います。雨も時々ザーッと降ったりしています。
外に出ると雨は止んでいます。北海道人のおじさんにとって、気温12℃ぐらいは10月下旬ですので、寒すぎるということはありません。でも、この風の強さだけは人生の中で初体験です。追い風に乗ってアッという間にコミュニティーセンターに着きました。
センチュリー(160KM)の参加者は、7:00に出発したので、会場にいるのは100KMの人や50KMの人たちです。出走サインを済ませ、センターの中をうろうろしたり、外の天気を眺めながら時間の来るのを待っていました。外は、雨が降ったり雲の切れ間からお日様が差し込んだりの不安定さは変わりません。センターの外には、波しぶきから出るように見える虹がきれいです。十勝ではお目にかかれない風景にしばし見とれていました。
8:45から出発式があり、この強風には十分気をつけるよう、参加者への要請がありました。おじさんは、古宇利・桜ロードコース100KM です。プログラムを見ると、このコースには477人が参加することになっています。
案内があり、スタート地点に移動が始まりました。昨日あいさつした森氏はこのコースの一番先頭のゼッケンで、先頭列にいました。おじさんはその25番目なもんだから、ちゃっかり森氏の後ろに並び、心の中で「後ろにくっつかせていただきます。風よけによろしくお願いします。」と言っていました。写真はおじさんの後ろに集まってくる人たちです。
9:00、大会長のピストルの合図でスタートです。いよいよ始まるぞ、ライディング。
しばらくは森氏が先頭で進みます。風は、斜め向かい風、ときには正面からの北西の風です。7KM くらい行ったところから、本気モードの人たちがどんどんおじさんたちを追い越して行きます。
おじさん、他力本願の風よけ利用では失礼なので、たまに前に出させてもらいましたが、達人は違います。常に自分のペースでペダルを踏んでいます。たそがれているおじさんでもレース感覚がちょこっと頭の隅にあるのでしょう、後方から追い越してきた数人グループに乗り換えてしまいました。「森さん、失礼します」と。
若い人(と思うのですけど)は、くっつきぱなしでも文句は言いません。まぁ、こんな時は、後方は出て行くのが礼儀なんだと思うのですが、2か月も外で乗っていなく、ましてやこの風では、全く自信がありません。「皆さん、ごめんなさい」と、ざんげのライディングです。
でも、みんな速いので、次から次へとおじさんをちぎって行きます。おじさん、そのたびに次から次へと乗り換えて、少しでも省エネルギー化を図っているという状態です。強風を楽しんでいるおじさん心です。雨はまだ降ったり止んだりです。
スタートから22.5KM で、エードステーションの名護市民会館に着きました。上下レインウェアーなもんだから、結構汗もかいて、水分補給には気を使います。よって、ここでも水分補給です。沖縄に来たのだからと、シークヮーサーのジュースをいただきました。酸味があり喉にスーッと入って行きます。
外に出て、スタッフの方にお願いし、勇姿を1枚とってもらいました。ここは10年前、仕事の関係で来たことがある思い出の施設でもあります。
名護を出発したころから、雨の降る間隔も長くなり、道路状態もウェットから解放されました。次のエードステーションの古宇利島を目指します。途中、キャノンデ―ルの社の人と声を交わしました。その人「出ろ!といわれて辛いっすよ」といいながら、やっぱり若さで乗りきっていました。こんな風だもんですから、ゆっくり会話を交わすこともままなりません。
やがて、昨日も来た古宇利大橋です。ここの風は半端でありません。おじさんは酔っ払い運転さながらです。橋の頂上に向かって走る斜め方向からの風なもんですから。スタートから風景は1枚も撮っていなかったこともあったので、橋の頂上でバイクから降りて橋から眺める左右の風景を2枚撮りました。右側には、折り返していく人が追い風に乗って気持ちよく進んでいる姿もありました。
こんな強風でも、サンゴの海と南国の雲は絵になります。どうやら、雨雲は少し遠のいたようです。
古宇利島までは48KM と記載されていました。100KMの半分近く走ったことになっていますが、向かい風基調を考えると70KM くらい走ったようなものだと思っていました。ここでレインウェアーを脱ぎました。少しゆったりと休憩をとり、汗が引き切らないうちに出発しました。
本当に帰りは天国です。追い風がほとんどで、時々斜め向かい風なもんですから。と思っていたのが勘違い。今帰仁村(なきじんそん)に入って、湧川を左折してからが、おじさんにとっての本当の地獄が待っていました。ここから中山というところまでのおよそ5KMが上り基調だったのです。時々下りもありますが気休め程度です。太ももの外側の大腿筋が悲鳴を上げています。帰ってから、「ルート ラボ」で調べたら、40Mくらいの短さとはいえ、23.5%という激坂が2か所あったことが分かりました。美瑛の時もつらかったといいましたが、ここの登りもつらかったです。この中山をすぎると、本物の天国でした。
12:30頃、昼食会場のオキナワフルーツランドに着き、さっそくバイキング昼食となりました。豚骨のついたコラーゲンたっぷりのバラ肉の煮物がおいしかったです。
ここで出会った方には、印象深いものがありました。席が向かい合っていたので声を交わすことになったのですが、横浜から参加したとおっしゃるSさんご夫妻です。聞けば、今回が2回目のサイクルイベントとか。これまでマウンテンバイクには乗っていたそうなのですが、ロードバイクに興味を持って購入したところ、はまってしまったとのこと。で、おじさんいいました「1回目はどこのイベントに参加したのですか」と。ご夫妻いいました「美瑛のセンチュリーライドです。初めてで、しかも上り下りばかりで大変でした」と。おじさんも美瑛を走っていたもんですから、全くの他人がただの他人ではなくなってしまいました。来年、また美瑛で会いましょうと別れました。沖縄に来てこんな方に出会うとは。これも縁ですね。
ここでは少し休みすぎたのでしょうか、体がけだるい状態になって出発です。でも、追い風と下りもあるもんだから、ペダルはグーンと軽かったです。交通量の多い国道に入ったので、追い越すこともしません。前の人のスピードに合わせゴールしました。ゴールでは、おじさんが走っている間、近辺の観光施設巡りをしていた奥さんも一足早く戻ってきて、笑顔で迎えてくれました。ホッとしました。ゴールして食べたトン汁は、大会を運営した皆さんの心が伝わりました。そういえば、美瑛の時もそんなような気持ちになっていたっけ。
天候に翻弄されながら終えた美ら島オキナワCentury Run。終えたらすべてがよしという感がありました。気分爽快です。
で、出会いはまだありました。ホテルに戻って移動の準備をしていたら、同じフロアで自転車をばらしている方と声を交わしました。この方はセンチュリー(160KM )に参加した東京のTさんとおっしゃる方です。札幌勤務が1年半ほどあり、その間も自転車イベントを楽しんでいたそうな。当初4年くらいいると思っていて、その間に十勝センチュリーも参加しようと思っていたとのこと。おじさんその十勝にいて、十勝センチュリーはここ数年の常連なもんですから(といっても、ハーフです)、是非時間をつくって十勝にも来てくださいと声をかけてきました。これもまた縁ですね。
輪行袋に詰め込んだ自転車と関係荷物は、サイクルヤマト便で送り、那覇のホテルに向かいました。ここでは、完走と安着祝いをしました。アルコールに弱いおじさんですが、海鮮サラダを友に地ビール「オリオン」で乾杯です。おいしかったです。
折角来たのだからと、夜の国際通りを少し眺め、アーケードのある土産物店で小物のお土産を買いこみ、本番の一日が終了。
体も悲鳴を上げているはずなのですが、とってもいい気分。自分の都合に合わせてくれていますね。