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芥川賞、書評の彩

2012年03月07日 | 日記

平成23年度下半期の芥川賞作家が決まりました。

文芸春秋三月号に受賞作家の田中慎弥氏「共喰い」、円城 塔氏「道化師の蝶」の作品が掲載されていたので購入しました。

芥川賞は、新人作家の登竜門的な要素があると聞いたような....。

単行本になったら高くなるので、文芸春秋は、お手頃の値段で2人分が読めます。

読書苦手なおじさんが読んだ感想といえば...。

おじさん自身の文芸的程度の低さと、小説(読み物)というものの自由度の広さかな。

特に、円城氏の「道化師の蝶」に至っては、言葉は躍る、されど理解(読解)難関につきました。

読み終わってから、選考委員の選評があったので読んでみました。

選考するという作業は大変なようです。

選考委員自身の自己葛藤もあるように感じました。

一方は叙事詩的で、一方は抒情性という表現で評している人もいました。

新たな挑戦という視点で推薦した委員もいます。

書評の端だけとると「生理的に受けつけることができなかった」という表現をしている人もいました。

石原慎太郎氏の書評の一部を引用させていただくと、

「どんなつもりでか、再度の投票でも過半に至らなかった『道化師の蝶』なる作品は、最後は半ば強引に当選作とされた観が否めないが、こうした言葉の綾とりみたいなできの悪いゲームに付き合わされる読者は気の毒というよりない。こんな一人よがりの作品がどれほどの読者に小説なる読みものとしてまかり通るかははなはだ疑わしい」

 

二人の作品を読む以上に、選考委員の書評の方がよくわかったとは......。

 

おじさんは思った。

書き手は、書き手のポリシー。

読み手(読者)は、読み手の好みでいいのだ。

読み物、苦手意識からの脱却目指して、次の芥川賞も読んでみよう。