しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

神輿

2022年10月07日 | 笠岡市の祭り

まだ若かった時、ある村では「神輿を(担ぐのでなく)台車に乗せて引く」ということで、驚いたり、話題になったりしていたが、

今では、お祭りの日に神輿が出ないのがあたりまえのようになった。

 

真四角で社の形を”神輿”と呼び、ふとんの”千歳楽”などを除くと、意外に笠岡市内にある「神輿」は数少ない。

 

・・・・・

「御輿大全」  宮本卯之助 新光社 2011年発行

 

唐破風屋根(延べ屋根)  白木造り(漆塗り)  総彫り  (二重台)御輿

(尾坂・艮神社の神輿)

 

 

 

(笠岡・白雲大社の神輿)

 

屋根を見上げてみる。
唐破風屋根の湾曲部分や桝組みの一つひとつに至るまで、すべて彫刻で埋め尽くされている。

屋根部分の装飾。
蕨手には龍がまきつき、さらに鳳凰型の小鳥が羽を広げている。
いずれも繊細な彫金が施される。

軒下から一番下の台輪に至るまでの彫刻。
彫金は格の高さを演出。
龍が巻き付いた鳥居は1本の木から丸ごと彫り上げる。

 

・・・・

 

(神島外浦・神島神社の神輿)

 

御輿は、神の乗り物である。
普段は鎮守の森に鎮座するが、祭のその時だけ、神輿にお乗りになり、
町の隅ずみを巡り、人々の近くまで降りてくる。
豪華に、美しく、細部に至るまで心を込めて作られた神の乗り物は、その姿だけで、担ぐ人、見る人の心を動さずにはおかない。
工芸美術の極みにまで達しており、世界に誇れる技術品と言っても過言ではない。

 


・・・

(西大島・一宮の神輿)

 

御輿を飾る意匠

屋根、堂、台輪の3つに分かれる
神様が本来祀られている神社を模して作られるのが御輿である。
精巧な神社の再現であるばかりでなく、豪華な装飾も施される。

唐破風屋根・延屋根
曲線が重厚感と華やかさを感じさせる唐破風屋根。
直線的で屋根紋が映える延屋根。

屋根の骨格部分はケヤキなどで作られる。
それを仕上げるのは木地師の役割だ。
通常は漆塗りで仕上げられる。
漆の色には黒や朱、茶色などいくつかの色があり、さらには漆の上に金粉をまく梨地仕上げなどがある。
屋根には鳳凰、
屋根の四面には屋根紋、
屋根の四隅の蕨手には龍などの鋳物と、その上に乗る小鳥など。

桝組み
屋根の重みを均等に分散して支える桝組みは、機能と美しさを同時に叶える職人技の極致。
金箔押しや木彫刻も施す。


神社さながらに、本殿を構成する各要素がぎっしり詰め込まれている。
堂をぐるりと囲んでいるのは囲垣(いがき)である。
俗性と神域を区切るもの。
鳥居では、龍が巻きついているのがある。
龍は鳥居から先の神域を守っているとされる。
唐戸は、必ず正面につく。

飾り紐
魔除けの鈴が結ばれ、先端に大きな房が付いた飾り紐。
漆塗りには紫糸
白木御輿には金茶系が基本。

 

台輪(だいわ)
激しい衝撃にも耐える伝統の組み木製法を駆使して作られ、堂と屋根を受けとめる。
堅牢な基礎が御輿の躍動感を後押しする。

・・・・

(六島・嶋神社の神輿)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「瀬戸芸2022」

2022年10月07日 | 令和元年~

3年に一度の「瀬戸内国際芸術祭2022」が、香川県・岡山県で開催されている。
4月に次いで、今回2回目の鑑賞に行ってきた。

 

・・・

玉野へ行く。

 

 

9月25日・岡山県玉野市(宇野港)
un14
S.F. (Seaside Friction)
金氏徹平

 

 


・・・

小豆島へ行く。

 

9月26日・香川県小豆島(土庄港)


sd01
太陽の贈り物
チェ・ジョンファ(崔正化)

 

 


sd02
対極の美ー無限に続く円ー
コシノジュンコ


sd03
再び ・・・
キム・キョンミン

 


9月26日・香川県小豆島(寒霞渓)

sd54
空の玉
青木野枝

 

・・・

 

屋島に行く。

 


(対象外)

9月26日・香川県高松市屋島(獅子の霊巌)
「やしまーる」

やしまーるは「瀬戸芸2022」に合わせて完成した展望台。
屋島観光のシンボルになるのを目的とした拠点施設。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする