鉢伏山の猪(イノシシ)に・・・
今日(21日)は Expo90みのお森 まで車できました。
鉢伏山~箕面最高峰の明ケ田尾山、高山方面へ向う予定です・・・
10時に森の駐車場(無料)に着いたものの、広い所に車は私の一台
だけです・・・ それよりも私の愉しみの一つが始まります・・・
箕面FMラジオ(タッキー816局)の 「ブルーグラス タイム」 が始ま
るのです・・・
今朝も、6時から110分のノンストップ番組でブルーグラス音楽を
楽しんできたのに、また聞きたくなるのですからこの音楽は不思議で
す。
静かな森の中で、カーラジオから流れる軽快なバンジョーに足を踏み
鳴らしながら、存分に楽しむ事が出来ました。
私の生まれと同じ、1945年にアメリカで誕生したブルーグラス音に、
私が最初に出会ったのが18歳の時、中之島中央公会堂で開かれた
入学記念イベントで学生バンドが演奏していて感激した時でした・・・
あれは何の音楽なのか? 最近まで分からなかったのです・・・
それがまさかこの自分の住む箕面のFM局から、毎日流れているとは
思いもよりませんでした・・・
日本広しと言えども、ブルーグラスが毎日流れている所は箕面しか
ないでしょうね!
11時に番組が終わり、車外に出てみると・・・ 寒い! 冷たい!
空は快晴で、白い雲が強い風に乗って早くに移動していきます・・・
太陽がその雲にかかると急に寒くなり、再び顔をだすとホッとするぐら
いに暖かくなります・・・
リュックを背にやっと出発です。
西側のハイキング道を歩くと、今日は私が最初の足跡のようで、残雪
の上には小動物の足跡以外に靴跡はありません・・・
時折木枯らしが吹きすさび、強い北風が通り抜けます・・・
冷たい・・・!
しかし、私はこの凛とした森の寒い緊張感が好きなので、我ながら
物好きな者です。
そんな冬の森の山道沿いに、古い杉の朽ちた株の中で、少し穴のあい
たような所に、まるで守られているような格好で10cm位に成長した
スギの新しい小さな芽が育っていました・・・
こういう光景を見ると私はいつも感激してしまいます・・・
朽ちた親株に守られて・・・ この寒い森の中で、命を繋いでいって
いる自然界の姿に感動を覚えます。
鉢伏山(604m)へ登る分岐点を南へ行けば長谷山(568.2m)、東へ
下れば四反田谷です。
私は北へ向います・・・ 枯れた笹薮道を上って行くと穏やかな
尾根道です・・・
落葉して枝ばかりのコナラ、ヤマザクラ、リョウブ、ケヤキ・・・ などの
落葉樹木が多く林立し、その樹間からは夏場には見えない景色を見る
ことが出来ます・・・
東方では万博の太陽の塔が肉眼でも見つけることができ、西方では
眼下に箕面の新しい街、広大な箕面森町(しんまち)が見えます・・・
造成され、分譲も進んでいるようですがまだ新家屋が少なく、少し寂し
い様子が垣間見えます。
山道沿いのモチツツジの枝を手にとって見ると、固いながらも早や
小さな蕾をつけています・・・
こんなに寒い中で健気にもじっと春を待っている感じです。
ゆっくりと登って行くと・・・
突然前方から数人の女性の甲高い声がしました・・・
今日はここまで一人も会わなかったので、まさか前に人がいるとは
思いもよりませんでした・・・
どこから上って来られたのかな?
双眼鏡で覗いてみると10数人の団体のようで、なにやら自然観察を
しながらの様子です。
私がドンカメの浸り歩きでゆっくりと更に遅くに進んでいくと、間もなく
山頂に到着です。
先程のみなさんは、すでにお弁当を広げておられました・・・
中高年の男女14-15人の方々です。
私はそれぞれの方と挨拶を交わした後、早々に山頂から裏道を下り
梅ケ谷へ向いました・・・
そこから再び登り、明ケ田尾山へ向うのですが・・・
その時、後からまた別の団体さんが来られました・・・
今度も同じような方々で10数人です・・・
私は山や森を歩く時はいつも一人です・・・ 気をつかわず、心の
おもむくままに、ゆっくり自由に、思いのままに過ごしたい・・・
(要するにワガママだけの事なんですが・・・ 笑)
それだけに人が多くいる所では、自然と心も、足も、人を避けて別の
道へ自動的に向いてしまいます。
そんなわけで、今日も予定をしばし変更です・・・
何処へ? 足の向くまま! (笑)
いつの間にか初めての獣道を、止々呂美(とどろみ)の方へ下っていま
した・・・
しばし下ると・・・ 小さな古びた木札が木の幹に掛かっていまた。
読めない?
なに なに・・・? 「・・・ この先は急崖あり危険! 要注意して・・・」
私はこれ以上に下る事は止めて、台地で木漏れ日の差し込むケヤキ
の幹の下にビニールシートを敷き、リュックを下ろし、足を伸ばしまし
た・・・
冷えた体の中に温かいコーヒーが流れていくと生き返る感じです・・・
おにぎりを食べた後で仰向けになって寝転び・・・ 目を閉じていると、
一人静かな森の中で自然と一体になって「無我の境地」に浸り
(大げさですが!)・・・
至福の一時です。
そう言えば、こんな調子で眠ってしまい、えらい目にあったことがあり
ました・・・
もう何年も前の初秋の事・・・ この近くの森の中で眠ってしまい、
目がさめたら夕暮れが迫っていて、あわてて歩き出したものの
ボーっとしてたのか、逆に歩いてしまいました。
道に迷い・・・ パニックになっていた時に、一匹の猿の道案内で?
脱出した事がありました・・・
(詳しくは、以前にこのブログでも書きましたが、まるで小説の世界を
体験しました)
今日は寒くてそれどころではありませんが、木漏れ日は暖かく気持ち
のいい事・・・ ウト ウト ウト・・・
その時に小鳥がさえずりながら上を飛び交いました・・・
目を開けて何気なく横を向くとなにやら動物の足跡らしきものが見え
ます・・・
立ち上がってよく見てみると、イノシシの足跡のようです・・・
しかも周りを見ると沢山あります・・・
この近くにイノシシのネグラでもあるのかな?
いつぞや、この先の長谷山で寝ているシカ群の上を、知らないで歩い
ていたら、私の足音に驚いたシカたちが ド ド ド ド・・・ と、土煙を
上げて谷に向って走り下りていった事があり、私の方が腰を抜かした
事がありましたが・・・
イノシシも昼間はどこかで寝ているはずですからね・・・ そう思うと急
に恐くなり、ノンビリ、ゆっくりと森浸りを楽しんでいたそれまでの気分
は吹っ飛んでしまい、あわてて荷物を片付け、元の山道に戻るべく
斜面を駆け上がりました。 (笑)
と言うのも昨日、宮崎の方で農家のおじさんが、山でイノシシのキバで
腰を刺されて亡くなっているのを発見されたと言うTVニュースを見た
ところだったので余計です・・・
クワバラ クワバラ・・・!
「触らぬ神にタタリなし・・・」 ですからね・・・
いくら慣れた箕面の森とはいえ、細い獣道など行くものではありませ
ん。
すっかり 「無我の境地」 など、偉そうな心境は何処へやら・・・
全く修行が足りません・・・!
自分の頭をコツン! としたら、強すぎて 痛かった・・・ (笑)
09-2-21 (完)