箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

森に咲くササユリの花!

2020-08-26 | *編集・夏/6月

森に咲くササユリの花!

 今日は箕面・外院(げいん)の山里から出発です。

 

 

外院の山里は田植えも終わり、水田にはまだ植えられたばかりの

幼稲が、初夏の風に吹かれて気持ち良く揺れています。

所々に咲く紫色の花菖蒲が、季節感をもたらせてくれます。

 

勝尾寺に向かう旧参道の山道を上っていくと、夏鳥たちがさかんに

さえずっています・・・

そこへ サ~ と吹く涼しい風が爽やかで、蒸し暑い、汗ばんだ私の

体に心地よいリズムを与えてくれます。

鳥たちと風、樹木と小枝や葉っぱたちも一緒になっての森のコラボ

レーションは、私を一瞬のうちに森の世界へといざなってくれます。

 

最初の丸太のベンチで一休みをしながら、 ボー っと そんな森の

世界に浸っている時でした・・・  急に後から大きな声で・・・

      *  こんちゃ!  ええ季節でんな!

・  あっ!  ビックリしました・・・ こんにちわ!  本当ですね・・・

   気持ちいいですわ・・・

見ると私と同年輩位のオジさんが一人で、水筒ひとつとタオルだけを

もった軽装の方です。

      *  これからどっちへ行きはるんでっか?

・  私ですか?  そうですね・・・  ここからこの山を越えて、勝尾寺

   の手前からもう一つ山越えして、地獄谷から箕面の駅前までの

   予定ですが、足の向くまま、気の向くままですから・・・

      *  ごっつ歩きはんねんな!  いつもそんな歩いてはり

         まんのか?

         ワシはこの下の粟生(あお)に住んでましてな・・・

         ほんで、毎日この道(旧参道)と、この先で交わってる道

         (古参道)を周って帰ってきまんねん・・・

         ほんま気持ちよろしわ!  

                 それ以外の道て、知りまへんねんけどな・・・   

・  そうですか・・・  でも毎日とは、お元気ですね・・・

 

するとオジさんは、ポケットからケイタイを取り出しながら・・・

      *  さっきこんな花みつけましてん! きれいでっしゃろ・・・

         ユリでんな・・・  ほら!

私はその花の写真を見せていただいた瞬間・・・  ササユリだ! と、

叫んでしまいました。

早速その見つけた場所を詳しく教えて頂いたものの・・・

あっちのな~  こっちのな~ との身ぶり手振りの説明でもよく分から

ない ? 

しかし、何度も歩き慣れた山道なので、私は大体の見当はつきました。

・  ありがとうございます!  

   実は箕面の山の中でこの花を毎年探していたんですが、探しきれ

   なかったんです・・・

   それが、今見せてもらってもうビックリです。

   早速行ってみます・・・

 

私は半ば興奮しながら、細い古参道を登りました・・・

(詳しい道順は、花の保護上公開できませんが、ご了承ください!)

 

ご存知のように、ササユリ(笹百合)は箕面市の 「市花」 ですね。

しかし、私は園芸店や山野花草展などで育成されているササユリは

見たことがあっても、箕面の山や森の中で咲く野生のササユリを

未だに見たことが無かったのです。

 

かつては箕面の山々には沢山咲いていて・・・  

特に鉢伏山近辺には沢山咲いていた・・・ と、古老に聞いたことが

あります。

しかし、野草マニアや一部の心無いハイカー、また専門の業者までが

根こそぎ採盗し、いつしか絶滅状態となり、幻の花に近くなってきて

いる・・・ とか。

私が毎年探していても見つからないはずです・・・

人間の自己本位的な欲望は、今いたるところで垣間見る事ですが、

寂しい限りですね。

 

私はいつもの浸り歩きと違い、目を キョロ キョロ とし、回りを見渡し

ながら尾根筋に出てきたときでした・・・ この辺かな?

聞いていた付近を念入りに探していると・・・

 

  あった!

  見つけた・・・!

 

それは森の尾根に、場違いの様相で立っていました・・・

  これが野生のササユリか・・・!   

感動の対面です。

茎の高さは1メートル位でスラッとし、二輪の花が咲いています・・・

まさに花開いた最高の見頃です。

背景の杉林には欝蒼とした暗さがあり、その為に淡桃色した明るく

優美な花びらがひときは目立ち、浮きだって見えているのです。

この花は少し横向き加減が特長とか・・・ 

確かに、その仕草には可憐で愛らしさがあり、第一に上品です。

その葉っぱはまさにササの葉に似ていて、名前の由来がよく分かり

ます。

 

鉢に入って人の手でよく管理、育成された花と違い、雑木林の中の

雑多とした群雄割拠の植物群の中にあって、背が高く、凛とし、

ひときは光彩を放っている姿は 「野獣の森の美女」 といった感じが

します。

 

箕面の森に咲く 野生のササユリの花・・・!

その美しさに恋し、感動し、その不思議な一期一会に感激した

一日でした・・・

 しばらくは私の脳裏から、この美女は離れる気配はありません・・・

’13 6・17
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