最高の気分!
今日も豊かに流れる箕面川渓流を楽しみながらの、森の散策です。
私はいつから? なぜ? 渓流が好きになったのかな?
先日、家に帰り書斎でボーとしている時、ふっと気づきましたよ。
幼児期に過ごした信州・安曇野・・・
果樹に囲まれた藁葺きの家だった・・・
前に大きな農業用の川が流れていた。
しかし、その源流は日本アルプス連山からの流れを集めた高瀬川、
犀川、梓川だ。
蒸気機関車D-51を目当てに、旧国鉄 篠ノ井線の田沢駅まで歩くと、
その前には大河があり大きな岩の間を、いつもゴーゴーと流れる
犀川の激流があった。
箕面川と比べようもないけれど、幼児期の源風景は生涯忘れられない
もののようです・・・ (笑)
先ず、あの夏目漱石が、その作品「彼岸過迄」(新潮社)の中で
自伝的に書いている 旧朝日倶楽部跡 を見てみよう・・・ と、
瀧安寺、みのお弁財天裏へ上がってみました・・・
丁度、行者堂の上方になります。
しばしの間、その跡にたたずんでいました・・・
「 若葉して 手のひらほどの 山の寺 」 (夏目漱石)
セミの大合唱にもかかわらず、静寂に感じる森の山寺を、その句と
共に味わう・・・ 贅沢な時間の流れです。
大滝への脇道、山裾道を通ると、一般の方々が歩かれる舗装された
滝道との違いを感じます・・・
それは岩場もある土道は勿論ですが、出会う人ほとんどの人と
挨拶を交わすことです。
こんにちわ!
こんにちわ・・・!
と、お互いに自然にかわす言葉が最初は不思議でした。
同じ大滝方面を目指し、上と下の違う道を歩くだけで、人はこんなにも
自然に、素直に、優しくにもなれるものなのか?
この少しの環境の変化、違いによる人の心の変化を、どなたか
研究されてませんでしょうか? (笑)
雨が多く、しかも最近は異常と思える突然の大雨で、ビックリさせられ
ます。
8月に入ったというのに箕面の梅雨はまだ空けず、後一週間もすれば
暦の上では立秋なのに・・・
不気味でおかしな気候ですね。
そのお陰? で、私は沢山の夏キノコを見かけたし、激しい箕面渓流も
楽しめますが・・・ (笑)
私はこの冬以来のこと・・・
久しぶりに、滝道の茶店に寄って見ました。
いつものオバサンが元気よく迎えてくれます。
* やあ! いらっしゃい! 今日はなにしましょ!
・ こんちわ! そうだね・・・ このおでんのこれとこれとあれ・・・
そしてビール中ビン一本!
窓の下には ゴー ゴー と流れる箕面川・・・
セグロセキレイがお尻をヒョコヒョコさせながら岩と岩間を飛んでいる。
見上げると森の中では新緑、真緑でいっぱい!
コップに注いでもらった冷たいビールを一杯 グイ グイ と飲む!
美味い!
何ともいえないこの幸せ感!
温かいおでんがくる・・・ これも美味い!
古びた茶店には三人の先客がいて、みなさん私と同年輩の様子・・・
オバサン相手におしゃべりしては高笑いしていて屈託がない・・・
この雰囲気はもう最高にいいな・・・ (笑)
* こんにちわ!
見ると、店の外から英国紳士? がオバサンに挨拶している・・・
私も時々出会うと会釈をするのだが、ちゃんと帽子をとって挨拶して
くれる律義が方だ。
いつも3匹の犬を連れ、正装し、背筋を伸ばし、英語で何事か
つぶやきながら颯爽と歩いておられるだが・・・
店のオジサンたちがしゃべり始める・・・
* この夏の暑い日もちゃんと背広着て、帽子かぶって
犬の散歩やなんて! 大変だんな!
* 毎日歩いてはるんやで・・・ 真冬でも、年中やで!
* どっかの偉いさんらしいでんな?
* しかし、あの高級そうな背広・・・
背中まで汗ビッショリで染みてるわ!
毎日のクリーニング代かて大変でっせ! (笑)
その内に次の話題に移る・・・
* ウチの息子な、もう40でんね!
誰かええ娘、おりまへんか?
人はジジババ抜きの家持ちがええ言うんでな・・・
そんで別に家を建ててやりましてな・・・
そやのにな・・・ だれも嫁に来てくれまへんのや・・・
何でかな?
* そりゃもったいない話しやな!
ウチの娘・・・ 別れさせてそっちでもろてくれるか?
* アホいいな!
お前さんと親戚なんかなれますかいな・・・
ハ ハ ハ ハ ハ (笑)
私ももらい笑いをしてしまった・・・
ふっと長男を思い出す・・・ 同じ年だったな!
19歳でアメリカに留学し、そのまま居着いてしまった。
幸い家庭を持ち、子供にも恵まれ、永住権を得て活躍中だが・・・
今頃どうしているかな? と思いを巡らせる。
・ ごちそうさま!
* ありがとさんです! また寄ってください。
オバサンの笑顔に見送られて茶店をでる。
外ではセミとウグイスとカジカガエルが一緒に合唱している・・・?
すこし可笑しな不協和音? (笑)
私は日頃 酒を飲まないので中ビン一本でもうフラフラのいい気分!
風呂ケ谷、地獄谷への山道沿いを上がる・・・
登りきった途中で立ち止まり、下方の谷間を眺めると・・・
岩に激しくぶつかり、白い波しぶきをあげている箕面渓流が見える。
しばらくの間、その光景を眺めていた・・・
谷底までは20Mぐらいあるだろうか? いい眺めだ!
木漏れ日が谷間を照らし、照葉樹林が一斉にキラキラと輝き、
川面もきらめいている・・・ なんという素晴らしい光景!
美しい!
まさに 天国だ!
深呼吸をして新鮮な森の空気を胸一杯取り込み、酔気をはきだす・・・
フラ フラ ~ と足元がふらつき、岩につまづく・・・
オッ トット! 危ない!
このまま谷間に吸い込まれたら、本当に天国へ行きそうだ・・・(笑)
しばし大きなモミジの木の根元に腰を下ろし、森浸りを楽しむ事にした。
それにしてもなんと言う、幸せ気分!
最高にいい気分なのだ! (笑)
09-8-1 (完)