箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

秋雨の森で・・・

2020-08-26 | *編集・秋/10月

秋雨の森で・・

 今日(26日)は朝から小雨模様です・・・

しかし、東海自然歩道に入り、尾根道を歩く頃には本降りになって

きました・・・

しっとりと濡れた、秋雨の森もいいものです・・・

 

まだ薄紅葉のもみじの葉先から、ポタリ! ポタリ! とゆっくり落ちる

雨の雫(しずく)は、絵になる秋雨の森の情景です。

 

大きな葉っぱが何枚も落ちてきました・・・ 

見上げるとホオノキから、雨に打たれて早まったのかな? 

枯れた葉がパラ パラ~ と落ち、根元にはその薄白い裏葉が一面に

広がり、暗い森の中をひときわ明るくしているように見えます・・・

またそこへ、大粒の雨があたると、バリ バリ バリ・・・ と、まるで

小太鼓が鳴り響いているように聞えます。

 

歩いている山道の前の方で、 また前で・・・ 踊る葉っぱ連?

(あの、踊るアホウに、見るアホウ・・・の、阿波踊りを連想しました)

雨にあたったヤマザクラなどの枯れ葉が、あっちへ、こっちへ、と

ひっくり返り、森の中で踊っているように見えるのです・・・ (笑)

 

ススキの穂にたっぷりの雨が留まると、急にポタリ! と、穂先から

貯まった雨水が下に落ちます・・・ すると、

それまで深々とお辞儀をしていた穂が、急に反り返るように

跳ね返り・・・

ちょっと重かったな! という感じに見えるのです・・・ (笑)

 

雨の森を散策していると、いつもの森の風情がまた、全く変った風情に

見えてくるのも、なんだか面白いものですね。

樹木も 花木も 草々も 昆虫も 動物も・・・ 森で生きるもの全てに

とって、恵みの雨を、ありがたく享受して、静かな歓喜の中に

たたずんでいるように感じられます・・・

 

今日は日曜日なのに、雨の森を楽しむハイカーの皆さんは少ないよう

です。

やがて、開成皇子の墓(鎌倉時代~)のある最勝ケ峰(538.5m)に

着くと、この周辺には赤みがかった岩が多くあり、それが雨に濡れて、

その赤みが益々威光を放っているように見えます・・・

なんでも何億年前、ここは海底であったとか・・・

郷土資料館には詳細な資料があるので、調べてみたいものの・・・

今の私は、森の散策を楽しむことで満足なので、手が回りません(笑)

 

 

清水谷林道で一人の年配の男性にお会いしました・・・

手にはビニール袋を下げています・・・

・ こんにちわ!

   *  こんちわ! よう降りますな・・・ 

      ホレ! これ、キノコですわ・・・

(そう言いながらビニールの中味を見せてくれました・・・)

・ また、沢山のキノコですね・・・

(私の知っているもの、知らないもの、何種類ものいろいろなキノコが

袋に入っています・・・)

・ これ、みんな食べられるキノコなんですか?

   *  たぶんね?

・ 多分ですか?

   *  まあ、たいがい大丈夫ですわ・・・ しかし、念のため帰って

       からチェックしまんねん!

 

   *  これ! 食べられへんけど・・・ おもろいでっしゃろ・・・? 

・ 何です?  それは・・・?

(急に下のほうから取り出してきたのは、ドングリ位の大きさの

真ん丸いもので、おおよそキノコとは思えませんが・・・)

   *  クチベニタケいいまんねん!  ホラ! みとくなはれ・・・

      こうして・・・ ここを指で押さえると・・・ この赤いとこ、

      見ときなはれや・・・ これ これ・・・ これですわ!

・ わー 口紅つけた女の人が、笑ってる顔ですね・・・

   *  押さえてるのを弱めると、ホラ! 怒ってるみたい

       でっしゃろ!

       顔が変りまっしゃろ! 小さかったり、大きかったり、

       女の口紅やからね・・・ そやから、クチベニタケ(口紅茸)

       いいまんねん! 

       今日の土産ですわ・・・ ハハハハハ・・・

 

そう言いながら、勝尾寺の裏山へ向かって上っていかれました・・・

しかし、あんなおかしなキノコを見たのは初めてです・・・

 

3日前に、マツタケと間違えて毒キノコを山から採ってきて食べた

ご夫婦が、食中毒で大変だった事が、新聞に出ていましたが・・・

先程のおじさんは・・・

   *  しかし、マツタケと間違うなんてありえへんがな・・・? 

      よっぽどのド素人ですな・・・ 

と 言っておられましたが・・・

 

キノコだけは生死がかかっているだけに、私は自分で採って食べる

自信は全くありません・・・(笑)

この原稿を書いている今も、お昼のニュースで・・・

新潟の旅館で、シイタケに似た毒キノコのツキヨタケを、キノコ汁にして

出された客が、食中毒で入院したとか・・・ 

旅館のプロでも間違うんですからね・・・ 恐!

 

でも、私の小さい子供の頃は、田舎の寺の境内で遊んだ後に、

みんなとマツタケ、シメジ、マイタケ、エノキタケ、野生のシイタケ、

ナメコなどなど、いつのまにか、食べられるキノコを知っていました

ね・・・ 

そんな採って来たキノコは、祖母が料理しておかずになりました・・・

野草などもそうで、小川のドゼウやフナなどの魚も同じで、どこの家も

野山の恵みを頂いたものです・・・

あの頃の知識は、特別に教えられたわけでもなく、昔は、子供どうしや

古老、家の者達から自然に伝授され、それぞれ肌で覚えたもなので

しょうね・・・

 

それが、都会で半世紀以上も過ごすと、まったくその感覚はゼロに

なり、店に並んだキノコしか食べられなくなったのは、残念な事です。

 

 

シトシト雨が続きます・・・

少し霧のでた薄暗い森の谷間を一人歩いていると・・・ 

とても幻想的な雰囲気に包まれて・・・

まるで、スタジオ ジブリの世界に入り込んだ感覚です (笑)

 

そんな時・・・

ふっと、先程見せてもらったクチベニダケの、あの小さな真紅の

おちょぼ口の口元が・・・ 急に、血の滴る大きな口裂け女に思えて

きたりして・・・ (笑)

何だかそんな事を想像するだけで、自分が急ぎ足になっているのが

分かりました・・・

「 だって!   こわいんだもん・・・! 」 と、丁度、TVで叫んでいる

人の気持ちに同感です・・・  (笑)

 08-10-26 (完)

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