箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

箕面ビジターセンター前から秋を歩く!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

箕面ビジターセンター前から秋を歩く!

 キンモクセイの強い芳香が街中に漂う季節ですね!

今日は箕面ビジターセンター前からのスタートです。

 いつになくハイカーの方が多いと思って見ていたら、

「箕面の山パトロール隊」の腕章をつけた方々がいます。

今日は恒例の「自然を楽しみながらクリーンハイキング」の日

なのでしょうか?  ご苦労様です。

 

自然4号路を上り、かんたん橋を渡ると、もうすっかりと秋の

光景です。 山道を木漏れ日が照らし迎えてくれます。

   コン コン コン! 

耳を澄ますと森の大工さんのコゲラが木をつついています。

 

黄葉になったリョウブ、ホウノキ、ヤマザクラ、コナラ、

イタヤカエデ、カラスザンショウ、アカシデなど等が、

美しい秋の風景を見せてくれます。

ヤマガラ、エナガ、シジュウガラやメジロたちも賑やかに

さえずっています。

 

ハラ ハラ ハラと落葉があり、見上げると秋風が梢をゆらし、

樹幹を抜けてくる風は、汗をかいた肌に心地いい・・・

しかし、途中のベンチで一休みをしていると、その風も冷たく感じ、

腕の裾を下ろし、服の襟をたてるほどです。

でも、リュックから珈琲ポットを取り出し、温かい一杯の珈琲を

飲むと、もう私の至福のひと時です。

 

見上げると、森の樹間から青空が見え、真っ白い雲がゆったり

浮かんでいるのが見えます・・・いい気持ちです。

このいい季節に、この森の光景を独り占めするなんて!

本当に贅沢なことです。

 

薄暗い杉林の中を歩いていくと、上空が火事の炎のように赤く

なっています・・・ 何だろうか?

双眼鏡で覗いてみると、どうやら紅葉した蔦?のようです。

朱紅葉が、太陽に反射して美しく輝いているのです・・・

それにしても20数m以上の杉の木の天辺まで、よく伸びていった

ものです・・・驚きです。

しばし腰を弓なりに反りながら、その紅葉を楽しみました。

 

すると、そんな私を見ていたのか?

前から来た一人の女性ハイカーの方に、笑われてしまいました。

その方は両手にゴミ袋とカネバサミをもっていて、森を歩きながら

ゴミ拾いもされているようです。

私は思わず・・・ ご苦労様です! と。

 

勝尾寺の二階堂前のベンチで、秋の風情を楽しみながら昼食を

すますと、裏山から東海自然歩道まで登りました。

勝尾寺周辺には保護樹林が多くあり、ヒノキ、クスノキ、モミ、

カヤ、アカガシなどの大木があり、私はそんな巨木の霊気から

精気を貰うのです。

 

東海自然歩道の合流地点に出ると・・・

一人の青年に道を尋ねられました。

地図本を片手に首を傾げながら・・・

 

      *  スイマセンが・・・この道はどこへ?

 ・  この道は最終、東京の高尾山までつづいていますが、

   この先は北摂霊園から茨木の泉原へ・・・

   ところでどちらへ行かれる予定なのですか?

      *  予定はないんですが・・・

         たまたま今日始めて地図を見て箕面に来たんで!

 ・  箕面駅からここまでその地図で来られたのですか?

   すごいですね!

 

私はその感覚と健脚に感心してしまいました。

 

      *  しかし良いところですね・・・

         もうすっかり気にいってしまいました。

         そろそろ戻ろうかと思いますが、この道の右と

         左とどっちがいいでしょうか?

 ・  右(北)は自然8号路から清水谷へ・・・

    植物に興味があると面白いですよ。

    左(南)は勝尾寺から、この道と併行して自然四号路が

    あり、気持ちのいい散策路ですよ!

 

私は道を訪ねられた方にお渡ししている、自分のオリジナル

箕面の森の散策マップを示しながら説明をしました。

 

 ・  そうですね! 

    初めての箕面なら、この南のルートをお薦めします。

      *  ありがとうございます。

         それならこっちの方へ行ってみます。

         今度はゆっくりと計画を立てて来ます。

         ご親切にありがとうございました。

 

礼儀正しい、気持ちのいい青年は、いま私が上ってきた道を

下っていきました。

 

      *  本当にここはいい所です! 

 

と。青年の実感のこもった感激の言葉に、私も嬉しくなりました。

 

 

最勝ケ峰(535.5m)で一休みにした後、開成皇子の墓碑横を

通ると、紅葉したヤマザクラの木が一本だけ、燃えているように

紅く染まっていました。

私は岩山を下ると、分岐点から北の清水谷林道へ下りることに

しました。

 

それまでよく整備、手入れされた自然4号路などと違って、

この周辺はやはり放置された間伐材、倒木、枯れ枝葉が積み

重なり、斜面の山道を覆いふさいでいて道が分かりません。

やっとの思いで下にたどり着いたものの冷や汗ものでした。

谷川を渡ってやっとの思いで林道にでると、一本のスギの木が

倒れて道をふさいでいます・・・

どうやら倒木は直近の出来事の様子です。

 

 

しばらく歩くと目の前に動くものが?

顔を上げると、すぐ手前を大きな猿が一匹、ゆっくりとこっちを

見ながら横の森へ入っていくところでした・・・

突然で一瞬ビックリしたものの、今まで一匹猿のいろんな姿、

表情を森の中でいろいろと見てきただけに、同類相憐れむ?

の感がしてしまいます。

 

箕面名物のもみじの紅葉も、一部の葉が色づきかけている

ものの、まだまだこれからの様相です。

でも、野菊のヤマシロギク、リュウノギク、ノコンギクが咲いて

います・・・ヨシノアザミやアキノキリンソウ、それに私の好きな

アケボノソウも見ることができます。

 

 

季節の移り目と森の台風被害、そして箕面の森の小さな秋を

垣間見る一日でした。

 

あの青年は、今頃どのあたりを歩いているのだろうか?

心を満たす、いい思い出をつくって下さい。

'13  10/28

 

 

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