秋の東海自然歩道に浸る!
今日は箕面ビジターセンターの駐車場に車を停めて、久しぶりに
東海自然歩道を歩きました。
この 明治の森・箕面国定公園と同時に設けられた
明治の森・高尾国定公園・・・
(東京都 八王子市高尾山)とを結ぶ 東海自然歩道の山道は、
全長1697KMで、その箕面のスタート地点の石碑がここにあります。)
ここから石階段を上り、右側の山道を行くと、勝尾寺の裏にでると
自然4号路へ、左側の岩場を上り行くと東海自然歩道の始まりです。
高尾から全走破した幾多の人々が最後に下った岩場です。
「シェルパ斎藤の東海自然歩道全走破・213万歩の足跡」
(小学館文庫)や・・・
「歩いてよかった、ふれあった・夫婦で歩きとおした東海自然歩道の
16年」 (山と渓谷社)など・・・ その他にも何冊かありますね。
この道を全走破された方々の本を読むと、私もにわかに血が騒ぎます
が・・・
されどもう少し若ければ・・・と しぼむ夢でもありました。
最初の岩場を上りきった所から後ろを振り向くと、箕面の森ももう
すっかりと秋の風情となっていました。
山道に落ちているきれいに色づいた落ち葉を何気なく拾っていると、
いつの間にか手がいっぱいになってしまいました。
カエデ、ハゼノキ、ヤマウルシ、つた、ヌルデ、ドウダンツツジ、ニシキギ、
ハナミズキ、ヤマガキ、クヌギ、ヤマザクラ、エビズル・・・
実はきれいに色づいている葉っぱほど名前が分かりません・・・
沢山のススキの穂が風になびいているのを見るともう晩秋だな・・・
と、実感します。
私の靴が何かをふんづけたのか? ザク!
みると沢山のドングリがいっぱい落ちています。
今年は豊作かな・・・ 森の動物達は大喜びにちがいありません。
箕面の森には17種類のドングリの木があると聞きましたが・・・
コナラ、クヌギ、アベマキ、アラカシ、ウラジロガシ、シラカシ、スタジイ、
マテバシイ、ウバメガシ、ツブラジイ・・・ 後は分かりません・・・
アケビの実を食べ残した皮が落ちています・・・近くにアケビの木があるに
ちがいありません。
ホンドリスが食べ残した通称 エビフライも見受けられます。
それに実を食べた後の山栗の空イガ・・・
触ると痛くて持てませんが動物達はどうやって中身を取り出すのかな ?
いつも不思議でなりません。
丸太を切ったベンチがあったので一休みをしながら目を閉じて、耳を澄ま
すと・・・ いろんな鳥達のハーモニーが聞えてきます。
あれは?
シジュウガラかな、ヤマガラか、エナガ、メジロ、キセキレイ、アトリ・・・
私にはこつこつ木をたたいているコゲラと、ギャーギャーとうるさい
ヒヨドリ位しか判別できませんが・・・
それに鳥達と共に風の音や揺れる葉音のささやき・・・
いつも私はこんな 森のコンサートを聴いて楽しんでいます。
とても心が癒されて別世界に入ったように感じられる大好きな一時です。
目を開けた私に最初に飛び込んできた見事な紅葉・・・
あれはナナカマド・・・?
東北以北ではよく見かけますが・・・ 鮮やかな紅色の葉をつけた木が
ひときは目につきました。
そう言えば以前、箕面ナチュラリストクラブの方に聞いたことがあり
ました。
「本来ナナカマドは北の寒い所の木なのに、この箕面の山でも見ること
ができるのは・・・ 寒いシベリアから日本海を通る寒風がこの僅かな
箕面の谷を抜けて太平洋にでる通り道だから・・・ 」 との事でした。
それからしばらく歩くと、ヒノキ林のくねった山道沿いに、私は初めて見る
可憐で小さな野草の花を見つけました。
白い5片の花びらで草丈は20cm、花径は1.5cmぐらいです・・・
アケボノソウか?
ケイタイの写メールで撮って、帰りに箕面ビジターセンターの森の博物館
で調べましたが分かりませんでした・・・
係りの人に写真を見てもらいましたが・・・ センブリでは?
ちょっと違うようですが・・・
帰宅して図鑑を調べてみても分からない・・・?
花弁はイワイチョウにとてもよく似ていますが、まさか亜高山の湿地で
中部以北に分布するものと言う説明書きにはこれも違うようなの
ですが・・・?
趣味でもないのになぜそんなにこの野草の花に惹かれたのでしょうか?
今、思い出しても余りにひっそりと清楚に、しかも小さいのに凛とした
気品に満ちた立ち姿・・・
私はひとめぼれ・・・ 本当に惚れ込んでしまったようです・・・
森の中でこんな出会いがあるんですね・・・ 感激でした!
私は尾根道の 開成皇子の墓・・・
(なんでも鎌倉時代のものとか・・・ 宮内庁の文字も見えます)
そこから 最勝ケ峰(535.3m)の先の岩場でお昼にしました。
ここからは奈良の山並みや大阪が一望できます。
リュックサックからおにぎりを取り出すときに小さなスケッチブックが
入っているのに気付き、早速食後に遠景をスケッチしてみました。
こし冷たくなってきた穏やかな秋風を受けながら・・・
しかし、尾根でさえぎる物がない岩場ですが、太陽の暖かさと森の
コンサートに、私はついウトウトと心地よい眠りに入ってしまいました・・・
なんと幸せな至福の一時なのでしょうか・・・!
秋空に 紅いろ葉たち 舞い踊る
野の花に 心ときめく 立ちすがた
ウトウトと ここは天国 秋の森 (花詩)