日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

地球温暖化と東京五輪開催

2016年08月27日 09時23分29秒 | 日々雑感
 今年8月5日から21日までの17日間にブラジルのリオデジャネイロで開催された第31回夏季オリンピックが無事終了した。4年後は東京オリンピックだ。2020年 7月24日(金)午後8時、開会式の予定である。

 歳のせいでもあろうが、今年の夏は特に暑い。深夜になっても一向に涼しくならず、汗を拭いつつテレビで応援していた。今頃リオデジャネイロは冬の筈だが、それでも陸上選手は汗をかきながら頑張っていた。さて、この灼熱地獄の東京での陸上競技は無事平穏ことが運ぶのであろうか。

 女子マラソンは8月2日、男子マラソンは8月9日に予定されている。東京は気温もさることながら、湿度の高いことで有名である。陸上は普通高地でトレーニングが行われる。高地は温度も低いが、湿気も少ない。高地に順応した選手が東京で力を十分発揮出来るとは思えない。4年後を目指す選手は高温・多湿地域でのトレーニングの方がよいので無かろうか。

 国際オリンピック委員会(IOC)が開催時期をこの期間としているのは、欧米のテレビで五輪競技の放送時間を多く確保するためである。IOCは欧米のテレビ局から支払われる巨額の放映権を収入の柱としているのだ。そのため、欧米で人気プロスポーツが開催されておらず、テレビ番組の編成に余裕のある7~8月に五輪の日程を組み込むことで収入を得るという仕組みが出来上がったのだ。

 プロスポーツが欧米で開催されていないと言うことは、季節柄そのスポーツに向いていないとのことであろうが、日本ではサッカーにしても野球にしても平然と行われている。特に高校野球などは炎天下でやることを売り物にしている。東京五輪では、外国選手がばたばた倒れる中、日本選手の頑張りが目立つかも知れない。

 小池百合子新東京都知事が選出された。東京五輪の開催費が2~3兆円になるとの話で、小池氏はまずその内訳を明らかにし、なるべく削減する方針とのことである。もっともである。治安対策はどこの国でも共通課題であるが、猛暑対策は東京固有の問題であろう。新国立競技場は天井無しで決まったが、観客席に冷房装置を付ける話はどうなったのであろうか。当然冷房設備の完備はコスト高となる。猛暑対策を金をかけずにやる方法に知恵を出さなくてはならないだろう。マラソン競技を日の出前にやれば、欧米ではゴールデンタイムとなり、テレビ視聴率は上がるかも知れない。
 
 マラソン競技における熱中症対策は、選手ばかりでなく観客にも必要である。そのため道路舗装の工夫やドライ型ミスト施設の設置等の検討がされているようであるが、どこまで金をかけてよいものか、多くの人が納得できる状態はどこまでか、小池氏の腕の見せ所である。

 小池氏は五輪の新標語を”もったいない”にすると発表した(27日報道)。”おもてなし”の心と合わせ、この悪条件を克服する手が頭に浮かんだ。沿道のここかしこに浴衣姿の美人を配置し、打ち水をしたり、甲子園名物かちわり氷を配ったりすると、涼し気になると。

 東京特有の問題として、高温・多湿の他に、水不足や台風の影響も考えておく必要がある。この他首都直下地震や南海トラフ地震の心配もあるが、心配し過ぎでは何も出来ない。これらは、何の対策をしなくても運よく事が済むかもしれないが、運、不運の問題として手をこまねいている訳にもいかないだろう。水不足は2,3か月前から、台風の来襲は1週間前位から予測できるであろうから、緊急の対処法も考えられるが、地震は運を天に任す事しか出来ないであろう。

 最近、五輪開催費用が高くなり、開催できる都市が少なくなっているとの話がある。費用はオリンピックの開催法を変更する等で対処できるかも知れないが、気候に関しては如何ともし難い。

 地球温暖化が進めば熱中症のリスクが高まり、マラソン競技等が難しくなり、アジアで夏季五輪が開催できるのは2085年には2都市だけになると、英医学誌ランセットに米カリフォルニア大などのチームが発表した。標高1600m以下、人口60万以上を開催候補とすると、ウランバートル(モンゴル)とビシケク(キルギス)しか無いそうだ。

 冬季五輪に関しても同様な話はあるだろう。2年前のソチ五輪でも雪不足が話題となった。地球温暖化対策は経済が優先されて、一向に進まない。今となっては、地球温暖化のシミュレーションのどこかに誤りがあり、実は温暖化では無かったと願うばかりである。2016.08.27(犬賀 大好-263)