今年6月27日、小惑星探査機「はやぶさ2」が約3年半の宇宙航行後、目的地である小惑星;リュウグウに到着した。リュウグウは、金星の外側、火星の内側の軌道で、地球に近い楕円軌道を描くが、3年半の年月を要して、ようやく到着した。地球上からは大型望遠鏡で辛うじて見えるようだが、今回の接近で直径約900メートルのコマ形小惑星であることが始めて分かったと言う。
リュウグウは、地球誕生と同時期の46億年前に出来たと見られ、その後大気に曝せれることが無く、また放射線に曝されない地中には46億年前の成分がそのまま保存されていると推測されている。
リュウグウは地球上からの観測で、有機物などさまざまな化合物の形で炭素原子を含んでいる小惑星だと考えられていたが、接近観測でそれがよりはっきりしたらしい。
リュウグウ表面に着陸し、穴をあけて、内部の岩石を採取し、炭素原子を含む有機物を地球上に持ち帰ることが出来れば、生命誕生の謎を解くヒントが得られるのではないかと期待を集めているのだ。
今日地上に存在しているすべての生命は,植物,動物さらにウイルスも、DNAと称する遺伝子を持っている。そこで生命とは、遺伝子を有し、遺伝子を介して子孫を次の世代に継続させているものと考えられるのだ。
DNAは、2本のポリヌクレオチドと称する核酸の鎖が右巻きのらせん形態の規則正しい構造体である。一方、DNAの最小構成要素は、酸素、水素、窒素、炭素、りんであり、これらは分子や化合物として地球上にいくらでもある原子である。
最大の謎は、個々に一見乱雑に存在する原子、分子が、どのようにして規則正しい2重らせん構造を持つDNAに変化したかである。エントロピー増大の法則によれば、ものごとは秩序だった状態から無秩序状態に変化する、と説明される。従って、DNAの誕生はエントロピー増大の法則に反しているように見える。エントロピー増大の法則は、熱力学から生まれた経験則であるが、これに反する自然現象は無いと信じられている。
しかし、2015年、古川善博・東北大助教(地球化学)らの研究チームが、隕石が地球に衝突する現象を再現する実験で、生命の設計図とされるDNAの基になる塩基や、生命に欠かせないたんぱく質を構成するアミノ酸9種類も生成されたと発表した。
無機物の原子がいくつか集まり分子となり、更に分子がいくつか集まり複雑な高分子や有機物となるのは、外からの大きな刺激による化学反応として考えられる。その高分子らしきものが、自己複製する生命体らしきものに変化するには、更に大きな飛躍が必要であり、そこにどんな謎が秘められているのか、専門家ならずとも知的好奇心がくすぐられる。
リュウグウから持ち帰った試料の中から、生命の元になる物質が簡単には見つからないであろう。しかし、そこに未知なる物質が発見されれば、何かのヒントニになることは間違いない。
生命の起源を求めて、宇宙ばかりでなく深海や火山にも探索は進むが、もっと身近な所に答えは隠されているかも知れない。地球の誕生は、46億年前、それから約10億年経過して最初の生命である原始生命体が誕生したと推定されている。その誕生は一回限りでなく、何回か原始生命体が生まれるチャンスがあったはず、いや現在でもあるはずである。原始生命体の実体は分かっていないので、現在でも存在しているが人間が気づいていないだけかも知れない。
2020年末、はやぶさ2が持ち帰るであろう46億年前の物質がどのような物質であるか、同年に開催される東京オリンピックより興味がある。2018.07.07(犬賀 大好-457)
リュウグウは、地球誕生と同時期の46億年前に出来たと見られ、その後大気に曝せれることが無く、また放射線に曝されない地中には46億年前の成分がそのまま保存されていると推測されている。
リュウグウは地球上からの観測で、有機物などさまざまな化合物の形で炭素原子を含んでいる小惑星だと考えられていたが、接近観測でそれがよりはっきりしたらしい。
リュウグウ表面に着陸し、穴をあけて、内部の岩石を採取し、炭素原子を含む有機物を地球上に持ち帰ることが出来れば、生命誕生の謎を解くヒントが得られるのではないかと期待を集めているのだ。
今日地上に存在しているすべての生命は,植物,動物さらにウイルスも、DNAと称する遺伝子を持っている。そこで生命とは、遺伝子を有し、遺伝子を介して子孫を次の世代に継続させているものと考えられるのだ。
DNAは、2本のポリヌクレオチドと称する核酸の鎖が右巻きのらせん形態の規則正しい構造体である。一方、DNAの最小構成要素は、酸素、水素、窒素、炭素、りんであり、これらは分子や化合物として地球上にいくらでもある原子である。
最大の謎は、個々に一見乱雑に存在する原子、分子が、どのようにして規則正しい2重らせん構造を持つDNAに変化したかである。エントロピー増大の法則によれば、ものごとは秩序だった状態から無秩序状態に変化する、と説明される。従って、DNAの誕生はエントロピー増大の法則に反しているように見える。エントロピー増大の法則は、熱力学から生まれた経験則であるが、これに反する自然現象は無いと信じられている。
しかし、2015年、古川善博・東北大助教(地球化学)らの研究チームが、隕石が地球に衝突する現象を再現する実験で、生命の設計図とされるDNAの基になる塩基や、生命に欠かせないたんぱく質を構成するアミノ酸9種類も生成されたと発表した。
無機物の原子がいくつか集まり分子となり、更に分子がいくつか集まり複雑な高分子や有機物となるのは、外からの大きな刺激による化学反応として考えられる。その高分子らしきものが、自己複製する生命体らしきものに変化するには、更に大きな飛躍が必要であり、そこにどんな謎が秘められているのか、専門家ならずとも知的好奇心がくすぐられる。
リュウグウから持ち帰った試料の中から、生命の元になる物質が簡単には見つからないであろう。しかし、そこに未知なる物質が発見されれば、何かのヒントニになることは間違いない。
生命の起源を求めて、宇宙ばかりでなく深海や火山にも探索は進むが、もっと身近な所に答えは隠されているかも知れない。地球の誕生は、46億年前、それから約10億年経過して最初の生命である原始生命体が誕生したと推定されている。その誕生は一回限りでなく、何回か原始生命体が生まれるチャンスがあったはず、いや現在でもあるはずである。原始生命体の実体は分かっていないので、現在でも存在しているが人間が気づいていないだけかも知れない。
2020年末、はやぶさ2が持ち帰るであろう46億年前の物質がどのような物質であるか、同年に開催される東京オリンピックより興味がある。2018.07.07(犬賀 大好-457)