認知症と依存症は多かれ少なかれ脳の病気のようであり、依存症は家族の援助や仲間との支え合いによって、回復と社会復帰が可能なのだそうだが、認知症は現在の最先端の医学をもってしても完治できない病気と言われている。
認知症とは、認識したり、記憶したり、判断したりする脳の力が衰え、社会生活に支障をきたす状態のことであり、アルツハイマーや脳梗塞、脳出血などが原因で発症する。
認知症の中でも一番原因が多いアルツハイマー病では、脳の神経細胞が減少する、脳の中で記憶を司る海馬を中心に脳全体が萎縮する、等の変化が現れることが明らかになっている。認知症は脳構造の物理的な変化であり、一端壊れた脳細胞は現代医学でも再生できないのだ。
厚生労働省が発表した推計によれば、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める見込みだそうだ。想像するだけで恐ろしい人数だが、これだけの認知症患者の面倒を見るのはさぞかし膨大な介護者が必要となるだろう。
厚労省によれば、2025年度には推計で253万人の介護職員が必要になるそうだが、介護サービスの利用者は認知症患者ばかりでは無い。認知症患者700万人の面倒を253万人の介護職員で面倒を見切れないのは明らかだ。
しかし、人数を増やそうにも、報酬の低さや労働環境の悪さから、なり手がおらず、今の増員のペースのままでは2025年には215万2000人しか人員を確保できない見通しだそうで、おおよそ40万人の介護職員が不足となる。
政府は外国人労働者を増やそうと入出国管理法の改正を急いだが、特に必要とされるのが介護職だ。介護職を2019年度に5千人、同年度から5年間に5万~6万人の増員予定であり、介護現場には深刻な人手不足の改善につながるとの期待もあるが、焼け石に水であることは明らかだ。
厚労省は増員のため、資格を有するが子育てのために休職している人等の復職に期待しているようだが、働き口は他にいくらでもある。少なくとも介護職の給与の低さを補う必要があるが、日本の国家財政は火の車であり無理と思われ、後は人の善意に頼る他ない。
増加する患者と少ない介護職員を補完するのは介護ロボットだ。認知症患者には多少なりとも自尊心は残るようであり、介護には人権を重んじなければならないが、いくらAIを導入したところで、人間の暖かさをロボットで代用することは2025年までには無理であろう。
最悪の場合、認知症患者はベルトコンベア上に縛りつけられ、食事や排せつを決まった時間に自動的に行なわされる将来の地獄の施設が目に浮かぶ。
認知症発症のリスクは、高血圧、糖尿病や高脂血症に代表される生活習慣病によって高まると言われており、ほとんど自覚症状がないため、認知症を発症した場合は手遅れとなるようだ。この点若いうちから生活習慣を改めておく必要があるが、塩分や脂肪の多い食事、カロリーの高い食事、偏食など、また、タバコや飲酒が原因となるため、余程の心構えが無ければ改められない。
老人の入り口に差し掛かり、認知症の心配をし始めるころに生活習慣を改めても後の祭りとならなければよいが。2019.01.05(犬賀 大好-509)
認知症とは、認識したり、記憶したり、判断したりする脳の力が衰え、社会生活に支障をきたす状態のことであり、アルツハイマーや脳梗塞、脳出血などが原因で発症する。
認知症の中でも一番原因が多いアルツハイマー病では、脳の神経細胞が減少する、脳の中で記憶を司る海馬を中心に脳全体が萎縮する、等の変化が現れることが明らかになっている。認知症は脳構造の物理的な変化であり、一端壊れた脳細胞は現代医学でも再生できないのだ。
厚生労働省が発表した推計によれば、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める見込みだそうだ。想像するだけで恐ろしい人数だが、これだけの認知症患者の面倒を見るのはさぞかし膨大な介護者が必要となるだろう。
厚労省によれば、2025年度には推計で253万人の介護職員が必要になるそうだが、介護サービスの利用者は認知症患者ばかりでは無い。認知症患者700万人の面倒を253万人の介護職員で面倒を見切れないのは明らかだ。
しかし、人数を増やそうにも、報酬の低さや労働環境の悪さから、なり手がおらず、今の増員のペースのままでは2025年には215万2000人しか人員を確保できない見通しだそうで、おおよそ40万人の介護職員が不足となる。
政府は外国人労働者を増やそうと入出国管理法の改正を急いだが、特に必要とされるのが介護職だ。介護職を2019年度に5千人、同年度から5年間に5万~6万人の増員予定であり、介護現場には深刻な人手不足の改善につながるとの期待もあるが、焼け石に水であることは明らかだ。
厚労省は増員のため、資格を有するが子育てのために休職している人等の復職に期待しているようだが、働き口は他にいくらでもある。少なくとも介護職の給与の低さを補う必要があるが、日本の国家財政は火の車であり無理と思われ、後は人の善意に頼る他ない。
増加する患者と少ない介護職員を補完するのは介護ロボットだ。認知症患者には多少なりとも自尊心は残るようであり、介護には人権を重んじなければならないが、いくらAIを導入したところで、人間の暖かさをロボットで代用することは2025年までには無理であろう。
最悪の場合、認知症患者はベルトコンベア上に縛りつけられ、食事や排せつを決まった時間に自動的に行なわされる将来の地獄の施設が目に浮かぶ。
認知症発症のリスクは、高血圧、糖尿病や高脂血症に代表される生活習慣病によって高まると言われており、ほとんど自覚症状がないため、認知症を発症した場合は手遅れとなるようだ。この点若いうちから生活習慣を改めておく必要があるが、塩分や脂肪の多い食事、カロリーの高い食事、偏食など、また、タバコや飲酒が原因となるため、余程の心構えが無ければ改められない。
老人の入り口に差し掛かり、認知症の心配をし始めるころに生活習慣を改めても後の祭りとならなければよいが。2019.01.05(犬賀 大好-509)