日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

コロナウイルス感染のリバウンドは前から分かっていた筈だが

2021年04月07日 10時24分12秒 | 日々雑感
 大坂府は昨日6日、過去最多となる719人が新型コロナウイルスに感染していたと発表した。吉村府知事はコロナ感染では国に先駆けて諸々の対策を行い、東京都と周辺3県の3月21日の緊急事態宣言解除に先立ち、大阪府等では2月28日に解除できたのもその成果と思っていたが、既にその頃から感染者数が増大し始め、現在第4波の感染拡大が起こっているのだ。原因は緊急事態宣言の解除による気の緩みにお花見気分が、更に大阪人特有のおおらかさが重なった為であろうか。

 菅首相は1都3県の緊急事態宣言解除後の対策として5本の柱を宣言した。その中で、”感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査を行い、無症状者に繁華街などで幅広く行う検査を4月には1日5千件規模に拡大し、高齢者施設などへの集中的な検査も今月末までに3万カ所で行う、と宣言したが、首相の真意をどうも周辺は余り忖度していないようだ。

 これまで官僚の政治家に対する忖度が度を越し、諸々の不祥事を起こしてきた。森・加計学園問題に始まり、最近では総務省の菅首相の息子が関係する接待問題など、枚挙に暇がない。

 この件でも首相の考えが即官僚に広がり戦略的な検査が本格的に始まると期待していたが、忖度するのは高級官僚だけで下へ行く程首相の考えなどどこ吹く風のようである。前述の首相の戦略的な検査とは中身が具体的で無かったが、具体化するのは官僚や事務方の役目と思っており余り気にも留めなかったが、どうも厚労省の実務者はコロナウイルスそのものを余り気に留めていないようだ。

 厚労省老健局老人保健課の職員23人が先月24日に東京・銀座の居酒屋で深夜まで送別会を開いていたことを明らかなったのだ。新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が21日で解除された後も、都内の飲食店には午後9時までの営業時間短縮要請が続いていた。その最中、職員は午後11時まで営業していることを確認した上で会場を予約していたそうだ。政府が新型コロナウイルス対策として大人数の会食自粛を呼び掛ける中、お膝元の厚労省職員23人が深夜まで宴会を開いていたと言うから、その無神経さに呆れる。

 このような無自覚さが、コロナ感染問題自体にまで広がっていると思うと、戦略的検査など頭の片隅にも無いと心配になる。国会で野党は田村厚労相の監督責任を含め、国会で追及する方針だそうだが、政治家の中でも無自覚な行動が広がており、官僚だけに責任を負わせるのも酷な気がする。

 コロナウイルスのリバウンドは大阪のみならず全国各地で見られる。感染者が増えたり減ったりする傾向は、コロナワクチンが全国民の過半数に行き渡るまで続くと思うが、そこでの一番の懸念材料は、感染者の急増による医療崩壊である。

 大阪府内では5日時点で、重症患者用病床運用率が84.1%に達し、医療崩壊の可能性がある状況になりつつあると、吉村知事が嘆いているが、この予想は随分前から多くの識者が指摘していたことである。吉村知事でも何らかの対策が打てなかったのであろうか。2021.04.07(犬賀 大好ー692)