日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

中国のゼロコロナ政策の緩和は政府批判と直結する

2022年12月07日 10時42分39秒 | 日々雑感
 中国で11月23日、新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者3万1527人となり、11月26日には3万9506人になったそうだ。今年4月の2万8000人が最多だったとのことで、新型コロナウイルス感染が全国的に急激に拡がっているようだ。ただし、中国政府の発表する数値は政治的な意図の下細工されていると勘繰られるが、急拡大していることは隠しようが無い事実だろう。

 感染拡大と共に暴動も急拡大しているようだ。暴動は西部ウルムチ市で24日に高層集合住宅火災が発生し、10人が死亡したことをきっかけに始まったそうだ。市当局による新型ウイルス関連の規制が、緊急車両の出動を遅らせ死者の発生につながったとする抗議行動が週末の26、27日を経て激しくなり、中国のいくつかの大都市にも拡がったとのことだ。

 この抗議活動は新型コロナウイルス対策の規制に反対するばかりでなく、習近平政策に対する抗議にも拡がったようだ。政府や中国共産党に対する批判は処罰の対象となる中国では、あってはならないとして警察が警戒の強化に乗りだしている。

 中国で新型コロナウイルス感染対策を指揮する孫春蘭副首相は12月1日、防疫担当者との会議で「防疫策をさらに適正化する条件がつくられた」と述べ、ゼロコロナ政策を緩和する考えを仄めかしたと見られている。習近平氏のゼロコロナ政策に否定ではなく、適正化と表現するところが、副首相の副首相たるところだ。

 この方針を受けてか、上海市当局はゼロコロナ政策のもと実施されてきたコロナ対策を12月5日から一部緩和すると発表した。地下鉄などの公共交通機関を利用するときに加え、屋外の公園や公共の場所に入る際にも陰性陽明を求めないという。

 上海市と同様に中国の主要都市でのゼロコロナ政策は緩和されつつあるようだが、日本の現状を合わせ見ると中国ではコロナがこれから猛威を振るい始めると懸念される。その理由は日本に比べワチチン接種率が低い、自然免疫者が少ない、更に医療体制が整っていないからだ。

 ゼロコロナ政策は、中国での医療体制が不十分な為感染拡大を少しでも低く抑える必要性から取られたとの背景もあるで、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に備えるために3年の時間があった。しかし病院を増やし、ワクチンを開発するための支出は増加したが、資金は徐々に費用のかさむ新型コロナ関連の規制へと流れたそうだ。

 当局は大規模検査の実施や感染者の隔離施設建設に追われており、ワクチン接種促進の取り組みも停滞している。政府のまとめによると、ワクチンの追加接種を受けた中国人は60%に満たず、80歳以上の追加接種比率は40%にとどまるそうで、これからの感染拡大の可能性が大きい。

 習近平氏のゼロコロナ政策は緩和の方向に動き始めているが、同時に政策の失敗に対する批判も大きくなるだろう。中国政府の今後の対応が注目される。2022.12.07(犬賀 大好ー869)