日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

近い将来日本は中国か米国か選択を迫られる

2019年01月02日 09時45分30秒 | 日々雑感
 2019年が始まった。明けましておめでとうございます!、と言えども、今朝は昨日の朝と少しも変わっていない。むしろこの変わらない朝こそおめでとうございます、の基本かも知れない。

 日本は中国とは経済的には無くてはならない関係にまで進展している。一般社団法人日本貿易会の2017年の統計によると、日本の輸出貿易額は、78.28兆円であるが、その相手国は、一番が米国の19.3%であるが、二番手の中国の19.0%とほぼ同じになっているし、日本の輸入貿易額は75.37兆円で、その相手国は中国が24.4%、米国が10.7%と断トツに中国である。

 一方、安全保障問題では相変わらず米国に大きく依存しているが、米国と中国は目下関税を巡り貿易戦争の真最中であり、この成り行きによっては、近い将来米国より中国に影響される状況に追い込まれるかも知れない。そのための布石か日本は、防衛費を着々と増加させている。

 政府は12月18日、2019年度当初予算案の防衛関係費を5兆2600億円程度とする方針を固めた。7年連続の増額で過去最高となる。宇宙やサイバーなどにも対応しているが、陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」や最新鋭ステルス戦闘機「F35A」など米国の高額装備品の買取を予定しているそうだ。

 一方中国の防衛費は2018年度予算案では日本の3.7倍となっていた。更に中国の国防費には最新兵器の研究開発費が含まれていないようであり、実態は公表額の2~3倍との指摘もあり、日本がいくら頑張っても日本単独で軍事的に対抗するのは困難と思われる。

 軍拡の最終兵器である核兵器を既に中国は完備しているが、日本は潜在的に開発能力を有していると言われながらも、現実には核兵器を保有していないし、今後保有しようとしても現憲法上の制限や、国際的な反発で不可能に近いであろう。

 核兵器は地球規模の破壊をもたらす最終兵器と思われるが、一方では、戦争のイメージがどんどん変化している。人工衛星や人工知能(AI)を用いたロボット兵士や、無人飛行機の活用もその例であり、ミサイル等は無用の長物となる恐れも十分にある。

 日本は経済でも安全保障でも現時点では米国に大いに依存していることは確かであるが、トランプ大統領に振り回されてることも確かである。本年早々には日米貿易交渉が始まる。米国は日本に対する巨額の貿易赤字の対応を迫るが、日本は米国から多額の武器を購入していると言い訳するつもりもあるようだが、これだけでトランプ大統領が我慢する筈がない。

 安倍政権は米国依存を深める一方、中国への敵対意識を薄めつつあり、歩み寄りも見せている。これは、トランプ大統領が余りに理不尽な要求をする場合に備えて、日本は米国に代わって中国と仲良くするよとの中国カードをちらつかせる目論みもあるようである。

 『文明の衝突』は、アメリカの政治学者サミュエル・P・ハンティントンが1996年に著した国際政治学の著作である。文明の衝突とは、第2次世界大戦後の冷戦が終結した後の世界情勢が、自由主義対共産主義というイデオロギー対立ではなく、諸文明の衝突になるという予想である。

 確かこの本の巻末で、現在日本は米国の核の傘の下で守られているが、将来は米国の役目を中国が取って代わるであろうと示唆している。

 今年2019年は、トランプ大統領と習近平主席の覇権争いの行く末がどうなるか、その争いに日本はどのように巻き込まれるのか、これまでの世界の状況が一変する始めの年になるかもしてない。2019.01.02(犬賀 大好-508)

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