2024年が始まった。只今日本は少子高齢化の真っただ中、昨年はコロナ禍が去り、サービス業等における働き手の人材不足が顕著になっている。今年は、2017年に政府が示した「働き方改革実行計画」により、勤務時間の制限厳格化により運送業等におけるドライバー不足等、更に大阪万博における建設業における作業員不足も重なり、人材不足がこれまで以上に社会問題と騒がれるだろう。その対処策の一つとして外国人労働者の活用が注目される。
これまで日本は移民を認めておらず、外国人労働者の活躍の場は技能実習制度によるところが大きかった。この制度はあくまでも国際貢献を名目にした出身国への技術移転を大義名分にしていた。しかし、実体日本の労働力不足を補う背景もあり、厳しい職場環境に置かれた技能実習生の失踪が相次ぎ、政府の有識者会議は今の制度を廃止するとした最終報告書を昨年11月にまとめたのだ。正式な変更はこれからの予定となっており、遅きに失っしている感もする。新たな制度は実態に合わせて、人材の確保と育成を目的とし、名称も「育成就労制度」に変えるとしているが、育成就労制度と名前を変えても、これまでの特定技能制度は引き続き残すようで、このために育成も目的の一つとしているのだ。
育成就労制度においては、基本的に3年で一定の専門性や技能を持つ水準にまで育成する。専門の知識が求められる特定技能制度への移行には、技能と日本語の試験に合格するという条件を加える。また、これまで原則できなかった別の企業などに移る「転籍」は、1年以上働いたうえで、一定の技能と日本語の能力があれば同じ分野に限り認めることにするとした。
特定技能制度は1号と2号があり、日本への永住につながる「2号」の対象は現在、建設と造船・舶用工業に限られているが、農業、漁業、飲食料品製造、外食等、11分野に広げる政府案が昨年5月に、自民党の外国人労働者等特別委員会などの合同会議で了承された。1号では家族同伴は許されなかったが、2号では許される為、近年異常な円安で日本で働く価値が低下したとは言え、安心・安全な生活が送れる日本への希望が増加することを期待したい。
ドイツも日本同様少子高齢化で人手不足が深刻になっているため、外国人労働者の受け入れに積極的である。2025年ごろにベビーブーム世代が退職した後、どう人材を確保するかが課題になっているが、この件とは別にドイツではシリア等からの難民が急増して社会問題化しており、外国人の受け入れに関しては日本以上に複雑な問題を抱えている。
人手不足は経済成長の妨げになるため、岸田首相も少子化対策を掲げているが、日本人だけの枠内では限りがあり、外国人頼らざるを得ないところが出てくるだろう。育成就労制度もその一つであるが、これだけでは十分ではない。外国人の増加は治安等様々な問題を引き起こすだろうが、避けて通れない問題である。2024.01.04(犬賀 大好ー973)
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