日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

日本はその内中国に抱き込まれるか?

2018年12月19日 09時53分43秒 | 日々雑感
 対中国政策では、安倍内閣に変化の兆しが見え始めた。第2次安倍内閣が発足した2012年末以降、米国に同調して中国とは対決姿勢を保ってきたが、ここへ来て中国が主導する一帯一路構想への協力姿勢を示すなど、融和姿勢を打ち出し始めたのだ。

 これは、外交問題を得意とする安倍政権が将来を見据えた方針変更の一環であろうが、日本と中国の関係は既に持ちつ持たれるの関係にまで発展している。

 一般社団法人日本貿易会(JFTC)2017年の統計によると、日本の輸出貿易額は、78.28兆円であるが、その相手国は、一番が米国の19.3%であるが、二番手の中国の19.0%とほぼ同じになっているのだ。第3位は韓国であり7.6%であるから、既に中国は無くてはならない重要な位置を占めている。

 一方、日本の輸入貿易額は75.37兆円であり、その相手国は中国が24.4%、米国が10.7%と断トツに中国に依存している。

 アメリカ向けでは自動車が多いのに比べて、中国向けの輸出品は半導体などの先端技術を活かした機械類や部品、電気製品、鉄鋼や非鉄金属などが多くを占めているそうだ。日本の企業が労働賃金の安い中国に工場を建てて現地にて製造し、日本に輸入するという新しい経済・貿易の協力体制が出来あがっているのだ。

 このように日本と中国は既に強力な相互依存関係にあり、他に色々と問題があっても付き合っていくしかない取引先となっているのだ。

 また、日本は観光立国を目指し、観光庁は2020年訪日外国人旅行者数4,000万人、旅行消費額8兆円等の目標を掲げている。日本政府観光局の2017年の統計によれば、中国からの観光客は中国から735万人、また韓国から714万人であり、4,000万人を目指す場合中国抜きでは考えられなくなっている。

 一方、安全保障問題では問題が多い。中国は米国への対抗を念頭に、南シナ海や東シナ海、西太平洋などで活動を拡大中であり、海空軍の強化を急いでいる。

 日本の防衛費は2018年度予算案では約5兆円であり、中国政府の2018年度予算案では日本の3.7倍となっている。さらに中国の国防費には最新兵器の研究開発費が含まれていないとの見方が多く、実態は公表額の2~3倍との指摘もあり、日本がいくら頑張っても日本単独で軍事的に対抗するのは困難と思われ、米国依存を深める一方、中国への敵対意識を薄めつつあるのだ。

 安倍首相は今月始めのG20首脳会議で米国のトランプ大統領と会談したが、冒頭、トランプ氏は日本はF35などたくさんの米国製戦闘機を購入しており、とても感謝していると述べたそうだ。しかし、新たな購入を国会で決定していないし、閣議決定もした事実はないが、安倍首相の暴走は今に始まったことではない。

 自民、公明両党は今月11日、新たな防衛大綱と2019年度から5年先までの具体的な装備品や防衛費などを定める中期防の骨子案を大筋で了承したが、この中には先述の最新鋭のステルス戦闘機F35もしっかり入っているそうで、安倍首相の威光は大したもので、その意向は行き渡っている。

 日本は経済でも安全保障でもトランプ大統領に振り回されてる。来年早々には日米貿易交渉が始まる。米国は日本に対する巨額の貿易赤字の対応を迫るが、日本は米国から多額の武器を購入していると言い訳するつもりもあるようだ。

 また、トランプ大統領が余りに理不尽な要求をする場合に備えて、日本は米国に代わって中国と仲良くするよとの中国カードをちらつかせる目論みもあるようである。2018.12.19(犬賀 大好-504)

コメントを投稿