横綱の白鵬が7月27日、東京・日本武道館で行われた東京五輪の柔道を観戦したとのことだ。男子73キロ級金メダリスト・大野将平らと一緒に撮影した写真などがSNSで拡散され、一気に広がったようだ。モンゴル出身の白鵬は同国五輪委員会のアンバサダーを務めており、同国の関係者パスで入場したとみられる。アンバサダーの位置づけが良く分からないが、大枠では五輪関係者と言うことになろうが、そもそも五輪関係者の位置づけが良く分からない。
5月26日、新型コロナウイルス対策の一環として進めている来日関係者削減計画の詳細が発表されたが、約1.4万人の選手を除き、全体で約14.1万人から約5.9万人まで圧縮したとの内容だ。この5.9万人が五輪関係者となろうか。またIOCの関係者3千人、各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)関係者1.5万人はそのまま維持されたとのことだが、これが通称五輪ファミリーすなわち五輪貴族なのだろう。
大会関係者は大会運営に欠かせない人材であり、これ以上減らせないとの組織委員会の武藤事務局長のコメントがあったが、先の白鵬が運営に欠かせないとは理解できない。兎も角、裏にはIOCの存在がちらつく。事務局長と言えども、IOCの指示があれば逆らうことは出来ないのだろう。
更に問題なのは五輪ファミリーの特権だ。IOC関係者と家族は入国後、14日間の待機が免除されるだけでなく、当日からコンビニや個室なら飲食店の利用も特例で認められているそうだ。IOCはプレイブックと称する参加者向けのルールをきめているが、IOC委員は適用が除外され、例え無観客開催になっても、競技場で生観戦できるそうだ。
五輪会場内での酒の販売や提供を取りやめ、持ち込みも禁止された。組織委の橋本会長はVIPラウンジも例外ではないと言ったが、IOC幹部は特権意識が強い。IOCから指示されれば、組織委員会は従わざるを得ないのであろう。なんせ五輪の開催権をIOCが握っているのだから。
女性蔑視発言で辞任に追い込まれた組織委の森前会長でさえ、”期間中は同じ人が毎晩パーティーばかりやっている”、と五輪貴族を批判していた。 IOC幹部は、VIPラウンジで酒を飲みながら五輪を見るのが何より楽しみという連中がほとんどなんだそうだ。
さて、五輪開催時の五輪貴族の悪行がSNS上で暴かれると楽しみにしていたが、この種の話は全く聞こえてこない。日本の実情を見て自粛したのかそれとも報道規制が厳しいのか。先の白鵬の観戦の話題も、ネットで見ることが出来るが日刊紙やテレビではほとんど話題となっていない。どうもIOCの指示による報道規制が厳しいと判断される。
選手村のコロナ感染者も毎日のように増えているようだが、組織委員会の発表は感染者数のみで国や競技種目を公表していない。これで組織委員会が発表を始めた7月1日から26日までの感染者の累計は148人となった。武藤事務局長は、想定内の数字だと言っているようだ。自らも選手村のバブル方式は完璧と言っていたが、弁解のしようが無くそう言わざるを得ないのだろう。IOCの決めたプレイブックは穴だらけのことは前から分かっていたが、IOCに従わざるを得ない組織委員会も気の毒とも言えなくもない。2021.08.07(犬賀 大好ー735)
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