日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

日本における人種差別問題の顕在化

2023年07月05日 09時13分07秒 | 日々雑感
 最近米国やフランスの先進国において外国人移民に対する人種差別問題が過激化している。これらの出来事は他人事ではなく遠からず日本にでも出てくるであろう。

 米国の連邦最高裁判所は6月29日、大学が入学選考を行う上で黒人などの人種を優遇している措置の是非をめぐる裁判で、措置は法の下の平等を定めた憲法に違反するという判断を示した。この裁判は、アメリカの大学が入学選考をする際、黒人やヒスパニック系などの人種を優遇する場合もあり、保守派の団体が差別にあたるなどとして大学を訴えていた。

 連邦裁判所の判事はトランプ前大統領が指名した保守系が多く、上記の判決になったと思われるが、バイデン現大統領はこの判決を多様性を阻害すると非難している。この判決は国民を分断する大きな問題であり、来年の大統領選挙にも影響が出ることが予想される。

 黒人やヒスパニック系の学生は、貧しい家庭の子供が多く教育の面で恵まれていない為入試の際不利になるのを補おうとする長期的観点からの優遇措置であろうが、入試そのものの短期間の勝負の観点からは不公平になると理解できる。どちらの言い分にも一理あり判断が難しい。

 またフランスにおける暴動は、交通検問中の警察官が車の停止命令に応じなかった北アフリカ系の17歳の少年を警察官が射殺したことに対する抗議活動の中で発生した。一部が暴徒化し、車や建物に放火したり、店舗での略奪行為も発生している。警察の停止命令を無視したこと自体は咎められるが、普段の事情が背景にあるのだろう。すなわち、公正であるべき警察官の間でも人種差別が日常的にあり、これに反発する若者の不満状態が日常的に存在するのであろう。

 異民族に対する偏見差別は個人の間では考えが様々な為簡単に無くならないと感ずるが、公的な組織においても根強く残ることを考えると、かなり奥深い問題である。

 日本では現在少子化が進み、岸田首相も異次元少子化対策と銘打ち力を入れている。少子化の問題の一つは生産労働人口の減少である。現に大阪万博会場に予定されるパビリオンの建設が遅れており、開幕に間に合わない恐れが出てきているとのことだ。原因は建設関係の労働者不足だそうだ。万博開催と言う特殊事情があるが、労働人口の減少は目に見えており、政府も少子化対策の他に特定技能実習制度の改善等により外国人労働者の増加を試みている。

 厚生労働省によると昨年10月末現在の外国人労働者数は約180万人で、2007年以降過去最高を更新したそうだ。同時期日本人の生産労働人口は、7450万人であるので、日本人100人中2~3人が外国人労働者となる。しかも2040年では6000万人程度まで減少すると推測されているので、労働力不足を補うための外国人労働者は一層増え、人種差別問題も顕在化して来るだろう。2023.07.05(犬賀 大好ー927)


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