最後の米つくりを 終えて 2024年9月
最後になるだろうとの今年の米つくりは、2月の肺手術、3月からの術後抗がん剤治療の影響で、一月近く遅れて、4月16日に種籾を播種。田んぼの準備は、草刈りは畔だけで、モアを走らせることで済ませ、トラクター作業で、代掻きまで終わらせた。田植えは、5月23,24日。以後は、除草剤散布を済ませて、空任せだった。その後数回ほど、ドライブスルーで見回りをやっただろうか。台風予報で、田んぼを回り、からからに干上がった田んぼに、バルブから水が出るところに水を入れたのは、8月13,14日。そして、水の出ない田んぼの水は16日の台風の雨。その後は、うまい具合に天の助けで、枯れてしまうことなく、どうにかこうにか穂をつけ、実になってくれた。9月5日―モチ米、6日からコシヒカリの収穫。15日、籾摺り作業。猛暑と雨不足で、干害で収穫ゼロでもしょうがないと思ってはいたのだが、どうにか年間必要量の主食米は、充分に貯蔵できた。
しかし、正直なものだ。水やりがひと月ほど遅れた、やらずぶったくりの米作りの結果だった。稲は穂が出て、花が咲き実を結ぶとき、適度な水を必要とするし、適度な温度が必要だ(他の野菜類も同様だ)。この時期に極度の低温が続くと、冷害で実りも悪く収量も少なくなる。逆に高温すぎると高温障害が起き、米の質も落ちるし、収量も少なくなる。(収量皆無を覚悟していたのに、採れたことには感謝!)
今年の結果は、まさしく、もろに高温障害と水分不足の害を受けてしまった。
まず、外観から、米粒が白くなる乳白米の割合が多く、未熟米の青米の比率も多い。米粒も十分大きくならず全体に粒が小さい。籾摺り時の選別で、くず米となる小粒米が多く出て、玄米収量がかなり少なくなった。選別された玄米も全体に小さなものが多く、見た目もよくない。また、登熟障害による同割れ米(米粒にひびが入り割れる米粒)もかなりの比率で発生している。
今年のコメは、まさに、こんな状態の米です。例年と比べ、選別された玄米は三割減ぐらいでした。コメ袋に収まった玄米も見た目が悪く、玄米出荷が憚れるものです。精米機にかけ白米にすると糠として落ちる量は(極小粒の同割れ米も含まれ)三割近くなります。残った白米の中にも同割れ米の割合が多くなっています。出荷には白米選別機を通して、小粒の同割れ米は、ふるい落としています。一般的には8~9割の精米歩合が、7割かそれ以下になってしまい、30Kgの玄米は21Kgほどになっています。それでも、同割れ粒の混入は避けられません。