杉の林の丘のうえを
低くトンビが飛んでいる
風に載って滑空している
くるり
と向きを変える
またくるり
と向きを変える
するどく
下天を偵察し
獲物を探索し
ことあれば
急降下する態勢で
しかし
何事もなく
ゆうゆうと
何事も悩むことなく
空を滑る
私は
窓の中の
安全な場所で
見られることなく
一方的に
ぼんやりと
眺めている
掴み取るとか
くちばしでかすめ取るとか
そんな攻撃的な考えとは
一切無縁で
かといって
防御する気もなく
そんな必要も感じることなく
ぼんやりと
眺めている
やがて
トンビは
何事もなく
くるりと
向きを変え
空を滑って
上空へ飛び去る
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