土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

山岳寺院から斑鳩の地へ。

2010年02月10日 | 奈良の古寺巡り
吉田寺
千光寺から下り、国道168号を竜田川沿いに斑鳩の地にへと向かいます。目指す吉
田寺は交差する国道25号を左へ龍田神社の信号を右折すぐのところにあります。
吉田寺と云うよりは「ぽっくり寺」のほうがとおりがいいでしょう。ぽっくり往生
の寺として腰下の病に阿弥陀如来の功徳があり、年輩の方々の信仰を集めていると
云います。開山は恵心僧都源信で浄土宗のお寺です。境内はかなり狭く、本堂を中
心に多宝塔、鐘楼、庫裡と並んでいますがミニチュアジオラマの感じがします。参
道を含め境内は見事なほど清められ非常に綺麗です。この日は重要法要らしく本堂
から読経と説教の声が流れていました。

参道と山門
綺麗に刈り込まれた植裁の参道を20mぐらい進むと山門が在ります。法要のためか
張り幕がされています。




山門内から見た山門、竹林が綺麗です。


本堂
山門をくぐり参道を行くとすぐ左手に本堂が在りやはり張り幕がされています。
一般参拝はダメらしく、入堂できませんでした。
ご本尊は木造阿弥陀如来坐像(重要文化財)、丈六のお像でかなりの迫力と聞きま
すが、残念ながらお会いできませんでした。


多宝塔
奈良県下では一番の古さを誇っています。九輪、宝輪、組物、屋根の反り等すべて
のハーモニーが見事なプロポーションを生んでいます。
ご本尊は大日如来像で秘仏です。この2点の多宝塔は西側から見た写真です。




二層高欄の上組み物の間に変なもの?
蜂の巣です。重要文化財保護(蜂の巣ではありません、多宝塔のことですヨ)の観
点から取らないようにという町からのお達しらしいです。


鐘楼


鬼瓦
鐘楼の袴下に鬼瓦が数点置いてありました。


本堂前にある椿の大木、ぼつぼつほころび加減です。


山門前放生池畔に大きなもちの木が赤い実をわんさか付けていました。


不思議な石段
本堂前から南に立派な石段がありますがこれを下ると道が無くなります。不思議。


ここでもお寺ガイドを手にすることは出来ませんでした。一説には天智天皇の妹君
間人皇女(孝徳天皇皇后)の古墳がこの地にあり、天智天皇勅願の寺では、との説
もあるそうです。