土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

薬師寺。白鳳の名塔はしばらく白鳳伽藍から姿を隠します。

2010年10月14日 | 奈良の古寺巡り


(2010.10.11 訪問)
連休最終の11日薬師寺を訪ねました。またも人出とクルマ予想大はずれ、よみが
相変わらず甘いですわ。
薬師寺では平成30年度まで本格的に解体修理に入る国宝の東塔初層が公開されて
います。相当な人気で東回廊が並ぶ人で埋まっています。なぁ~んだこれは…。
になるとも知らないで…。 ウソですよ。



11月以降覆屋に姿を隠す白鳳の名塔は平成30年までその姿を見ることは出来なく
なります。今のうちですよ、みなさん、名塔に会いに薬師寺へ行きましょう。

[ 薬師寺 ] やくしじ
寺号 薬師寺  
宗派 法相宗 大本山  
本尊 薬師如来坐像(国宝)脇持 日光・月光菩薩立像(国宝)

薬師寺縁起
白鳳時代、天武天皇が皇后(持統天皇)の病気平癒を祈願し、藤原京に創建。平
城遷都に伴い、養老2年に現在地に移されました。移座か新造か、史学界ではいま
も論争が続いているようです。薬師寺式伽藍配置と云われる独特の伽藍構成は、
金堂を中心に北の講堂から回廊がとりまき金堂前に東塔と西塔が配され、南の中
門に回廊が繋がる伽藍配置になっています。

●参道。
この日は本来の参拝順序に沿って、中門からの拝観コースをとりました。駐車場
から北へ参道が続きます。



●参道途中に在る休ガ丘八幡宮。
宇佐から勧請された薬師寺の鎮守社。国宝三神像が祀られていますが、もちろん
拝観不可です。



●南門手前に在る孫太郎稲荷神社。薬師寺の鎮守社。由緒はサッパリ…。



●南門。
小ぶりの四脚門。伽藍の正門南大門ではありません。南大門はもともと在ったの
かどうか不明です。白鳳伽藍への入山は左の脇口から入ります。



●中門。
昭和59年復元復興。
一応この門が正門と云うのでしょうか。五間間口の横に長い門です。



●仁王像。
中門の左右に睨みをきかせています。向って右阿形、左吽形像。平成三年復元さ
れた彩色晴れ晴れの仁王像です。



●金堂。
昭和51年復元再興。
本尊 薬師三尊 薬師如来坐像(国宝) 左脇侍 日光菩薩立像、右脇侍 月光菩薩
立像(国宝)。
いつ拝見してもこの三尊だけは、言葉に尽くせませんです。



●大講堂。
平成15年復元再興。
本尊 弥勒三尊 弥勒如来坐像(重文)左脇侍 法苑林菩薩立像、右脇侍 大妙相菩
薩立像(重文)。
講堂の背面(お寺では後堂「うしろどう」と云うそうですが)には仏足石をはさ
んで彫刻家、中村晋也さんの釈迦十大弟子像(平成十四年作)が祀られています。
釈迦哲学を消化した往時の精神性が、現代に蘇った感が強くその像形は、仏像表
現の新たな具現例ではないかと思います。





●大講堂と金堂の間の大空間。




●大講堂と北回廊。



●三重東塔。(国宝)
さていよいよ、「凍れる音楽」ですよ~。
白鳳時代の姿が今もそのままボク達が目にすることの出来る唯一の三重塔。凍れ
る音楽と讃えられた美しい塔も間もなく解体修理のため覆屋が建てられます。





●三重東塔の相輪。
著名な飛天は上部、水煙の透かしの中で飛んでいます。



●中門越しの三重東塔。



●三重西塔。
昭和56年復元復興。
初層が開扉されています。心柱三方に光り輝く如来三体が祀られています。
それにしても、このアングルセンス、ひどいもんですね~。



●三重西塔南面の釈迦如来。



●三重西塔北面の弥勒如来。



●東回廊。
平成7年復元再興。左側に東院堂が見えます。



●鐘楼。



●東院堂。(国宝)
観音菩薩像のスタンダードと云われて久しい聖観音菩薩立像が祀られているお堂
です。このお堂は、当初は南向きが西向きに変えられたお堂で鎌倉時代のもので
す。
本尊 聖観音菩薩立像(国宝) 須弥壇中央お厨子に、四方を四天王が守護してい
ます。



●聖観音立像。数年前に描いたペン画です。
お像は2mに満たない像高ですが、「端正で気品」とはこのお像のためにある言葉
と云っても言い過ぎではないでしょう。金堂日光、月光菩薩立像と比べるとポー
ズや動きにややかたさが見られるのは造像時期がいくらか早いのかも知れませんネ。



●不動堂。
白鳳伽藍西北隅に在り、お堂前庭に不動明王石仏が建てられています。石仏の前
が護摩を焚いた跡が在り護摩堂的性格のお堂でしょうか。
本尊 不動明王立像。



●ジャジャ~ン薬師号待機中!!



●興楽門。
白鳳伽藍の北門。近鉄西ノ京駅が近いので大半の参拝者はこちらから入山してい
るそうです。



●本坊山門。



●本坊境内。
ズ~と奥に玄奘三蔵院が見えます。



●慈恩殿。
玄奘三蔵の第一高弟、慈恩大師画像を祀るお堂。



●薄墨桜。
今頃桜と云われてもネェ~。



●名残の彼岸花と萩。
片隅のもっと片隅でそっと、けなげに咲いていました。



玄奘三蔵院伽藍へ向いましょう。

●玄奘三蔵院礼門。



●玄奘三蔵院玄奘塔。
玄奘三蔵院伽藍は平成3年新造建立。本尊は法相宗始祖、玄奘さんを祀っています。



●玄奘塔の宝珠。



●玄奘塔四方に敷かれた瓦タイル。設計者の感性スンバラシイと思いません?



参拝後、秋篠川畔を少し歩いてみました。
ここから見える東塔九輪もまたGOOD風情!!
写真があればVERY GOODなんですが。

カメくんが悠然と…。



薬師寺散策、お し ま い !