(2012.06.02訪問)
京阪東福寺駅で降りてから、どちらを訪ねるか決めようとウツラウツラしているうちに駅に着きました。
東福寺と泉涌寺、どちらも数年前訪ねて以来のことです。
「そうだ泉涌寺に行こう」というメイカイな理由でとりあえず東大路通りから泉涌寺道をお寺に向かいます。
結構タクシーの往来があり、三々五々参拝の方々の姿も見えます。
[ 泉涌寺 ]
●山号 東山(とうざん)
●寺号 泉涌寺(せんにゅうじ)
●宗派 真言宗泉涌寺派
●開山 月輪大師 俊芿(がちりんだいし しゅんじょう)
●開創 嘉禄2年(1226年)
●本尊 三世仏、釈迦如来坐像、阿弥陀如来坐像、弥勒如来坐像
泉涌寺縁起 (泉涌寺HPから抄出)
東山三十六峯の一嶺、月輪山の麓にたたずむ泉涌寺。皇室の菩提所としてまた諸宗兼学の道場として、壮麗
な堂宇が甍を連ね、幽閑脱俗の仙境、清浄無垢の法城となっている。
当寺は天長年間、弘法大師がこの地に草庵を結び、法輪寺と名付けられたことに由来し、後に仙遊寺と改名
された。建保6年(1218年)当寺が開山と仰ぐ月輪大師俊芿(がちりんだいししゅんじょう)が宇都宮信房から
この聖地の寄進を受け、宋の法式を取り入れた大伽藍の造営を志し、嘉禄2年(1226年)に主要伽藍の完成
をみた。その時、寺地の一角から清水が涌き出たことにより泉涌寺と改めた。この泉は今も枯れることなく
涌き続けている。
当時朝野の尊信篤く、後鳥羽、順徳上皇、後高倉院をはじめ、北条政子、泰時も月輪大師について受戒する
など、公家、武家両面から深く帰依された。
大師入滅後も皇室の当寺に対する御帰依は篤く、仁治3年(1242年)四条天皇崩御の際は、当山で御葬儀が
営まれ、山稜が当寺に造営された。その後、南北朝~安土桃山時代の諸天皇、続いて江戸時代に後陽成天皇
から孝明天皇に至る歴代天皇、皇后の御葬儀が執り行われ、山稜が境内に設けられて「月輪陵(つきのわのみ
さぎ)」と名づけられた。こうして当山は皇室の御香華院として、長く篤い信仰を集めることとなる。泉涌寺
が御寺(みてら)と呼ばれる所以である。
▼総門。
▼泉涌寺境内マップ
▼御寺の文字が泉涌寺のステータス。大門横の寺標。
▼大門(重文)。江戸期初頭、御所の門を移築したもの。
▼大門から下り参道。前方は仏殿です。
▼仏殿(重文)。本尊 三尊仏。釈迦如来坐像、阿弥陀如来坐像、弥勒如来坐像。
単層裳階付、桁行5間、梁行5間、入母屋造、本瓦葺。唐様建築。寛文8年(1668年)再建。
重層に見えますが、下屋根は裳階で、内部は天井が高く播龍図が睨みをきかせており豪快な内部ですよ。
本尊三体の中尊釈迦如来坐像は、現在修仏のため不在、代わりに写真が置かれています。
▼仏殿(重文)。
四隅の花頭窓が唐様禅の匂いを感じさせます。
▼舎利殿。仏牙舎利を納める霊殿です。この日は入堂できませんでした。
重層、桁行7間、梁行6間、入母屋造、本瓦葺。唐様建築。江戸慶長年間内裏の御殿を改装移築し、上層を
付け足した建物だそうです。
▼舎利殿。
▼楊貴妃観音堂。本尊 楊貴妃観音坐像(重文)。
▼楊貴妃観音坐像。(Yahoo画像から)
伏し目がちの美しいお像で、宝冠の緻密な透かし彫りには驚きました。お口の紅、瓔珞以外は彩色はないよう
に見えます。1230年中国請来仏といわれる通り、エキゾチックなお顔と法衣デザイン、持物や派手な宝冠は
なるほどとナットク出来ます。
▼水屋形。泉涌寺名の由来になった泉の覆屋。今も往時と変わらず名水は涌出しているそうですよ。
▼浴室。床下に鉄釜で湯を沸かし蒸気を床上に入れる蒸し風呂だそうです。
▼浴室の蟇股には牡丹の浮き彫りがあります。
▼月輪山を背景に境内です。
▼霊明殿唐門。
▼霊明殿。桁行7間、入母屋造、桧皮葺、1間向拝付。
明治15年(1882年)10月炎上の後、同17年明治天皇によって再建された尊牌殿で、天智天皇、光仁天皇そ
して桓武天皇以降の天皇、皇族方の尊牌をお祀りしています。
▼勅使門。
四脚門、軒はすべて菊の御紋瓦です。天皇勅使や皇族方が訪れた時のみ開門。
▼御座所玄関から勅使門。残念ながら御座所玄関、内部は写真×です。
▼御座所庭園。
▼御座所庭園。
▼本坊。
▼本坊山門。
▼本坊玄関。
▼月輪陵の説明木板。
霊明殿の東に鎮まる陵墓は月輪陵(つきのわみさぎ)と呼ばれ、四条天皇、後水尾天皇から仁孝天皇までの25陵、
5灰塚、9墓が営まれているそうです。
▼月輪陵御拝所手水舎も立派です。
▼月輪陵御拝所手水盤は皇室菊御紋16八重の表裏32の花弁を表しているようです。
▼月輪陵御拝所。広大な前庭から望む月輪山は天皇御陵とともに深く静かに鎮まっています。
▼下り参道を下から撮りましたが坂には見えません、ヘタですね。
境内から大門へ戻ります。それでは、お隣の塔頭今熊野観音寺へ向かいましょう。
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