土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

道成寺、奈良平安仏のオンパレード。

2015年02月03日 | 和歌山の古寺巡り


(2015.01.31訪問)

迷車大和路号、今日は紀州路を快調に走っております。変な天気で不愉快ですが……。
絵解きを聞く訳ではありませんが、安珍清姫悲恋物語のお寺、道成寺を目指しています。
何を隠そうこのお寺、仏像では和歌山一を誇る素晴らしい国宝仏、重文仏が宝物館で待ってます。これは是
非ともと云う訳で、大和路号は一路日高川町を目指して走っています。


▼本堂。





[ 道成寺 ]
●山号 天音山 (てんのんざん)
●寺号 道成寺 (どうじょうじ)
●勅願 伝 文武天皇 (もんむてんのう)
●開基 伝 義淵僧正 (ぎえんそうじょう)
●開創 伝 大宝元年 (701年)
●宗派 天台宗
●本尊 千手観音立像 (重文)
▲拝観料 境内自由 宝物館 縁起堂 600円 朱印 300円
▲拝観時間 9:00~17:00
▲和歌山県日高郡日高川町鐘巻1738 Tel.0738-22-0543
▲http://www.dojoji.com
▲JR紀勢本線「道場寺駅」下車徒歩7分


道成寺縁起
文武天皇夫人、藤原宮子 (聖武天皇の母) の願いで文武天皇の勅願により大宝元年 (701年) の開創と伝わり、
建立は紀大臣道成によって道成寺と名付けたと寺伝は伝える。本尊千手観音は義淵僧正造像と云われ開山は
義淵僧正とされている。奈良時代末に衰退したが平安中期に再興、その後江戸期に諸堂が完成し現在に至っ
ている。


▼六十二段の参道石段。





         ▼山門手前に寺歴の深さを、歴史の重みを……。





▼仁王門 (重文)。三間一戸、重層楼門、十二脚門、入母屋造、本瓦葺。元禄四年 (1691年) 再建。





▼達者な書で揮毫されている仁王門扁額。





▼阿形仁王さんが右に。





▼吽形仁王さんが左で入山者に睨みを。





▼仁王門から一直線、本堂が見えます。





▼本堂参道左、物静かなお地蔵さんが、無言で迎えてくれました。





▼安珍と釣り鐘をこの地に葬った安珍塚。後ろの古木右は二代目榁の木樹齢400年で枯れ、左は三代目と聞
 きました。





▼本堂 (重文)。桁行七間、梁間五間、入母屋造、本瓦葺、三間向拝付。承平十二年 (1357年) 建立。





▼本堂周を巡る小堀に掛かる石橋。





▼本堂外陣から見る内陣。





▼本尊 千手観音立像 (重文)。像高2.4m、木心乾漆造、造像奈良時代後期。
 切れ長の眼にいくらか微笑みが感じられる上品なお顔、お体は彩色のあとが僅かに残っています。残念な
 がら御手先が無い腕が見受けられるのは惜しい!

 



         ▼三重塔。塔高20m、総桧造。宝暦十三年 (1763年) 再建。
          本尊大日如来。





▼十王堂 (閻魔堂)。桁行三間、梁間三間、寄棟造、本瓦葺。宝永四年 (1707年) 建立。





▼なんと個性的な!閻魔さん。





▼広~い境内。





▼常念仏堂。桁行五間、梁間二間、寄棟造、本瓦葺。平成十七年 (2005年) 建立。





▼常念仏堂扁額。





▼本尊 五劫思惟阿弥陀如来坐像。像高120cm、木造漆箔、造像江戸期。





▼折上げ格天井に円形天蓋。中心蓮華から放射状に光条。





▼チョット不貞腐れ気味、五劫は長過ぎて、螺髪は重すぎるんでしょう、お察しします。





▼あまりにきれいなので、も一度常念仏堂。





▼護摩堂。三間四方宝形造、本瓦葺。弘化四年 (1847年) 建造。本尊不動明王。





▼鎮守三社。中央弁天さん、左住吉さん、右天神さんをお祀り。





▼お堂三方に絵馬がこれでもか。





         ▼なにかの供養塔です。





▼縁起堂。安珍清姫の歌舞伎、能、文楽など芸能資料を展示し、ここで住職が絵解き説法をします。





▼鐘に隠れた安珍を焼き殺す図(道成寺縁起絵巻) 写真はネットから



安珍清姫悲恋物語。
延長六年 (928年) 熊野参拝の途中、一夜の宿を求めた僧安珍に清姫が懸想し、恋の炎を燃やし、裏切られた
と知るや大蛇となって安珍を追い、最後には道成寺の鐘の中に逃げた安珍を焼き殺すという「安珍清姫の物
語」の悲恋は「法華験記」に記され、「道成寺物」として能楽、人形浄瑠璃、歌舞伎でもよく知られている
お話です。


女人に逆らったらえらい目に、お~コワ。男性諸氏、誠心誠意ですよ!


▼ほとんどが清姫の歌舞伎絵や写真です。





▼大寳殿。国宝、重文級の仏像二十数体が祀られている超豪華仏像ジェネレーション。
 昭和五十三年(1978年) 建立。
 旧本堂本尊 千手観音菩薩立像 (国宝)。像高3.2m、檜一木造、漆箔、平安初期造像。
 右脇侍 日光菩薩立像 (国宝)。像高2.52m、檜一木造、漆箔、平安初期造像。 
 左脇侍 月光菩薩立像 (国宝)。像高2.42m、榧一木造、漆箔、平安初期造像。



久々見応えのある仏像群、特に四天王像、中でも兜跋毘沙門天立像 (重文) は出色 ! 
写真をお見せ出来ないのはなんとしても残念!
写真は道成寺HPからお借りしました。



▼御朱印です。





和歌山の片田舎の小さな町と云ったら失礼なんですが、道成寺はワンダフルな超豪華仏像のオンパレード!
往復250kmの道程はなんのその、天気は不愉快 ! 気持ちは愉快! な道成寺でした。
帰りは紀三井寺に寄ります。西国霊場札所の御朱印を戴きに。 





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