土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

諦應寺、銀杏生木に十一面さんが彫られています。

2015年04月30日 | 福井の古寺巡り



2015.04.25訪問)


松尾寺を辞しR27を東に向かいます。何かと問題多発の高浜原発や大飯原発への道路標識を左に見ながら小
浜を通過、多田寺、神宮寺や明通寺といった若狭の名刹はコッチだよの道しるべを惜しみつつ見ない事にし
て、若狭町安賀里の里、諦應寺へと迷車大和路号はひたすら走っております。ひょんな事からこのお寺に立
木観音がある事をを知り、是非是非見たいとの思いで一心不乱遠い道のりをやって来た次第であります。         



▼立木銀杏観音。樹齢450年という銀杏生木に彫られた十一面観音菩薩。





[ 諦應寺 ]
●山号 城谷山
●寺号 諦應寺 (たいおうじ) 
●開基 順翁慶随和尚 (じゅんのうけいずい)
●開創 永正三年 (1506年) 頃
●宗派 曹洞宗 (そうとうしゅう)
●本尊 釈迦如来坐像
▲入山料 境内自由 朱印 300円 駐車場無料
▲拝観時間 8:00~17:00
▲福井県若狭町安賀里33-1 Tel.0770-62-2864 


▼参道。





[諦應寺縁起]
開山順翁慶随は丹波篠山円通寺の牧翁性欽に師事し明国に渡る。帰国後、永正三年 (1506年) 若狭に諦応寺
をひらいた。



         ▼臭いものと酒は境内に入れてはならん。





▼山門と大銀杏。





         ▼この大銀杏に観音さんが彫り込まれているんです。





         ▼これが銀杏観音。





         ▼銀杏の生木に彫られて約160年、集落住民の安寧を念じ、
          諦應寺三十世住職仏山恵隆和尚が彫ったといいます。





         ▼観音さんの胸に見える窪みには曽ては経文が入れられていたそうで
          今は無く蓋のみだそう。





▼山門。高さ7m、幅6m、総欅造二階建、入母屋造、桟瓦葺、二階が鐘楼になってます。
 最近茅葺屋根から瓦葺に替えたそうですが新旧バランスが今ひとつ、頭でっかち尻なんとやら。





▼桁裄九間の立派な本堂です。雪害対策なんでしょう急勾配の屋根はトタン葺と思われます。
 左手の樹は樹齢約400年のギンモクセイの大樹です。





▼内部荘厳と須弥壇。





         ▼本尊釈迦如来坐像。
          若々しいお釈迦さん、バッチリ目が会いました。





▼小さいですがきれいなお庭です。





▼宝物庫と思うんですが。





▼境内にこんな石仏が。





▼参道左手に百体地蔵の丘。





▼実際は250体以上あるそうで祈祷のお礼参りにお祀りしているそうです。お地蔵さんもこういう並べ方は
 壮観です。





▼こんな環境に諦應寺はあります。





▼御朱印です。

 



立木観音と云う言葉は聞くんですが、実際に見るのはここが初めて。
生木に仏像を彫り込むと云う発想は樹の成長と共に仏の成長をも見込んだ計算なのか。逆に生木に鑿を入れ
る事による樹のダメージは計算したんだろうか、とか、ついボクたちは考えてしまいますが、いやいや往時
の仏に対する信頼感、信仰心がただひたすら一途に全身全霊で鑿を振るう、そう云う一種の祈りの形が160
年後の今でもこうして、銀杏も観音さんも何ら変わりなく往時の姿を保っている。信仰心の強さを示す一例
かも知れない。銀杏の古木は若葉が茂りだし、やがて鬱蒼の樹形を見せてくれるに違いない。
ただ惜しい事に観音さんの傷みが酷く、お顔の割れが目立ち体各部に欠けが目立つ。補修剤か補強剤か知ら
ないが像表面に樹脂風の何かが塗られている、これがまた剥げだしてお気の毒な状態になっているのが心残
りですわ。

と云う訳で今日は380km堂々の走破。家に帰ってバタンキュ~ウウウウウウウウウ!





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