土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

九品寺、ご本尊は何処へ行かれたのでしょう。

2016年05月03日 | 京都の古寺巡り





(2016.04.30訪問)


みなさ~ん、GWどうお過ごしですか。
今日はGW二日目土曜日です。土曜古寺巡り今日も行きます。迷車大和路号は第二京阪から京都縦貫道をユックリ長閑に走ってい
ます。早く走りたくてもスピード出ないもんで。
今日は南丹市の古刹巡りなんです。南丹市は亀岡の北、長閑な田園都市はGW我関せずのごとく、車はいない、人もいない、実に
静かな町の山裾を走っているのです。



▼迷車大和路号のアホナビは一本手前の細~い道を指示、150m位行くと突然急坂急カーブ、曲がったトタン行き止まり、どこへ
 行くつもりやお前は……。バックでしか戻れずやっとこさ元の県道へ。50mほど先にこんな参道があるのに。





[ 九品寺 ]
●山号 鴫尾山(しぎびざん)
●寺号 九品寺(くほんじ)
●宗派 真言宗御室派(しんごんしゅうおむろは)
●開基 伝 弘法大師空海(こうばうだいしくうかい)
●開創 伝 弘仁元年(810年)
●中興開山 白川上皇(しらかわじょうこう)
●中興 覚行親王(かくぎょうしんのう) 白川上皇第三皇子
●本尊 三面千手観音菩薩立像(現安置場所 京都市西京区の正法寺)
▲拝観 境内自由   
▲京都府南丹市船阪大門47-1 電話0771-62-3704
▲JR嵯峨野線「園部駅」京阪京都交通バス八田線「九品寺」下車
 
 京都縦貫道「八木西IC」から約10km





▼仁王門(重文)。三間一戸、重層楼門、入母屋造、檜皮葺、八脚門。両脇に仁王像が安置。鎌倉後期。
 かって創建時の遺構を伝える唯一の建造物。要するにこの仁王門しか残っていないと云うことです。






九品寺縁起
寺伝によると、弘仁元年(810年)弘法大師の開基と伝えます。承暦三年(1079年)白河天皇が行幸され、船井郡十一郷に及ぶ広大な
寺田を寄進された上、皇子の覚行親王を中興開山として復興されたと伝えます。
戦国時代明智軍の兵火で衰微、元和九年(1623年)園部藩主小出吉次が再興。その後明治の廃仏毀釈、神仏分離は九品寺にも荒廃
をもたらし、第二次世界大戦後には仁王門を残すのみとなりました。




▼金剛力士阿形像。












▼金剛力士吽形像。












▼仁王門から石段が見えます。いやな予感!







▼増々いやな予感、先行き真っ暗。







▼蹲踞も成り行き任せ。







           ▼観音さんがお立ち、ちょっとホッとします。







▼参道を少し行くと右手に石段、庫裏の山門かなと潜っても堂宇などは見当たらない。







▼殆ど倒れかけの鐘楼がありました。







▼参道石段脇の暗~い所に遠慮がちに咲くシャガ。













▼あの上に見えるのが本堂。







           ▼石段中途に寺号と八十八カ所霊場石碑が。







           ▼本堂の屋根が見えてまいりました、やっと最後の石段です。







▼本堂、緑だらけで堂景定かにあらず。







▼堂名の木札が観音堂と書かれ中を覗くと……、







           ▼どう考えても本尊の観音さんではない仏像が祀られています。大日さんだと思われます。






           本尊は三面千手観音菩薩立像(重文)と聞いていたのでこれはどうしたことでしょう?
           どうも京都市西京区にある正法寺の本尊がここ九品寺の本尊であるらしい。
           なぜ九品寺の本尊が正法寺に?

           何方か解答を知りませんか。

           ▼このお像が噂の三面千手観音菩薩立像です。(以前正法寺を訪ねた時の写真です)







▼こう云うアングル写真では本堂の重量感を出すことは出来ませんネ。







▼やはり緑だらけの本堂。正面に引きの無い平地に建っています。







▼本堂を少し下った所、中興覚行親王のお墓が、宝篋印塔がなぜか二基。







▼船坂観音霊場参道。九品寺は船坂観音霊場として三十三寺院の本尊を祀り、巡礼道が整備されています。そのうち数ヵ寺の本尊を。







           ▼最初になぜか第二番、紀三井寺の福寿観音、石像。







           ▼第一番、那智山 青岸渡寺 如意輪観世音菩薩、ブロンズ像。







           ▼第四番、和泉国 施福寺 千手千眼観音菩薩、石像。







           ▼第五番、河内国 葛井寺 十一面千手千眼観世音菩薩、石像。



       お像の精巧さ、緻密な彫りにはビックリします。特にこの十一面千手千眼観音には言葉も出ません。




           ▼第十二番 岩間山 正法寺 千手観世音菩薩、ブロンズ像。



これ以上奥へは行く気になれず、なぜかゾクゾク、人っ子一人いない鬱蒼の山道、早い話コワ~いですのでココまで。





▼逃げるようにして仁王門まで戻ってきました。





仁王門を初めて目にした時、相当立派なお寺だこれは楽しみ、が仁王門を潜って参道石段の上を見ると緑鬱蒼の薄暗~い空間、
まるで緑のブラックホール。緑萌え出る絶好のシーズンとは云え暗~い濃~い緑の中に入ってゆくのは勇気がいります、森林浴
どころじゃないですヨ。
九品寺は仁王門と本堂のみのお寺です。しかし門~石段~堂の間にはしびれるような空間が待ってます。
皆さん、一度しびれに来られたらいかがでしょう。





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