土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

室生寺、小粒の五重塔は相変わらず優雅な佇まい。

2016年08月30日 | 奈良の古寺巡り





(2016.08.27訪問)


迷車大和路号は宇陀路を失踪中、じゃなかった疾走中、もちろんチンタラですが、久々の大和路です。
最近の室生寺訪問での奥の院参拝は、あの石段を見るだけで足もつれ腰砕け、大体がパス。
今日こちらに着いてみると、小雨パラパラ、気温23℃肌寒いくらい、こりゃええわとハートを燃やして奥の院へGO!

ヒドイ写真ばかりでお恥ずかしい限り、こんな時に限ってやたら写真が多いんですわ。アホらしくなったらスルーして下さいね。
目に障りますよ。



▼室生の山々も霧が降り烟っています。小雨が降ってるんです。






[ 室生寺 ]
●山号 宀一山 (べんいちさん)
●寺号 室生寺 (むろうじ)
●勅願 伝 光仁天皇 (こうにんてんのう)
●開基 賢憬 (けんけい)
●開創 奈良時代後期
●宗派 真言宗室生寺派大本山
●本尊 如意輪観音菩薩坐像 (灌頂堂本尊)
▲入山料 600円 朱印 300円 駐車料 500円
▲拝観時間 12月1日~3月3日 9:00~17:00 4月1日~11月30日 8:30~17:00
▲奈良県宇陀市室生78 Tel.0745-93-2003
▲http://www.murouji.or.jp
▲近鉄大阪線「室生口大野駅」下車 室生寺前行きバス終点下車徒歩5分





▼シンボル朱の太鼓橋もお湿りです。






室生寺縁起 (室生寺パンフより抄出)
奈良時代末期、この深山で時の皇太子山部親王 (後の桓武天皇) 病気平癒の祈願が興福寺高僧、賢憬など五人の僧により厳修、卓効あっ
たことから、勅命により創建されたのが室生寺で建立実務は賢憬高弟修円であった。以来各宗兼学の寺院として独特の仏教文化、仏教
美術を形成継承、そして流れる室生渓流は龍神の信仰を生み、雨乞い祈願も行われてきた。時の高野山は厳しく女人を禁制してきたの
で女人の救済済度をはかる真言道場として女性参詣を許したことから以来女人高野と親しまれている。




▼正面に本坊山門。脇に建つ女人高野室生寺の石柱。






            ▼寺号石柱。






▼仁王門。重層楼門、三間一戸、八脚門、檜皮葺、初層左右に仁王像。建立は近代のものです。







▼扁額は室生山。







▼阿形仁王さん。







▼吽形仁王さん。







▼さて入山です。仁王門の向こうは樹叢これでもか状態。







▼梵字池。僅かに仁王門が映り込んでます。







▼小雨に烟る緑のグラデーション。







▼参道石段が有名な全部自然石の鎧坂。







▼春の見事な石楠花も今はただの葉っぱ。色気がないのもまた一興か。







▼金堂が見えてきましたヨ。







▼金堂 (国宝)。桁裄五間、梁間五間、寄棟造、杮葺。懸造り。文政十年 (1827年) 再建。
 本尊 釈迦如来立像 (国宝)、像高237.7cm、榧一木造、平安時代前期。
 まさに仏像の宝庫、内陣には本尊を中心に五仏が並び、その前に十二神将 (重文) が一列に整然と並んでいます。






            ▼数年前に描いた本尊釈迦如来のペン画です。






            ▼五仏の前に並ぶ十二神将。(写真はポストカードセットから)






▼石段を上り脇口から入堂します。







▼金堂西には弥勒堂 (重文)。桁裄三間、梁間三間、入母屋造、杮葺。鎌倉時代。
 本尊 弥勒菩薩立像 (重文)、榧材一木造り、両手、天衣、瓔珞などもふくめて一材から刻んでいるそうです。



杮葺の屋根が相当酷いことになってます。今、一口金千円の善良な皆様の御寄進募集中。





▼本尊の隣に客仏として祀られている釈迦如来坐像 (国宝) のインパクトは凄い!
 像高106.3cm、波打つ翻波式衣文のリズム感は凄い彫技です。



(堂内写真は御法度なんですが、お堂の外20m位から300mmズームで引っ張った写真です)





▼すこしアングル替えで。






            ▼境内の隅の方に、北畠親房の五輪塔墓。後醍醐天皇の忠臣と云われているものの、
             功罪相半ばする後世の評価もある公卿。






▼室生寺創建に効あった修円廟。賢憬さんの弟子に当たる方。







▼灌頂堂(国宝)、室生寺の本堂です。桁行五間、梁間五間、入母屋造、檜皮葺。延慶元年 (1308年) 建立。
 軒の出が深く屋根の反りがひと際優美な堂形です。






            ▼本尊 如意輪観音坐像 (重文)。像高78.7cm、檜一木造、平安時代の作。
             現在本尊は鋭意修復中につき、写真がその代理を勤めています。
             (本尊写真はネットからもらってきました)






▼灌頂堂。







杉木立と緑の中、優雅な佇まいの五重塔 ア ラ カ ル ト

▼五重塔 (国宝)。塔高16.1m、檜皮葺、平安初期の建立。室生山中最古の建造物。屋外五重塔で我が国最小。





















            ▼軒の出が深く、逓減率の小さい塔です。     











▼少し高台から杉の巨木の間から見える五重塔。  











            ▼珍しい相輪。九輪の上は本来水煙ですがこの相輪は宝瓶を載せ
             宝鐸を吊り天蓋を構成している、他に類がない相輪です。






▼五重塔横に並ぶ石仏。







▼向こう側は谷になってる道端にひっそり五輪塔。






            深山幽谷を縫うように続く石段、奥之院へ向かいましょう。

            ▼赤い無明橋を渡ると試練が待ってます。アアいやだ!






            ▼本格的登山と云ってもいい位の急階段。いやだいやだ!






            ▼参道両脇には石仏、石塔、石碑などとりどりの石の形が置かれて一息つきつつ上ります。
             面白い五輪塔ですネ。






▼こんな巨木の間を縫って石段は続きます。






            ▼見りゃ判りますけど灯籠ですネ。






▼懸け造りのお堂が見えてきました。ボツボツ石段もオシマイか。







▼こんな石碑も建ってます。南無大師遍照金剛と読めました。







▼参道石段も終わりのようで、懸け造りのお堂が姿を現しました。   



















▼ヤレヤレ参道石段の終点。







▼僅かばかりの平地に建つ御影堂(重文)。本尊弘法大師四十二歳像を安置。
 方三間、単層宝形造、板段葺、屋根トップは石造路盤。鎌倉後期。







▼大変珍しい二重木板の屋根、どう見ても木には見えません、だけど木です。







▼屋根の上、モヤモヤ見えますか?
 湯気が上がってるんです。降ってた雨があがり、急にお陽さんが当たると水分蒸発で湯気になるそうで受付の若い僧が
 教えてくれました。実際目ではよく見えるんですがカメラを通すとあきませんネ。







▼奥の院もう一つのお堂、位牌を祀る常燈堂。先ほどの懸け造りのお堂です。







▼扁額はなぜか金剛殿となってます。







▼正面にはズラリ金ぴかの位牌が。






            ▼室生火山群の名残、溶岩上 (諸仏出現岩だって!) に建つ七重石塔。






▼奥の院参拝オシマイ、帰りの石段なんてヘッチャラ、スイスイですわ。







▼緑イッパイの中で近づく秋を知らせてくれる慌てもん。







▼ご朱印は鎧坂に置いて撮りました。






                        ▼最後に国宝五重塔をもう一枚。






陽の射さない、曇り空で時々小雨パラパラ、こういうシチュエーションでのお寺巡り、時にはエエもんですね。下界の連日猛暑がウ
ソのような今日の室生寺、さすが山寺、しかしあの奥の院参道石段では汗はタラタラ、着いたらフラフラ、結局、夏と石段は暑いと
云うことを再認識した室生寺でした。




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