蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

千秋楽は・・・

2009年02月12日 20時34分26秒 | 日記
今日は、フリンジ・シアターの千秋楽でした。

ご来場下さいました皆様に、心から感謝とお詫びを申し上げます。

私以外の役者陣の出来は上り調子。

それなのに・・・

お客様はもちろんのこと
団員やスタッフに迷惑をかけてしまい
とことん落ち込んでおります。°・(>_<)・°。


・・・・・・・・・・・・・・・


実は・・・本番中、突然・・・

声が・・・声が、出なくなってしまったのです・・・

一週間ほど前から、声が潰れかけてはいたのですが
何とか持ちこたえて初日を終え
午後の通し稽古は、声のボリュームを
押さえ、本番のために温存し
これで何とか本番をクリアできるだろう・・・
と考えていたのだけど・・・

開演後、私の登場する2回目の場面で突然全く声が出なくなり

  え?!
  で、でないっ!
  こ、こんなことって・・・

役者を何十年もやって来て、初めての経験・・・というか失態だった。

滅多にパニックを起こさない私だけど
このときばかりは頭が真っ白になってしまって・・・

休憩中に、劇団員と対応策を練り
回想シーンの声を他の団員にやってもらうことにする。
このアクシデントで休憩時間が長くなり
お客様に大変御迷惑をおかけしてしまった。

ヴァイオリニストのMさんが
待ち続けてくれているお客様のために
急遽一曲演奏して下さった。

そして、いよいよ2幕が開幕―

私の出演する最後の5話・・・

  声が出ない状態でどうやって演じる?

自問自答を続け

  ボディランゲージと心で伝えよう・・・
  声が出ずらいおばあちゃんもいるよね・・・
  集中力で勝負だ・・・

4話の途中も私の登場場面があり
アクションと表情で相手に伝えながら
横隔膜を下げて、どこに響かせれば声が出るか
出ない声を振り絞り、実験しながら
何とか4話を終えた。

お客様も徐々に私の声が出ないことを認知してくれ始め
アクションをみながら、真剣に私の声に耳を傾けようとしてくれている。

  申し訳ありません・・・
  ありがとうございます。°・(>_<)・°。

舞台ソデでは、団員たちが私をジーっと見つめている。

  ここで私が崩れたら・・・
  絶対に諦めないぞ!
  とにかくラストだ・・・ラストだけは声を出したい・・・
  どうすれば声になる?どうすれば・・・

そして、ついに5話が始まった。

やはり声は出ない。
相手役のK君が、私の台詞を拾いながら進めてくれている。

  申し訳ない・・・
  本当にありがとう・・・

そして舞台は見せ場に突入。

  ここから先は何としても台詞を言いたい!

祈る気持ちだった。
舞台ソデで私をジーっと見つめている団員たち・・・

  何としても声を出さなければ・・・

そのときだった。
声が出始めたのは・・・

  あ・・・出る、ここの音なら辛うじて出る・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

辛うじてラストの見せ場だけは台詞を言葉にすることができ閉幕―

みんなが祈ってくれたおかげ・・・
そして、最後まで私のかすかな声に耳を傾けてくれようと
真剣に舞台を観続けて下さったお客様のおかげ・・・

皆さんの温かさに救われた舞台でした。
本当に御迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

これまでは、過労も寝不足も気合と根性で乗り越えてきたけど
年齢には勝てないということを痛感した今回の出来事でした。

今後は体調管理に充分気をつけ
二度とこのようなことがないように
気をつけていかねば・・・

これに懲りてしまったお客様もいらっしゃるかもしれません。。
そういうお客様にも、再び舞台に足を運んで頂けるよう
更に精進を重ね、より良い舞台造りをしていこうと思います。