蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

力強いメタファー

2017年10月08日 23時01分58秒 | 日記

先日、ノーベル文学賞を受賞された作家のカズオ・イシグロさん
受賞記念のインタビューを拝見して
本を読んでみたいと思っていたところだが
連日総文祭総合開会式の練習のため
松本通いと稽古、総文祭の音響製作で
自分の時間が全く取れず、本を購入することすら
遠い彼方へ行きかけていた(汗)

先程何気なくTVをつけたところ
そのイシグロさんがNHKの白熱教室で
学生の皆さんに文学や執筆について語っていて
興味深くて仕事そっちのけで
聞き入ってしまった^^;

最初っから観れなかったのが残念だけど
私がずっと求めていたヒントをいただけたのは
何よりの収穫♪

それは・・・

『メタファー』→比喩

イシグロさんは『隠喩』とも表現していた。

「力強いメタファー」を探しているとも。

2つ3つの短い文章にしてメモして
本当にこのメタファが力強いか考える

短い文章から執筆衝動が生まれるか
イメージが膨らんていくか

アイディアがいくら面白くても
2、3のセンテンスで表現できなければ
小説として書き上げることはできない。

隠喩になる言葉は文章を書き留めておき
それらを比べて、強いメタファーを選ぶそうだ。

歴史書は出来事を伝えてくれるけれど
人間の感情は伝えてくれない。
それを表現できるのが文学

小説独特の表現手法の追究・・・

小説を読むことでしかない読者の体験

 

私は芝居の脚本を執筆する時
いつも同様のことを考えている。

現代社会の中で、自分が感じている違和感や問題点を
舞台においてどんな比喩で表現しようか・・・

お客様には楽しんでいただきつつも
芝居を観終わり、お風呂に入っている時
あるいは団欒している時
この芝居が、お伽話ではなく
この世界に非常に密着した内容であることに
ふと気づいて頂けるといいな・・・

と思いながら執筆している。

演劇でしか出来ない表現手法・・・

これもずっと模索し続けている。

到底イシグロさんの足元にも及ばないが・・・

メタファーのセンス
メタファーの成熟度
時代や場所設定をする前のロケハンへのこだわり

物語の世界観の構築
その世界のルールの明確化

難しいのは事実とどこまで離れていいのか・・・
私が悩む点でもあるが
この点についての明確な回答はなかった。

益々イシグロさんの本を読みたくなった。

ヒントをいっぱい頂けて感謝!

今後の作品に反映できたら・・・と思うが
そう簡単なことではない。

けど諦めず、一段一段階段を上がっていきたいと思う。

ひとまずメモとして書き記しました(^^)

ご興味のある方は、下記の映像をご覧になってみてね(^o^)v

白熱教室 カズオ・イシグロ 文学完全版