蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

小布施ワークショップ

2013年09月09日 23時48分25秒 | 日記
昨日は、午後から小布施町にてワークショップを行った。
アシスタントは劇団員・ケンジ君。

小布施町の皆さんもオープンエアシアターを
ご覧になられた方が多いはず。
オープンエアは小布施町内でも
評判が良かったようだし…

これまで興味のなかった方も
もしかしたら参加してくださるかも…
という淡い期待を抱きながら
WS会場である北部体育館へ向かった。

到着すると…

おお~っ!

既に10人以上が集まっている。

私が挨拶をすると

 石の城、感動しました!

とか

 チラシの劇団名を見て「あれ?この名前…野外劇をやった劇団?」
 と思ったので来てみたんです!

とか

 リハーサル見学させていただいたんですよ。
 本番も良かったけど、リハーサルも面白かった!
 こうして作られるんだって思ってみたら
 感動が更に大きくなって…
 主人も「私もリハーサル、見たかった」と言ってましたよ。

など、嬉しい言葉を次々とかけていただいた。

オープンエアに一般参加として出演した
小布施メンバー4人の姿も!!

なんというか…
急に小布施の皆さんとの距離が縮まったように思えて
それがまた嬉しかった♪♪

ワークショップの雰囲気もいい感じで
和気あいあいとした中にも、皆さんそれぞれが
何かしら修得したいという心意気も見えて
やりがいのある2時間だった。

また、ケンジ君が先日の演劇大学で学んできたことを
参加メンバーに体験してもらったところ、大変好評で

 これは、色々と応用できるね♪

と思ったのも収穫の一つ。

3月の発表に向けて月1回行っていくこのWS。
みんな継続して参加してくれるといいなぁ…

昨日の参加者は全部で15名!
有難いことですね♪

来月も皆さんに楽しんで頂きながら
何か一つでも自分のためになることを
持ちかえっていただけるWSになるよう
更に工夫をしていこうと思います。

オープンエアシアター2013☆打ち上げ☆

2013年09月07日 23時53分01秒 | 日記
昨夜から今朝までオープンエアシアター2013の打ち上げだった。
毎年のことながら、12時間以上ぶっ続けの大宴会♪

ご参加いただきました皆様、お疲れ様でした。
楽しい時間をありがとうございました!

一次会は、スマイルホテル一階のビュッフェ居酒屋『バール』
オープンエアの打ち上げは、これまで公演の週の土曜日だったが
今回は諸事情により翌週金曜日に開催させてもらった。
公演後、2週間もあくと熱が冷めちゃうのでは?と思っていたけど
全くそんな気配はなく、みんなのテンションは絶好調(?!)
50名程の関係者が集い飲んで食べてしゃべってしゃべって
私も食べる時間がないくらいずっと話し続けて(笑)

恒例の一人一言は、今年も盛り上がりました♪
団員と一般参加の皆さんはもちろんのこと
ダンサーの淳一君も東京から駆けつけてくれたし
無茶さんも無茶フェス前で超多忙の中、参加してくれて
二胡の賢人君もコンサート後、超特急でかけつけてくれて…
ニットーのM社長さんやパーカッションの波田野さん
ベースの多美ちゃん、和太鼓のセナ君
声楽隊の皆さん、特別出演の皆さん
そしてボランティアスタッフの皆さん
更に夢幻の理事T氏もご参加くださいました。

皆さん、本当にありがとうございました。

なんというか、凄いエネルギーだったな~
このメンバーだから、あの舞台が出来たんだよね。
エネルギーが足し算ではなく掛け算になるチーム…
これがオープンエアの醍醐味♪

一次会の締めは一本締め!
半数位は帰路に着いたが
20名以上が二次会の青木邸へ移動し
更に新たなメンバーも加わって
再び大宴会が始まった。

狭い我が家は、あっちもこっちも人だらけで
足の踏み場がない状態。

正則役の池田さんや、牧社長もいらしてくれて
熱く語り合いました~
午前2時頃、一陣が帰路へ。
その後、残ったメンバーで今後の展望を含め
語っているうちに、気付くと明け方!
私は若者のパワーについていけず
午前6時、ベッドに潜り込ませてもらった。
私と話したいと言っていたメンバーには
申し訳ないことをしました・・・
ごめんなさい・・・
私が寝る時点で、まだ10人以上残っていた気がする。
みんな何時に帰ったのかな…

こうして12時間超耐久レースは終了!

次は11月9日(土)に予定しているサンクス・ギビング・デー♪♪
今年は諸事情で二週間程早い日程になっていて
しかも日曜日ではなく土曜日。
忘年会というには早過ぎるけど、一年間の感謝の心を込めて
24時間ぶっ続けで、皆さんと語り明かしたいと思います。

2ヶ月後か・・・
あっという間だね、きっと。

昨夜、ワインを飲み過ぎたせいか
どうもお酒が抜け切れていない感じ。
で、仕方なく稽古前に一時間ほど横になった。
お陰で何とか体調は回復して、ホッ。

やっぱり年齢は考えなきゃダメですね~(汗)

今夜の稽古は、久しぶりの研修生通常稽古だった。
青年クラスでは、有名な戯曲の抜粋を稽古に取り入れ
団員たちが戯曲に興味をもって自主的に
“戯曲を読む”ようになって欲しい…と考えている。
今夜は、シェイクスピア四大悲劇の一つ「マクベス」から
三人の魔女のシーンを抜粋し、まずは正確に読むこと
そして、歌わずに普通に言葉を発することに重点を置きながら
チームに分かれて発表してもらった。

うーん…正確に読むって難しいのかな…
特に長い台詞になると、変換して読んでしまうメンバーが何人かいる。

戯曲を読む前に、まず正確に読むという練習も必要かも…

課題が見えた青年クラスの稽古だった。

さて、明日は小布施町での月1回ワークショップ。
何人ぐらい参加してくれるかな…

~追記~

■手締めについて

 一回だけ手を叩くことを一本締めと言う場合が多いようですが
 正式には「一丁締め」と言うそうです。
 ・三本締め (3×3+1)×3+1
 ・一本締め 3×3+1
 ・一丁締め 1

今回の打ち上げ一次会の締めで行ったのは
一丁締めでした。
ご指摘いただきましたYさん、ありがとうございました。

無茶フェスin松本

2013年09月05日 18時40分13秒 | 日記
皆様にお知らせです!

オープエアシアターに特別出演いただいた
グレート無茶さん率いる信州プロレスリングさんが
今週日曜日に一大イベントを開催します!

信州プロレスさんは「面白い!」「笑える!」プロレスとして評判が高く
また、無茶さんはオープンエアで舞台をご一緒した仲間でもあります。
もしご予定がつくようでしたら、ぜひ無茶さんの応援にお出かけください!

『無茶フェス2013 in 松本』

■日時
2013年09月08日(日)
一般開場 11:30(予定)
優先入場チケットをお持ちの方 11:00(予定)
試合開始 13:00(予定)
終了予定16:30
■会場
松本総合体育館
■入場無料
★12:00~試合開始前まで音楽イベントなどがあるそうです。
★メインイベント≪スペシャル6人タッグマッチ≫はワクワクするような組み合わせ♪
 グレート☆無茶・信州タイガーアロー・シマ重野(新潟プロレス)
    VS
 藤波辰爾・長州力・初代タイガーマスク

凄いカードですね~♪

無茶さんの熱い心意気は、夢幻に相通じるものを感じます。
夢幻も信州プロレスリングさんを応援していきたいと思います。

フレーフレー!無茶さん!!

にいがた演劇大学②

2013年09月03日 12時38分59秒 | 日記
さて、演劇大学の続きです。

午後からは実技講座の発表会を見学。

作品はチェーホフの「三人姉妹」
指導は、松本修氏。

二時間半の戯曲を40分程度の短編に凝縮した作品。
四幕物だった。

わずか一日3時間程度を三日間稽古しただけで
発表会をするには、作品が重すぎたかな?

役者の演技面はさておいて、チェーホフ作品を
かじるには、良い機会だったかもしれない。

この実技に参加したケンジ君も
戯曲を読みなさい!と言っているのに
あまりガツガツ読もうとしていなかったので
今回は強制的に近代戯曲の代表作を読むことになり
それだけでも、良い経験になったのではないかと思う。

私は、客観的に台詞を聞いて

 これはコメディだわ

と、改めて認識した次第。
そして人類の在り方を遠くまで見通しているチェーホフに
改めて興味を持った。

交流会で、チェーホフの作品に詳しい評論家の村井氏と話した中で
「結婚の申し込み」「熊」をやってみたらどうかとご提案をいただいた。
これまで、他者の戯曲を上演したことがない私だが
何らかの形で上演してみたいと考え始めている。

松本氏、曰く

 ただ待っている人というのが面白い
 しかもその人たちが不幸な人であり失敗した人であり
 これから失敗するであろう人々である
 舞台上に黙っている人たちの面白さがある

と。

その後、シンポジウム会場へ。

テーマは「新潟の演劇と国際交流の可能性」

私は「新潟の演劇」という部分を「地方の演劇」に置き換えて
パネラーの皆さんの話に耳を傾けた。

・劇場は考える場所
 人間は心に傷を持っているが故に演劇が必要

・県全体の演劇ネットワーク化を図る⇒風通しを良くしていく
・新潟市にはアイドル土壌がある
  キッズミュージカルが盛んとのこと

・新潟演劇人は皆、仕事や家庭との両立で悩んでいる
 そうでない人は東京へ行く

これは、どこの地方でも切実な問題かも。

これに対し、演出家の皆さんは口を揃えて

  東京も同じです

と。

だよね、東京に出たからと言って
演劇で生活していける人はごく僅か。
みんなアルバイト生活を余儀なくされている。

演劇を継続していける体制を作るには…
この答えは特になし。

ただ、演劇の地位向上と資格制度が出来れば・・・
例えば、地方自治体で演劇学校を造る試みが生まれ
それが波及して行けば…という意見はあった。

そういえば…
小布施町で、演劇学校建設の話が出たっけ。
今のところ、賛同者が少なく難しそうだけど
これが実現したら全国的に注目を浴びるかもしれないな…

歴史を振り返っても、古代ギリシャ時代から演劇は存在した。
そして、消滅せずに今に至る。
これは、人間にとって必要なものであるという証明になる。

国際交流の話

簡単に世界へ行けますよ~
と、誘うような演出家たちの言葉が続いた。

が、私は今

 足元を固める時
 まずは長野県の土壌を耕さねば…

と思っているので…

だが、いずれは異文化と交流したり
世界の演劇に触れてみたいと思っている。

その後、演出家陣と新潟市演劇人の大交流会に
参加させていただいた。

長野から来たということで、皆さん大歓迎して下さり感謝!

三年ぶりに再会した和田先生と
たっぷりお話ができ、とても嬉しかった。
先生は相変わらず精力的に活動されている。
凄いな~私も見習わねば!

女性の演出家・小林七緒さんとは
女性演出家が少ないという話になった。
本当に指折り数えるくらいしか知らないんだよね。
その中に私も入れてもらえた…かどうかはわからないが
長野で野外劇をやっている団体という点で
特殊性があるため、皆さんの印象に残ったかもしれない。

野外劇を継続していく大変さは
演出家であれば、みんな知っているから。

その後、色々な方と交流し、地方の演劇事情は厳しいな…と思いつつ
そこで前向きに活動しているメンバーと出会えたことが嬉しい。
どの人も野外劇にはとても興味を抱いてくれて

 来年、観に行きます!

と言ってくれた。

今後、何らかの形で交流していきたいと思う。

和田先生始め、演出家の皆様、評論家の村井先生
ありがとうございました。

そして、新潟市の演劇人の皆様
お仲間に入れてくれて、ありがとうございました。
これから、よろしくお願いします!

にいがた演劇大学①

2013年09月02日 15時22分50秒 | 日記
昨日、新潟市で開催された演劇大学を受講。
朝6:15、自宅を出発。
運転手はもっちゃん、同行者は恭子ちゃんとサリア。
途中PAで休憩を取り、9:10に新潟駅前で
ケンジ君と合流し大学到着。
受付を済ませ、9:30から始まる西村氏の講座見学。
ケンジ君は実技講座のリハのため、別会場へ。
西村氏の講座はスタニスラフスキーシステムによる
様々な身体へのアプローチ…という感じ。
面白そうなので参加してみたかったが
私は坂手氏の講座受講のため9:55に移動。

10:00から「演出家と語ろう」(講師/坂手洋二)に参加。

①作家と演出
・演出家が生れたのは何故か?
 第三者的視点 合理性・責任の所在
 客観と主観の違い
 例;写真⇒客観 絵画;主観
   演出⇒客観 俳優:主観
・演出家は、ある世界観を観客に提供することができる存在
 ●イプセンは、俳優(主観)では人間の本質(ダークな部分)を
  表現できないのではないかと考えた
 ●チェーホフはイプセンの影響を受けている
 表現形態は多種多様だが、演劇の特殊性は
 存在する(実在する=ある)身体と言葉を使う表現である
 言葉がない世界⇒認識がない世界
 言葉は人間が狂わないためにあるのではないか?
・人間は色々な事象に対し「なぜ?」と疑問を持ち
 それに対して想像する特質があり、自分なりの答えが欲しくなる
 例:なぜ子供が泣きながら生まれるのか?⇒生まれるのが怖いから泣いているのでは?
・言葉は分節化し、置き換えることができる
 例:私⇒あなた
 自分を取り出し、自分でないものに見たてることが可能
・「演劇とは何か?」というところから考えて行くことが重要
・演劇は情報(ジャーナリズム)の提供という役割がある
・演劇には総合表現(全ての表現)が含まれる
・作家はそれだけでも生業としていけるが
 演出家という存在は近代生れたものであり
 未だそ認知度が低く地位が確立されていない故
 演出者協会は演出家の地位向上も目指している
・口から発する言葉ではない身体の言語による表現も演劇の一つ
・演出の最大の敵はステレオタイプ
・演劇の豊かさを認識する

②舞台美術は演出家の仕事
・客席を含む全体の空間を疑っていく
 こうである、と思いこまないということか…
・劇場キャパによるセットを考える

③役者
・感情を自分だと勘違いするな
・見せているのではなく、自分も体験しているのだ
・ちゃんと感じる⇒衝動(日常から感じる必要性)
・相手とのやり取りの重要性

坂手氏の話を聞き、下記のようなことを考えた。

悲惨な状況を舞台にしようとすると
悲惨なことだけを大げさに表現しようとするが、実は
人間はどんなに悲惨な状況下でも豊かに生きている。

 ステレオタイプ⇒固定観念・既成観念

表現者は、全ての固定観念を疑ってみることが必要なんだよね。

ところが、人間は日常生活でこの観念をかなり多用している。

こんな文章を見つけた。

 ステレオタイプ的認知は、常に変化し完全に把握することが難しい現実を
 ある一定のパターンにより整理して理解し、また、その後の変化を速やかに予測し
 対応することを可能にするという利点もあります。
 環境に対して適応的な行動をとっていくために不可欠な認知でもある。
 しかし、ネガティブな印象を伴うステレオタイプは
 時に偏見や差別を生み出す危険もある。
 また、そのようなステレオタイプは「認知療法」などにおける
 ターゲットとしても取り上げられる概念。
 人間は世界のありのままを観ているのではなく、一部を抽出し
 解釈し、帰属させているなどして認知しているため
 必ず個人差があり、主観的と言える。
 それゆえ、誤解や思い込み、拡大解釈などを含んだ不都合な認知をしてしまうことがあり
 結果として、怒りや悲しみ、抑うつなどが生じてくると、認知療法では仮定する。
 これらのステレオタイプな認知は、認知の「歪み」と捉えられ
 それを修正することが認知療法の目標とされる。
 ステレオタイプは、経験の積み重ね以外にも、情報が得られるだけで
 形成・強化されていく場合がある。
 つまり、あるステレオタイプ的信念を自分では信じていないつもりでも
 そのような相手と遭遇した際、無意識な部分で、ステレオタイプ情報が活性化することになる。
 このように、ステレオタイプは無意識的に生じることも多いため
 この点に自覚的になることが重要なのである。

自分を分析すると、ある概念で予測することは多々あるが
確定はすることは殆どない。
が、どちらかというと一面を見ただけで

 この人は、こういう人間だ

と、断定してしまう人が多いようにも見受けられる。

表現者としては、出来るだけ表に見えていない部分を発見すると共に
現実に起きている出来事を拡大・妄想せず
正確に観察する目を持ちたいものだ。

坂手氏の話は、あちらこちらに飛んだけど
演出を手掛ける者としては、とても興味深かった。

特に、夢幻は予算的な都合で
舞台美術に力を入れることが出来ないと思っていたが
坂手氏の話を伺い、もう一度舞台美術というものを
熟考してみようと考えるに至った。
空間と舞台美術…
旗揚げ当初は、予算がないなりに工夫をしていたが
今は大道具を作る時間がないということもあり
新たに創作するということをせずに
現在ある大道具を手直ししながら
あるいは組み合わせを変えることで変化させてきた。
これって、もしや手抜き?なのか?
手抜きをしているつもりはなかったが
考えようによっては、予算を理由にして
手抜きをしていたのかもしれないな…

自分を見つめる機会になった坂手氏の講座でした。

随分長文になったので、シンポジウム以降の内容については
明日のBlogに記載することにします。