ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

信じる者は救われる?(2)

2008-01-21 23:48:21 | ムルマンスク市・街の表情
タイムリーなことに、20日(日)に日テレで放映された「世界の果てまでイッテQ」とかいう番組で、ロシア連邦ヤクーツク近くにある世界最厳寒地点オイミャコンが放送されたそうですね。

北極よりも寒い世界最低気温マイナス57度の中、「だいなお」とかいう若い芸人さんらが震えながら「バラは粉々になるのか」「シャボン玉はできるのか」「流しそうめんは出来るのか」といった、一見ショーモナイようなでも興味引きそうな実験をされてたとのこと。

また、村近くの不凍川で行水を体験したようで。現地発行の新聞を拝見しました。この村に比べたらムルマンスクはマイナス5度。オイミャコン村民にしてみれば、気温差52℃のムルマンスクは常夏港町に思えるでしょう・・・か。
http://www.ntv.co.jp/q/oa/20080120/01.html

-----------------------------

さて本題へ。

SPB寺院の後は友人のところへ。前回出だしに言ってそのまま置き去りでした「モルシュ遊びをする(Моржевание)」という言葉。解説しますと、「モルシュ」とは動物セイウチのこと、「モルシュ遊び」とは寒中水浴をするということなのです。別の訳では「セイウチ遊び」と紹介されていますね。

(1)でもお伝えしましたように、19日はロシア正教の神現祭。この日、日頃の健康と幸福を与えてくれたキリストに感謝し水浴するのがここの風習だそうで、水浴の前にSPB寺院の方を向き十字を切り水浴します。出た後はまた十字を切り深謝します。写真はその様子ですが、氷厚約20センチ水温約+3℃。触ってみましたが、超冷たかったです。

遅刻してしまったため、彼は既に水浴終了していました。
「僕達まだまだセイウチの足元には到底及ばないよぉ~」
と明るく謙遜しながらも、憧れのセイウチのような強く健康な身体にまた近づいたことを心のどこかで誇りに思っている感じを受けました。

通勤は1時間かけてウォーキング、夏季はコラ半島をサイクリングをし、冬季は寒中水浴を嗜む「スポーツ健康ヲタク」の友人が公開しているサイトはこちら。
http://www.vladsc.narod.ru/morzh.htm (ロシア語)

友人はてっきり私が水浴するのとだと思い、私を着替小屋に連行しようとしました。勿論頑なにお断りしましたvvvvvvvv。

信じる者は救われる・・・?

(おわり)

信じる者は救われる?(1)

2008-01-20 20:33:45 | ムルマンスク市・街の表情
1月19日(土)午前。「モルシュ遊びをする」という友人に誘われて、セミョーノフスコエ湖まで行ってみました。

すると、湖のすぐ近くに建っているスパソ・プレオブラジェンスキー寺院(以下、SPB寺院。2002年建立。写真右下)のあたりで何やら出入りが多いではありませんか!近づいてみました。SPB寺院周辺が特にすごい人集り。ノンポリ・ノンレリーギアの私ですが、好奇心が強いため「なんだなんだー?」と心馳せながら更に近づいてみました。

何でも、1月18日が大聖水宮入式(Великое освящение воды)、1月19日が神現祭(Святое Богоявление. Крещение Господа Бога и Спаса нашего Иисуса Христа)という、信教徒にとって忘れてはならない大事な日だったのでした。

これらの日に何をするのかと言いますと・・・

1月18日の大聖水宮入式には、聖堂内か聖堂敷地内の屋外に水タンク車が用意され、聖水が配られるようです。どこから運ばれるのか詳細不明だが、ピェルヴォマイスキー地区にあるヴヴェデンスキー寺院からかもしれません。

そして1月19日の神現祭には、人としてこの世に現れたイエス・キリストが神性を人々の前で表したことを祝います。

大聖水宮入式は、10日の神現祭時に同時開催するのが大半のようですが、ここでは18日と19日の2日間連続で開催していました。

敬虔な正教徒でもない私がただの好奇心で聖水を頂戴したら、後の方の分が不足し悲嘆に暮れるかもしれないので、遠慮。写真だけ紹介しますね。

タンク(写真中下)を見るとどうもロシアの国民的健康微炭酸清涼飲料水クワスを連想してしまい、パブロフの犬化してしまいそうですが、このタンクの中にあるのは、
水。
しかし普通の水ではありません。尋ねませんでしたが、恐らくタンク内に大きな十字架が浸してあって、それで成聖されているのかもしれません。

信教徒の皆さんが沢山恩恵に肖ろうと、いっぱい空容器を持ってきて頂戴する姿は、震災時等で全てを失い糧を求めて炊き出し場に駆け込んだ人々の姿に重なります。

信じる者は救われる・・・?

(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(5)

2008-01-19 23:23:23 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
一夜明けて1月5日(土)。朝は10時頃に目が覚めました。12時間は眠ったでしょうか。モスクワは北極圏内には入ってないので、朝になれば空は明るくなります。

起きてすぐに「ロシアのいつも変わらない朝食」を食べました。オートミール粥、カテージチーズ、干し果物、紅茶。夕べは大量に食べたので、この朝食は胃に優しかったです。

朝食後はモスクワ大学構内にあるネットカフェCAFEMAXに寄り、数日間の不在で溜まったメールの処理をしていました。CAFEMAXはモスクワ大学構内の他にも、地下鉄のノヴォスロヴォツカヤ駅、トレチャコフスカヤ駅近くにもあります。店内は眩いオレンジ色のインテリアでポップに統一され、飲食も出来ます。ネット使用は1時間100ルーブル。日本とそう変わりません。日本語フォントが無いのでローマ字打ちで返答します。このブログにある1月5日の新規投稿は、このネットカフェからによるものです。

ネットに夢中になってたらお腹が空いてきたので、ネットカフェを出てレストラン探しです。

カフェを出て母校モスクワ大学を振り返って見たとき、★年前とあまり変わらなかったので、少し嬉しかったような・・・。
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(4)

2008-01-18 23:55:52 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
パスポートは通常営業日3日後に受領できますが、お正月休み期間中なので、受領は1月10日になりました。

その間はどこかに宿泊し待機しましたが、モスクワは宿泊料だけでなく物価が何もかも高い!恐らく日本並みにかなり近づいています。地方都市からやって来た貧しい私が長期滞在するには大変苦労します。

なので、予め相談していたところに身を寄せました。大学時代にロシア語教室でお世話になったⅠ先生宅です。

Ⅰ先生は今も昔も大変な人気者先生で、日中は学生や同僚の先生達から大変慕われ、夜間は姉弟親戚知人からひっきりなしにかかって来る愚痴&相談&報告電話に笑顔で応対。ロマンス(歌のジャンル)が大好きな明るい性格で、タレントで言えば平野レミのような先生です。

留学先であったモスクワ大学で初めてお会いしてから★年も経つのに、容姿・声が全く変わっていないことに只々驚くばかりでした。

先生が作った、大蒜が良く利いたボルシチは冷えきった身体を温めてくれ、とても美味しかったです。
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(3)

2008-01-17 23:59:59 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
1月2日に車窓から初めて今年の太陽を見ました。

出発から36時間後の1月4日(金)午前7時、モスクワのレニングラーツキー駅にやっと到着しました。この駅はムルマンスクだけでなくサンクトペテルブルク(昔のレニングラード)や、世界遺産になっている木造教会で有名なペトロザボーツク方面からの列車の終着駅になっています。

この駅周辺にはカザン方面からの列車の終着駅カザンスキー駅や、ヤロスラブリ方面からの列車の終着駅ヤロスラフスキー駅が集結していて、かなり大きなところです。

駅の目の前にはロシアのサンタクロースであるジェットマローズや、その同伴娘スネグーロチカの巨像が飾られていてとても賑やかでした。

この日は午前中にパスポート更新他の要件で日本大使館領事部による予定でしたが、開館は午前9時半。朝7時に到着したので、その間朝食を摂り、駅の待合室で待機していました。
この日は晴天。恐らく大寒波が訪れていたのでしょう。駅のコンコースの気温でさえ-6℃でした。
外の気温はわかりませんが風が吹き、①顔がこわばる②口周辺が痺れだす などの症状が現れたことから、体感温度-20℃(予想)はあったと思います。

駅から領事部までは徒歩10分くらいで便利。以前大使館等はレーニン図書館近くのカラシーヌィ横町にありましたが、最近グロホーリヌィ横町に移転したようです。とても大きく綺麗な建物。セキュリティは万全。室内はとっても暖かかったです。

早速申請窓口に寄りましたが、どうやら外気にやられたようで、脳みそと呂律が良く回りませんでした。解凍(?)に時間を要しました。
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(2)

2008-01-16 21:56:39 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
1月2日(水)18時55分に、15/16系統ムルマンスク発急行モスクワ行きがムルマンスク駅を出発。ムルマンスクからモスクワまで所要時間は36時間。1日半かかるので勿論寝台車両に乗車しました。

今回往路では現地人同伴者ありだったので、プラツカールタ(60人乗りタコ部屋コンパートメント)に乗車することにしました。

通常私一人の旅なら、クペーという4人部屋コンパートメントを利用します。
日本人の皆さんがロシア旅行で鉄道を利用されるとき、旅行会社などから薦められるのがこのクペーです。お値段も安全性もこれが一番妥当だからです。

寝台部屋は他にリュークス(2人部屋コンパートメント)という種類があります。しかし、リュークスは航空料金並に高額で、同室になった人が不幸にもワルだった場合、鍵閉めれば2人きりの世界。なかなか危ないです。

今回利用したプラツカールタは廉価ですが設備は悪く、悪い人も大量に入り混じったタコ部屋、日本人1人だけで乗車するとやはり危ないと言われます。

プラツカールタの車両では、車両の長手方向に沿うように寝台が敷かれた側(写真右)と、車両に垂直になるように敷かれた側(写真左下)があります。上下2段式です。

下側ベッドの方が天井が高い上に、荷物をしまえる専用ボックスが付いているので良いです。

上側ベッドには専用ボックスはなく、更に上にある棚を使います。上側ベッドは寝台から天井まで50cmくらいの高さしかなく狭いです。

よって大抵下側ベッドはすぐに完売になってしまいます。遅くチケットGETした私達は上側の寝台をGETしました。

車両内は、昼間は沢山の乗客が往復し、夜には全員狭い寝床にウナギのようになって寝ます。

幸いワルはいませんでしたが、隙間風が車両壁面から少しヒュウヒュウ入ってきます。特に下側の寝台に隙間風が入ってきているようです。下のお嬢さんが震えていました。外は零下の世界。上側は風量僅かで暖かかったです。
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク 1965kmの旅(1)

2008-01-15 00:00:00 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
1月14日正午、モスクワから帰宅しました♪
本来の目的はパスポの切替等でしたが、モスクワに長いこと滞在する時間がこれまで殆ど無かったので、今回は思い切りモスクワ散策を楽しみました。
また旅行記を少しずつ書いていきますので、引き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げますね。

新年明けましておめでとうございます。

2008-01-02 05:02:20 | 様々な話題
 新年パーティから戻りました。19時から参加して、翌日の元旦早朝5時まで宴を楽しんでいました。久しぶりに快晴。冬の星座をリードするように赤い惑星・火星が強く輝いていました。

 写真は、元日5分前に公営テレビ等で放映される、「ロシア大統領V・V・プーチン 新年に向けてのメッセージ」です。30秒くらいにわたる荘厳壮大なファンファーレのあと、クレムリンを背景に大統領が出演、今年を振り返ります。音楽からして、大統領が出演するというより、ロマノフ王朝かビザンチン王国の帝王がありがた~い演説をするため出演しているという感じでした。それに引き換え日本はなんて控えめなんだろう。

 今年3月で任期満了になるので、今回が最後のメッセージとなりました。3月4日に大統領選がありますが、既に与党ではメドヴェージェフ氏が後継に指名されており、他の野党党首との選挙戦でも圧倒的に与党優位となっていますので、M氏にほぼ決まりになるでしょう。しかし、国民の間では、プーチンの進退は疑問視されています。つまり、適当に誰かを大統領にあてがっておいて、自分は首相にとりあえずおさまっておき、また返り咲くのではないかと。

 ありえない話でもなさそう。