イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

静かな強さ

2012年11月11日 | イコン

今日の日曜美術館のエルグレコは番組としてもとてもよかったですね。

宗教画家はいつの時代も自分が表したい絵と
教会の決まりの間で悩むのですね。

400年も前の画家の絵なのに
テレビの画像なのに
ありありとリアルに感じられました。

ただ、番組の中で平野啓一郎さんが
イコンとエルグレコの表現を比べて
「イコンは静かでおとなしい」というようなことを言われたのですが

それには「平野さん、あなたまだイコンの読みが浅いよ」と私は言いたかったです。

実際にイコンを描いていますと
あのおとなしく止まったように見えるイコンが
実は
たいへん激しい感情を持ったものであると私は思っています。

母(マリア)は子(ハリストス)の運命を感じていますし
ハリストスの動作ひとつでも、大きな意味があります。

描いていますと、イコンは動いていることがわかります。

日本古来の絵に例えると仏画より「源氏物語絵巻」の動きの方がわかりやすいかもしれません。

引き目鍵鼻の無表情の登場人物たちの内心が激しく動いています。

決して止まった静かな絵ではありません。

神様と私たちの間の神父様という存在は、
この「激しさ」を制する役目もあるのかな?と思ったりします。

天界と人間界のどちらも持つ「激しさ」のバランスをとられているお役目ではないか?と思ったりします。

私にはエルグレコの絵の方が制限(表現の限界?)があるように思えたくらいです。
平野さんとは反対に私の目にはエルグレコの絵の方がおとなしい絵に見えました。

宗教画は単純化されるほど、観る人々に想像力を与えます。
単純な中に隠された表現を見抜く目も必要です。

エルグレコの展示を観に行けたらと思います。


夜に、山下達郎の35周年の特集番組を見ました。

ニューミュージックと呼ばれたシンガーたちは私より10年ほど年上で学生運動の時代を過ごしています。

達郎は大好き。

アリスもさだまさしもユーミンも好き!

あのお兄さんやお姉さんたちの歌を聞いて大学に通って絵を描いていましたから。

彼らの歌を聞くとパワーが出ます。
静かだけど力強い歌詞が多いです。

達郎の35周年のCDを買いたいと思います。

 

今、ちょうどNHKスペシャルで殷の甲骨文字についての番組をしていますね。

殷の文字が周に流れていった。

話す言葉は違っても意味の理解できる漢字があったから交流できたといいます。

イコンもそうです。

描かれた意味、感情をイコンを見る人は読みとります。

漢字は神様の意志を人間に伝えるために現れた。

音楽もそうです。

絵もそうです。

芸術を表す人間はこの根本を忘れてはならないと思います。

 


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冬の手作業

2012年11月11日 | イコン
マトリョーシカも冬の間の手作業ということです。

下地塗りがなかなか乾かなくなってきました。
今日は雨ですから、ますます乾きは遅いですね。

夏の間にたくさん下地を塗っておいてよかったと思います。

写真のは、リキテックスのカラージェッソのバーントアンバーを塗りました。

白いジェッソを塗ってからよりも描きやすいかもしれません。
でも、白いジェッソの方が安いので
白いジェッソを塗ってからバーントアンバーを塗った方が安上がりです。

形がクリスマスツリーの中に円を掘ってあって
まるで日本の宮中の舞の時に
四隅にある火炎の太鼓のようですね。

円と炎を思わせます。
アイルランドにも三つ巴がありますから
世界中で人間の脳が感じる共通のシンボルがあるのだと思います。
介護があるので、なかなか進まないけど
私は神様と約束しましたから必ず守ります。

待っててね~♪

キルトもそうだけど、冬の手作業って何かしらワクワクo(^^)o したものがありますね。

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花時計